ディア・ファミリーのレビュー・感想・評価
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これは素晴らしい脚本である。
感動した
想像をはるかに越えるパパの奮闘劇
日本一あきらめの悪い人
立ち止まらないことの大事さを感じられました
泣かせようとはしてこない。でも泣きます。
空色の切符と本気の心
空色の切符と本気の心——映画『ディア・ファミリー』をめぐる文学的エッセイ
「ディア・ファミリー」——このベタなタイトルに、どこかで見たような既視感がよぎる。
だが、冒頭に掲げられた「実話」の文字が、私の心を静かに引き寄せた。
物語に向き合う覚悟が、そこから始まった。
事実は小説より奇なり。
そう言われても、なお信じがたい決断がこの作品にはある。
娘の心臓病と余命宣告を受けた父・坪井は、人工心臓を自ら作ることを決意する。
すべてを捨てて研究に没頭する姿は、狂気にも似ている。
しかし、それが彼の「本心」であるならば、狂気は信念となり、信念は現実を動かす。
フィクションであっても、似たような物語は描かれる。
そこに共通して流れるのは、「心こそが人生を動かす」という真理だ。
心が本心でなければ、くじける。離れる。諦める。
だからこそ、物語は私たちに問いかける——あなたの心は、本心ですか?
坪井の一心は、娘の命を救いたいという願いに尽きる。
その願いは、物語の終わりまで貫かれる。
だが、彼の前に立ちはだかるのは、日本の研究制度の壁。
予算取りの現実、権威の名のもとに語られる「キレイごと」
医者は本当に人を救いたいと思っているのか?
親は本当に家族を思っているのか?
働く人は本当に誇りを持っているのか?
「働きアリの2割はさぼっている」という言葉がある。
ならば、残りの8割は本気なのか?
いや、2割すら本気で生きている人がいるのか?
本気になれば、生き方は変わる。
坪井のように、本気にさせてくれる「逆境」を人は望まない。
何事も起きない日常を望みながら、心の奥では本気を求めている。
私自身も、実話に共感する理由がある。
息子は生まれてすぐ、小児がんと診断された。
腎臓を摘出し、腸閉塞と闘いながら、ようやく二十歳を迎えた。
生きていてくれるだけでいい。大学でゲーム三昧でも、それでいい。
坪井のようにはなれないが、子を思う気持ちは同じだ。涙が流れるのは、その共感の証だ。
「私は、人工心臓を誰よりも作りたい男です」——このひとことに、坪井のすべてが宿る。
言葉はキレイごとになりがちだが、本心から発せられた言葉は、命を動かす力を持つ。
石黒教授は、日本社会の縮図であり群像。
彼らが築いた土台の上に、坪井のような男が立つ。その稀有な存在に出会えるだけで、人生は変わる。
坪井がしたことは、既存のIABPカテーテルを改良しただけだった。
だが、その改良で17万人の命が救われた。
人工心臓は未完のまま。
アメリカでは故障する人工心臓に苦しむ患者がいた。
命とは、寿命であり、決められているものなのかもしれない。
この作品を観ながら、私は中島みゆきさんの「ホームにて」を思い出した。
あの歌詞は、自殺に失敗したみゆきさんが見た幻ではないかと、勝手に解釈している。
寿命を迎えた者は、「空色の汽車」に乗って大いなる故郷へと旅立つ。
科学がどれほど進歩しても、いつか「空色の切符」を受け取る日が来る。
ロックフェラーの死が、その事実を教えてくれる。
だが、「命を救いたい」という本心があるなら、それに従うことこそが、生まれてきた理由になるのではないか。本気の本心——それは誰の中にもある。私も、もう一度それを見つけたい。
「それで、次はどうする?」
叶えても、あきらめても、「次」を見つければ、それだけでいい。
それだけで生きる理由になる。
月川翔という監督は「君の膵臓をたべたい」(2017)を見たことがある。原作は清武英利の『アトムの心臓「ディア・ファミリー」23年間の記録』らしい。
動画配信で映画「ディア・ファミリー」を見た。
2024年製作/116分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2024年6月14日
大泉洋(坪井宣政)
菅野美穂(坪井陽子)
福本莉子(坪井佳美)
川栄李奈(坪井奈美)
新井美羽(坪井寿美
松村北斗(富岡進)
有村架純(山本結子)
光石研(石黒英二)
上杉柊平(佐々木肇)
徳永えり(柳玲子)
満島真之介(桜田純)
戸田菜穂(川野由希)
月川翔という監督は「君の膵臓をたべたい」(2017)を見たことがある。
脚本の林民夫といえば、「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」、
「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」、「空飛ぶタイヤ」、「護られなかった者たちへ」など多くの作品を手掛けている。
原作は清武英利の『アトムの心臓「ディア・ファミリー」23年間の記録』らしい。
モデルとなったのは東海メディカルプロダクツの会長筒井宣政とその家族であるらしい。
株式会社東海メディカルプロダクツは、愛知県春日井市に本社を置く医療機器メーカー。日本初のIABPバルーンカテーテルを開発、医療用カテーテルを中心に製造している。心筋梗塞や狭心症などの患者の心臓の動きをサポートするIABPバルーンカテーテルで国産シェアナンバーワン。
実話がベースであるようだ。
小さな町工場を経営する坪井宣政は、
生まれつき心臓疾患のある幼い娘・佳美の余命が10年と宣告されてしまう。
理不尽な現実に絶望した彼は、
誰にも頼れないならと自分の手で人工心臓を作ることを決意する。
娘を救うために医療知識がないながらも諦めずに挑戦し続ける父親と、
それを支える家族の姿が素晴らしい。
家族は医者から、たとえ明日人工心臓が完成しても佳美ちゃんは治せないと宣告される。
佳美ちゃんのための人工心臓の開発は間に合わない。
そんな時に佳美ちゃんは、
自分の命はもういいから、
他の心臓疾患の人を救ってほしいと父に言った。
今を懸命に生きる姿と家族の絆、生きる証を感じた。
泣けるシーンはたくさんあるが、
終盤、有村架純の登場するシーンが俺にはジーンときた。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
わかっていても感動できる
大事な事を教えてくれた映画
医療の知識など全くない技術者である父親の執念に感動した。娘の命を助けたい一心で始めた人工心臓の開発。諦めの悪い性格と粘り強さポジティブ思考、持ち前のタフさだけでなく1番の理解者である奥さんの支えと家族の存在がこの結果に繋がったと思う。この頃のクソみたいな医療会に腹が立ったが、バカにされてた教授を見返せてざまあみろだった。有村架純は脇役?と思っていたが、ラストで回収され感動の波が押し寄せてくる彼女の使い方がうまい
物凄い執念
すばらしいお父さんです。
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