VESPER ヴェスパーのレビュー・感想・評価
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シタデルはイツデル?
大枠の背景説明が冒頭に入るが、細部は中身を見ても不明瞭でした。
そもそもこの時点で、「一度しか収穫できなくして何のメリットが?」と首を傾げてしまう。
開墾させて貢がせるか、最初から与えないでよいのでは。
ドローンの意識が父親なのが後出しだったりと、設定開示がまどろっこしいのも難点。
主人公が虐げられてる理由や、叔父の立ち位置も分かるような分からないような。
エリアスがカメリアを造った動機や出奔の経緯、そこに込められた想いなどは皆無。
ヴェスパーと父、カメリア、叔父くらいしかメインがいないのに、それすら描かれない。
これで感情移入するのは無理です。
結局は叔父との小競り合いがメインで、あとは女性2人にアッサリ負けるクソザコ兵士と闘うくらい。
種だ食料だ言ってるけど、肌ツヤはよく、痩せこけた人物もいないため深刻さを感じない。
そもそも書物や記録媒体などが見当たらなかったのに、どこから知識を得たのやら。
それで食料問題が解決しても、わざわざ封印してたシタデル側が放置してくれるとも思えず。
最後、よく分からない子供たちとピルグリムの集落に行った理由も不明。
このピルグリムや失踪した母親なんかは投げっぱなし。
感動できるでもない「自分は残る」「そんなのダメだ!」を何度見せられただろう。
それで話が遅々として進まないのだから眠くもなる。
肝心のシタデルも外殻チラ見せ程度で、SF的なワクワク感が薄いのも残念。
ドローンひょいひょい抱えて走ってたけど、材質はプラスチックですか?
最初から最後まで釘付けだか、ずっと憂鬱
映像は美しいし、世界観が独特。賞を取ったのがわかる気がする。寝たきりのお父さんの意識を感じ取って代わりに喋るドローンが健気。欠点があるとしたら、何処にも向かわない、落ちのないストーリー。逆にあえてそうしたストーリーで映画を作って見せたと言える。その意義はある。また、途中でストーリーが途切れた感があるので、続編もあるかも知れない。続編が出たらもちろん見に行く。最初から続編ありきで作っているのなら落ちのないストーリーも説明がつく。
説明すべき設定はスルーで、解決もしないのに突如終わるというディストピアな作品
2024.1.24 字幕 T・JOY京都
2022年のフランス&リトアニア&ベルギー合作の映画(114分、G)
遺伝子技術の先にある歪なディストピアを描くSF映画
監督はクリスティーナ・プオジーテ&ブルーノ・サンペル
原題は『Эра выживания』で「サバイバルの時代」という意味、英題の『Vesper』は主人公の名前から取られている
物語の舞台は、遺伝子技術が発展した近未来の地球で、「新暗黒時代」と呼ばれる時代に突入していた
その世界では、城塞都市(シデタル)と呼ばれるコロニーのようなものがあり、そこに住めない人はサバイバル生活を余儀なくされていた
シデタルから一代限りの収穫ができる品種改良された種子を受け取り生活をしていて、ジャグと呼ばれる人造人間を奴隷のように扱って生きている
そんな中、森に住居を構えるヴェスパー(ファラエラ・チャップマン)は、寝たきりの父ダリウス(リチャード・ブレイク)の世話をしながら遺伝子工学を独学で学んで研究を行なっていた
彼らの住む森は父の兄ヨナス(エディ・マーサン)が支配していて、彼は子どもたちの血液を集めては、シデタルからの物資を独り占めしていた
ある日、シデタルの偵察機が低空飛行しているのに気づいたヴェスパーは、それが落ちたと思われる場所へと向かった
そこにはシデタルの住人らしき女性カメリア(ロージー・マキューアン)がいて、ヴェスパーは何とか彼女を救い出すことができた
同乗者には彼女の父エリウス(Edmund Dehn)がいて、彼はシデタルの研究者だと言う
そこでヴェスパーはヨナスの家にある無線機を使ってシデタルに応援を呼ぼうとするものの、逆に不審な行動を疑われて偵察機の存在がバレてしまう
ヨナスはエリウスを見つけ出し、何を思ったか殺してしまう
そして、同乗者のカメリア探しに奔走し始めるのである
映画は、見たことのある近未来SFで、食料と言う武器を手に入れた下界の人間による支配構造の中で反抗する様子が描かれていく
見たこともない植物などが登場し、イメージはさながら『風の谷のナウシカ』を思わせるものがあり、カメリアは王族の人間のようなビジュアルをしている
だが、彼女はエリウスによって改良されたジャグであり、彼女の遺伝子には「種子の封印を解く鍵」が刻まれていたのである
映画は、既視感満載の世界観と人物描写になっていて、説明すべきものがほとんど説明されないまま終わりを告げる
ヨナスがエリウスを殺す意味もわからないないし、全てが終わった後に、ピルグリムと呼ばれる放浪者の塔の上に昇って、そこから封印を解かれた種子をばら撒く行動も意味不明である
何かが解決したように思えるが、実際には何も解決しないまま終わっているので、何を描きたかったのかよくわからない内容になっていた
種子は手元で育てるべきだと思うし、シデタルの脅威が肌感覚でわからな
ピルグリムと化したとされる母親の行方も放置プレイだし、そもそもあの塔に勝手に昇っても良いのかわからなかったりする
いずれにせよ、リトアニアの映画と言うところに興味を持てないとスルーしても良い案件で、内容はかなりスッカスカな映画だったと思う
遺伝子工学を城下でできる状況も意味わからず、虫もたくさん登場するので、ダメな人はスルー推奨の作品だろう
見終えた後に何も残らないのだが、パンフレットに載っている設定自体は結構頑張っていたと思うので、脚本次第では化けたのかなと感じた
期待度○鑑賞後の満足度△ ポスターのビジュアルとリトアニア製のSFということに惹かれて観たが…😅 ただ、これぐらいの寒々しさが「ディストビア」には相応しいのかも知れない…
①第一の不満は、ポスターにあるあのタコ型の建造物が何か全く説明が無かったこと。アー、焦れったいたりゃありゃしない。
②
理解はし難い
雰囲気と設定は好き。
世紀末よりの、衰退した世界。
主人公の、設定も悪くは無いんだけどちょっと都合が良いかな。
なんでそんなに賢いのか裏設定が欲しかった。
というか、この作品は雰囲気を楽しむものなのかも。全体的に説明不足。
音楽で、発見した!とか盛り上がりは見せてくれるんだけど、なんでそうなるのかの背景と過程がはっきりとは描かれていないので、なるほど!とかやった!とかいう感じはない。
なので雰囲気を楽しむものなのかと。
まぁタネが大事ということでw
細部に宿る生命の息吹
見慣れたVFX至上主義的な
SFとは一線を画し
生々しく作り込まれた世界観に
惹き込まれるダーク・ファンタジー。
植物や研究室、デバイスなど
想像力溢れる拘りの造形が素晴らしい。
派手なアクションではなく
絶望の中で諦めない人間のドラマ。
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