「見直したくなる作品」もっと遠くへ行こう。 kinako-catさんの映画レビュー(感想・評価)
見直したくなる作品
SFというのは、兵器やエイリアン、タイムマシンが出てくるだけじゃなく、
“IF”の世界、人はどうするのか?というシュミレーションの部分が魅力的だったりする。
そういう意味では、こちらも見事にSFです。
宇宙に行く夫、残る妻、不在の間を埋めるのは夫の記憶を移植したクローンだと言う。
妻を所有物扱いする夫に辟易としていた妻が、単身宇宙へ行く夫との時間をどう過ごすか?
夫の代用?のクローンに対してどう接するのか?
代用クローンとリアルな夫についての感覚に変化はあるのか?
田舎のポツンと一軒家が舞台で、主要な登場人物も夫婦と担当者の3人の会話劇。
普通の映画でも地味な設定です。
SF映画としてはなおさら、地味すぎな設定です。
ただ、そんな状況に置かれた物語として、
あれこれ考察したくなるという意味でいい作品です。
何たって夫を煽りに煽って追い詰めていく担当者の表情が、
実はニヤニヤしていて不穏でいいです。
(そして笑顔の意味は、最後でわかってくるのです)
もう一度見直したくなる作品です。
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