今年154本目(合計1,246本目/今月(2024年4月度)28本目)。
(前の作品 「陰陽師0」→この作品「映画 きかんしゃトーマス 大冒険!ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル」→次の作品「」)
※ 時間調整のため「ブルーロック」を見てからになりますが、憲法論的な解釈が可能なアニメ以外は基本的に採点外です。
いい年して何でこの映画なんですかと言われそうですが、結婚している兄弟姉妹がいて、その子(1歳)にグッズでも送ろうということで見てきました。なお、購入したクリアファイルと入場者特典は余り気味だったので、事情を説明したら一つくださりました。感謝です。ありがとうございます(レターパックで送る予定)。
この映画、アニメものといえばセーラームーンだったりドラえもんだったり、クレヨンしんちゃんだったりありますが、それらが5~7歳児(男女はとりあえず考慮しない)を想定していると考えれば、この映画版アニメは2~4歳程度を想定していると思われます(明示的な記述はないが、アマゾンのきかんしゃトーマスのグッズが3歳から等とあるので)。
で、ここでも書かれている通り、この業界…というより、日本の「低学年小児」(という単語が正しいかどうかはさておき)にも「合理的配慮」「ダイバーシティ」「(超広義の)LGBTQは押し寄せているな」という印象です。
60分ほどのアニメですが、予告編を見ると明らかに「浮いた」登場人物(「人」かどうかはともかく、漢字変換の都合上これで統一)がいることはすぐにわかります。どうも自閉症という設定だそうです。もちろん私も広い意味で当事者(内部障害2級=身障者)なので理解はしますが2~4歳くらいの子に、自閉症の子を「ダイバーシティだ」と持ち出しても60分ほどのアニメで理解できるんでしょうか…。「細かいところにこだわる」といった部分で出てきます。60分ほどなので、自閉症(という語は出なかったはず)に対して良いも悪いも述べることなく「一人の登場人物」として出てきますが、2~4歳児にこれらを理解するのはさすがに無理なんじゃないか…と思いますし、父親母親が看護職等であれば説明もまだできましょうが(理解できるかは別)、「説明できることと理解できること」は別です。
さらに、この映画は日本映画ではなく実はアメリカ版、イギリス版があり、そちらではその登場人物の声優が「当事者」で、その「当事者」の方の意見を受けて当該登場人物の描写が変わっているなど「ダイバーシティ」が実現されていますが、日本語版(吹き替え版「しかない」)では、このブルーノの声優は一般の声優さん(当事者ではない)。
一当事者としてダイバーシティ教育は大切だとかインクルーシブ教育は大切だとかという意見には賛同はしますが、それも「年齢相当」というものであり、2~4歳くらいの子にこの映画は理解がしがたいのは(映画のようにぶつぶつ話してもいいんだみたいに思われたり)といったところです。
もちろんこのことを突き詰めてかけば「インクルーシブもダイバーシティもLGBTQも全部排除しろ」ということになりましょうが、当然そんな極論であるわけではなく、何も「2~4歳くらいの子に60分ほどの映画でこの登場人物が出ても理解ができないのでは」といったところです(7割でも理解して「そういう子もいるから幼稚園保育園で大切にしよう」というような子は、国立大学付属の小学校に余裕で合格できるんじゃないかと思います)。
ストーリーに関しては正直60分ほどの展開なのであまり書きようがなく、いわゆる「お宝さがし」のようなストーリーでストーリーも何もあったものではないのですが(年齢層が年齢層なので、ドラえもん以上にひねりがない)、こうした映画にも「ダイバーシティ・インクルーシブ教育」は「忍び込んでいる」んだなと思った一作です。
評価は以下の通りです。
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(減点0.4/日本においての声優の選定が配慮不足)
イギリス・アメリカ版では実際に当事者が声をあてたことに比べると、やや「福祉後進国」のそしりを免れないと思います。
(減点0.2/結局、想定年齢層(2~4歳)では映画の述べる趣旨は理解しがたい)
上述通り、母親父親が看護師・医師等であれば「ギリギリ説明できるか」になってしまっており、「出すな」とは言いませんが(それを言うとダイバーシティも何もなくなる)、放映時間に対する割合等色々考えて、「出すなら出すでちゃんとした説明をする」といった配慮が欲しかったです。
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