「【"ある漫画家と私。そして、”私”が去った後、漫画家は一人で漫画を描き始めた。”今作は、スランプの漫画家が幽霊たちと出会い、数々の”私”との過去と向き合い成長する姿を描いた物語である。】」マンガ家、堀マモル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"ある漫画家と私。そして、”私”が去った後、漫画家は一人で漫画を描き始めた。”今作は、スランプの漫画家が幽霊たちと出会い、数々の”私”との過去と向き合い成長する姿を描いた物語である。】
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■新人賞に輝いてからスランプだった漫画家、堀マモル(山下幸輝)の家にある晩、小さな幽霊3人が現れる。
そして、堀マモルは幽霊たちが語る夫々の過去の想い出を3篇の漫画に仕上げる。
堀マモルはその経験を経て、自身の哀しき過去に向きあうのである。
◆感想
<幽霊たちが語る夫々の過去の想い出>
1.小学生の時、スナックで働くで母に、”寂しい”のに、我慢していた事。
2.中学生の時、周囲に馴染めずにいた絵が好きな僕を、”外に出る”様に”励ましてくれた教師(三浦貴大)の事。
3.高校生の時、一緒に漫画家になる夢を叶えようと”友”に上手く告げられなかった事。
・今作では、幽霊たちが語る過去が、実は堀マモルと恋人だったハル(桃花)との関係だった事と言う設定が巧い。
又、時系列を少し弄る事で、その過去の出来事を堀マモルが抱えていた屈託と、恋人だったハルとの思い出に変換させ、マモルのハルに対する秘めた想いの扉を開けさせる過程を巧く描いている。
・即ち、今作は脚本が上手く(もしかしたら、観る人によっては分かりにくく感じるかもしれないが。)マモルのハルに対する秘めた想いを丁寧に描く演出が良いのである。
<そして、堀マモルは3篇の漫画を仕上げる過程でハルの存在が、如何に大きかったかに再び気付きながらハルが堀マモルの事を想い夢を自身の夢を託し遺した”ある漫画家と私。”というシナリオを読み、それを漫画に仕上げ漫画家としての再スタートを切るのである。
今作は、素敵なるファンタジックゴーストラヴストーリーでもあるのである。>
<2024年9月1日 刈谷日劇にて観賞>
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