Hereのレビュー・感想・評価
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なんか、新しい形の映画ができた感じ 音、画、カメラと被写体の位置関...
なんか、新しい形の映画ができた感じ
音、画、カメラと被写体の位置関係、
俳優さんたちのたたずまい、
場面場面の繋ぎ方、
全てが魅力的
監督が「ストーリーなんて実はどうでも良いんだ」と言っていたのが印象的
受け手の思うままに感じ取ってくれればそれで良いと思うような監督に対して、
的外れな筆問があったのが、ちょっと申し訳なかった
穏やかにして緩やかな波紋。
植物のたくましい生命力や安らぎの一方で、人との触れ合いや関係性の複雑さを、場面変わりの直前の余韻とともに仄かに描く。
手を差し伸べ、相手の手をかたく握り、相手の身体を引き上げる。一方はその支えを信じて、立ち上がるために身を預ける。この一連の所作に希望を感じられる。
只そこにある自然
《Here》
建設労働者ステファンはベルギーを引き払いルーマニアに帰郷しようと冷蔵庫を片付ける為に作ったスープを友人達に配る。森で出会った食堂の中国系看板娘は"苔"の研究者。草木のざわめきを聴き驟雨にうたれ自然を"畏怖"や"敵"ではなく"只そこにある"ものとして描く"何も起こらない映画"大秀作🌿
ゴースト・トロピックと共に人物が"横向き"で画面の外に対するカットが興味深い。"映っていない"人との会話、"映っていない"出来事からの影響。静かに淡々と進む作品でありながら居場所に安住するわけでなく"ダイナミックな"外部を感じる。"只そこにあるだけ"の自然には到底敵わない。
日本初公開の バス・ドゥボス 監督と主役の リヨ・ゴン さん登壇。監督の作品の作り方として"作り込むというよりその場で何が起こるのかを愉しんでいる"という発言を伺い、今後注目したい監督リストに入れさせていただきました✨
#Here
#ゴースト・トロピック
苔は小さな森
小学生の頃、ゼニゴケにハマって家にある鉢植えや花壇にゼニゴケを見つけて来ては移植していたことを思い出した。
確かに森だし、ゼニゴケは無人島のジャングルみたいだった。
多くの人は、大人になって足元の苔なんか視界に入らなくなっている。
苔の研究をしている彼女に出会って
忙しない日々を過ごしているうちに見えなくなっていたものを思い出し、彼はこの地にどんな種を蒔き、育てていくのだろう
バス・ドゥヴォス監督がコトコトと煮込んだ穏やかな愛情のこもったスープのような映画
この映画もゴースト・トロピックも、私にとても心地よいテンポだった。
次回作が待ち遠しいと思える監督に出会えてよかった。
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