劇場公開日 2024年2月2日

「「Ghost」の意味するものは?」ゴースト・トロピック あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「Ghost」の意味するものは?

2024年4月10日
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鑑賞方法:映画館

作品内のクレジットではタイトルは「Tropic」しか表示されていない(はず)
え「Ghost」どこに行っちゃったんだろう、ということでいろいろ調べてみたのだけどよく分からない。海外のポスターとかでも「Ghost Tropic」と表記されているので邦題のみ変えたということではないらしい。
一つ考えられるのは、この映画のクレジットでは役名もしくは担当業務名と、キャストもしくはスタッフの名前が時間差で表記されるところから、「Tropic」すなわち回帰する人は「Ghost」ですよと言っている、でもタイトルを出すときには「Ghost」自体を表示することもやめちゃったのではないかと。ゴーストだけに消えちゃったということなのだろう。
この映画の夜の光景はとても切迫感があるというか、深く暗く寒い夜が表現されている。16mmでこの闇のシーンを撮影するのは大変だったんだろうなと思う。
そして、そこに居る人達、主役のハディーシャが出会う人たちは、ハディーシャの娘も含め何かふわふわして輪郭がはっきりしない存在なのです。
この映画が、ロードムービーであるとか、人情ものであるとか評する向きもあるが私はそれは違うと思う。
この映画はハディーシャが夜そのものと出会う話であり、出てくる人たちはすべて夜がみせる幻影なのだろう。そして、ハディーシャが夜を抜け出したことを示すものはなにもない。最後に出てくるビーチのシーンには彼女は出てないしね。まあいろいろな考えが浮かんでくる作品でした。

あんちゃん