劇場公開日 2024年1月26日

  • 予告編を見る

「光が3つに」コット、はじまりの夏 MARさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5光が3つに

2024年2月28日
Androidアプリから投稿

泣ける

幸せ

粗暴な父と何となく陰気な母と暮らす9歳のコットが、母の妊娠を機に預けられた親戚宅で過ごす一夏の物語。

物静かであまり幸せそうに見えないコット。優しく出迎えてくれるアイリンに対し、どこか冷めた様子のショーン。秘密は無い、と語るこの家には実はある出来事があり…。

あまり言葉数の多くない作品ですが、穏やかな木漏れ日と美しい景観が語りかけてくるような雰囲気。コットの髪を縫いながら数える優しい空気は、胸にスッとそよ風が吹く感じですね。

一緒に時を過ごす中で、不器用ながらもコットと近づくショーンの姿は素敵だし、本当の家族になっていくようですね。

コットはコットで、事がわかってからは子どもながらに夫婦を気遣っている感じ。自分自身もそうですが、やはり夫婦仲が良いことって子供にとって大切ですね。フラッシュバックでも特に印象的だった。

ラストはシンプルと言えばそうですが、泣ける展開ですね。その言葉はどちらに向けられたものか…そんなことを考えながらの幕引きとなりました。ショーンとアイリンにとっても、何かが変わるきっかけになったように思います。

とても良い作品でしたが、強いて言えばうちの子と遊ばせておくと言って預けられたものの、家に着いて座る間もなくショーンが迎えに来たのにはちょっと笑いそうに…預ける必要ないじゃん(笑)

まぁ道中の会話シーンが重要なわけであって、そこはどうでも良いのですが。

特に大きな出来事が起こるわけではないし、先の展開も読める部分が多いけど、素直にとても素敵な作品だった。

MAR