劇場公開日 2024年1月26日

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「ナメててすいませんでした!」コット、はじまりの夏 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ナメててすいませんでした!

2024年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この作品、高い評価があるのにもかかわらず、観る前の私は少しナメていたかもしれません。相変わらず疲れが取れずに「眠くなったら」を心配していましたし、子供が題材だと「泣かせ」にかかるのではと構えていたところもありましたが、観終わって全くの杞憂に終わりました。よかった。素直に泣けます。
あらすじにしてしまえばベタに聞こえてしまう内容なのですが、作品の出来は在り来たりとは感じず、一瞬も目を離せない雰囲気があります。それは言わずもがな、コットを演じるキャサリン・クリンチのごく自然な演技で、子供に感じる「危なっかしさ」が絶妙で兎に角素晴らしい。それだけに何故、この作品そのものだと思える原題「An Cailín Ciúin/The Quiet Girl」を変えるのか、余計なことしてる感は否めません。
また脚本も「親には責任がある」という当たり前の正論は程よいバランスで抑え、むしろ「大人にも厄介な事情がある」という現実感があり、話がすんなりと入ってきます。そして、「選択肢のない子供」に対して「不憫だ」と憐れむような欺瞞なところがないのもよく、それはまさしく監督であるコルム・バレードの実績がものを言っているのだな、と。「丹念に、真摯に、」まさに子供に対するような丁寧な作品作りと感じられ、信頼感がありますし、創作物であっても「作り物」と感じさせないリアリティーがあります。
そして、終わり方もいいですね。理想と現実、まぁ、やはり現実なのでしょうが、、、この感じ、いい余韻です。大好き。間違いのない高評価ですね。ナメててすいませんでした!

TWDera