「そろそろ新シリーズとしての魅力が欲しい」ゴーストバスターズ フローズン・サマー おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
そろそろ新シリーズとしての魅力が欲しい
世代交代した前作「ゴーストバスターズ アフターライフ」の続編となる本作。大好きな「ゴーストバスターズ」シリーズなので、公開初日にさっそく鑑賞してきました。
ストーリーは、ニューヨークに事務所を構えてゴースト退治を請け負うようになったスペングラー家が、施設の老朽化やゴースト保管庫の限界などに悩む中、かつてゴーストバスターズで今は呪物専門店を営むレイのもとに怪しげな球体が持ち込まれ、調査によりそこには邪神ガラッカが封印されていることがわかるが、ガラッカの策略により封印は解かれてしまい、復活して街中を凍結させ、ゴースト帝国を築こうとするガラッカに、新旧ゴーストバスターズが挑むというもの。
前作をほぼ忘れてしまっての鑑賞でしたが、さほど困ることはなく、最後まで楽しく鑑賞できました。相変わらず街の被害度外視の幽霊退治で、冒頭から魅せてくれます。このハチャメチャぶりがいかにもゴーストバスターズという感じで、冒頭からアガります。
また、本作でも旧作メンバーが加勢して、物語を盛り上げ、往年のファンの期待にきっちり応えてくれています。ここにハロルド・ライミスの姿がないのは寂しいですが、前作でお別れできているのでよしとします。ラストは、毎度のことながら街中から喝采を浴びて大団円となるわけですが、今回は市長に咎められてチームから外されたフィービーがやらかしまくっている感があり、ちょっと素直に褒め称える気にはなれませんでした。それでも、家族の絆を感じさせるラストは悪くないです。
こんな感じで概ね満足なのですが、今回はストーリーがややゴチャついている感じがしました。それでいて、登場を散々じらしたわりには、クライマックスのガラッカとの対決はわりとあっさりしていて、なんだか強敵に感じなかったのはもったいないです。もう少しシンプルな展開でもよかったし、初戦は負けても、古文書から弱点を見つけて巻き返すというような流れでもよかったかなと感じます。
あと、旧メンバーの助力もうれしくはありますが、そろそろそこに頼らず、新メンバーの魅力だけで押していかないと、先細っていかないかとちょっと心配になります。公開初日に鑑賞したのですが、客の入りは悪くなく、7割ぐらいは旧作を知らなさそうな若い世代だったので、新メンバーだけでも十分に集客できるのではないでしょうか。今後もシリーズが魅力的に続くことを期待しています。まあ、最後にレイ・パーカーJr.が聴ければ、それですべてOKなんですけどね。
主演はポール・ラッド(なのかな?)で、ちょっと頼りなさげな父親役がぴたりとハマります。脇を固めるのは、前作のマッケンナ・グレイス、フィン・ウルフハード、キャリー・クーン、80年代版のビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、アーニー・ハドソン、アニー・ポッツらおなじみの顔ぶれ。前作同様にマッケンナ・グレイスの魅力を前面に押し出し、より新味を感じさせてほしかったところです。