港のひかりのレビュー・感想・評価
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昭和の残響と現代日本映画の“分裂したリアリティ”について
藤井道人監督の『港のひかり』は、観客の心を掴む叙情的な前半と、仁義なき戦いに急旋回する後半という、ある種日本映画の“縮図”のような構造を抱えた作品だ。フィルム撮影を選び、北陸の港町を舞台に、舘ひろしという昭和映画の象徴を据えた時点で、映画はある種の「宿命」を背負ってスタートする。冒頭から中盤にかけての本作は、その宿命と見事に調和している。海の光、漁師の生活、盲目の少年・幸太との静かな絆、贖罪と再生——いずれも藤井作品の美学そのものだ。35mmの粒子が、失われた時間や人間の影を優しく包む。ここまでは完璧に近い。
ところが、大塚(ピエール瀧)が殺害されるあたりから、映画は突如として気圧配置が変わるように“別の映画”へと移行する。倉庫へ車で突入、突如の銃撃戦——この流れはどう見ても昭和・平成アクションの残滓であり、舘ひろしのフィルモグラフィーが持つ文化的記号を強制的に呼び起こしてしまう。これは監督の意図というより、舘という俳優が40年間積み上げてきた「身体の記憶」が画面を支配する現象だ。映画の文法が、叙情から暴力へ、静から動へと断裂し、その矛先が作品の芯を揺らしてしまう。
また、三浦(舘ひろし)がお金を調達するために安易に犯罪へ戻っていく展開も、やや物語構造として説得力を欠く。紡いできた再生の物語を自ら踏みつぶしてしまい、キャラクターの内的葛藤が端折られた印象は拭えない。幸太の義母(めぐみ)が、比較的まっとうな人物として描かれながら、12年間の間に疲れ果てた姿へ変貌している背景も十分に掘り下げられない。彼女が“時間に置き去りにされた人物”であることは伝わるが、その過程も物語の核心たりえたのではないかと感じてしまう。
幸太の車突入も同様で、情動の爆発としては理解できるが、絵面の問題としてどうしても平成アクションの文脈を呼び込んでしまう。観客は叙情映画として観ていたのに、突然“あぶない刑事”の劇場版のような絵面が目の前に現れるのだから、文脈の断裂は避けられない。これは藤井作品の「衝動ラスト」の悪い癖が出たと言える。作品世界が一度乱れ、その乱れを物語内部の必然性で回収しきれないまま“破れ目”として残ってしまう。
しかし、それでも本作が最終的に観客の記憶に残るのは、ラストのエンドロールにおける縦書きキャストの横流しだ。海を背景に縦書きテロップを左から右に流すというクラシックな手法は、日活や松竹の文芸映画の余韻を喚起し、散らかった文法を静かに統合していく。昭和の映画が持っていた「終わりの静けさ」を取り戻し、観客に「この映画は日本映画の系譜にある」という確信を与えてくれる。結果として、乱暴に見える後半のアクションも、昭和映画の記憶と接続することで、どこか許せてしまう不思議さがある。
『港のひかり』は、現代日本映画の抱えるアンビバレンス——叙情と暴力、詩情と脚本の粗、俳優の文化記号と作家の意図——が複雑に絡み合った作品だ。完璧ではない。むしろ綻びだらけだ。しかしそれでも、この港町に流れる光と風景が観客の心に残るのは、本作が“失われつつある日本映画の美学”を確かに掬い取ったからである。そういう意味で、この映画はやはり観る価値がある。
運転代行?
能登復興映画ですが、ちょっと設定地域が狭すぎたような?
東京と能登なら隠れすむにはちょうど良い距離だと思うが
映画をみていて、これじゃあすぐ近くじゃん?すぐ見つかるのでは
と疑問点が色々出てきてしまった。
良いお話なんだけど、時代背景が不明、結局は任侠映画の範疇を
出ていなかったような気がしました。
運転代行って免許はどうするの?と疑問が生じて調べたら
服役中でも免許の更新はやってくれるそうです。
ここは納得できました。
映画としてはやはり任侠映画だったので☆3.5でしょうか?
ストーリーと演出の物足りなさを演技で黙らせるストロングスタイル
北野武みたいな映画をやりたかったのかな
設定がファンタジーすぎるし
コメディばりにご都合展開だし
CG?VFX?雑すぎて目を疑うけど
みんな演技上手いから、リアリティ無視して
映画だな、って見てる分にはとてもいい
ピエール瀧の死に様がめっちゃ良かった
なかなかの出来だと思います
よく出来た作品だと思います。舘ひろしの役柄がピッタリ。ピエール瀧の役柄も巧く設定されている。鮮やかな復活だと思います。MEGUMIのだらしない養叔母も夫婦役とも合っている(笑)。尾上少年も抜群に巧い。まさにサラブレッドですね。笹野高史さんは『沈黙の艦隊』の総理役よりも、この映画の町の相談役風情が似合っていると思います。椎名桔平は反社を演じさせたら現在は最右翼かも知れませんね。『アウトレイジ』出演よりも経年の結果、凄い殺気が出ていましたね。最大の驚きは斎藤工の演技です(笑)。こんな役をよく演じましたね。違う一面でした。岡田准一の現代の人物はやや良い意味での違和感(笑)が有りました。
全体的なストーリー展開はよかったが、
ヤクザからカタギになったはすが、ヤクザ同然に一般人をつめる? 足を洗ったはずが、隠れ家的な家が、そんなに離れてなかった。ダメな義養父母に大金(手術費500万なのに)をキャッシュで渡す。撃たれて救急車が来るまで時間掛かるし、乗ってきた車でなぜ送らない? そのあと吹雪く外で港を見てる場合か?
演出理由は色々あれど、どうも「?」マークが拭えない。脇を固める役者さん達が好きな人達だったが、なぜか残念なキャラ作りとセリフ回し。演出のせいか?
始まってすぐ違和感を感じ、エンドロールまで頭から離れなかった。子役が下手すぎないか?(舘さんも)
もう一度、観に行って再確認しようと思う。
レトロな味わいは楽しめるが、前半の展開が後半に活かされていない
冒頭の東映のマークと相俟って、昔の任侠映画のようなレトロな雰囲気が味わえるし、令和の時代には、かえってそれが新鮮にも感じられる。
木村大作による、冬の日本海の寒々とした漁村の風景や荒波の様子だけでなく、雲やら夕陽やらのインサート映像の美しさも印象に残った。
足を洗って漁師として働いている元ヤクザが、盲目の少年と心を通わせ、彼の目の手術のために覚醒剤の代金を強奪して、刑務所に入るまでの前半は、ベタな展開ながらも、それなりに興味を持ってストーリーを追うことができたし、後半に向けた期待も高まった。
ところが、主人公の元ヤクザが、12年後に出所してからは、徐々に筋立ての荒さが気になってくる。
少年が刑事になるのは良いのだが、警察官になったら、まず真っ先に、彼が元刑事だと思っている主人公のことを探し始めて、主人公から聞いたエピソードをヒントにして、いずれ、定年退職した刑事に行き着くのではないかと思われるのだが、そうした気配がまったく感じられなかったことには、違和感を覚えざるを得なかった。
それでも、主人公と若い刑事は、どれだけドラマチックな形で再会するのだろうかと期待していると、若い刑事が、主人公のことを、元ヤクザだと知った直後に、警察のデータベースからあっさりと見つけ出してしまったり、自分が出した手紙を届けようとする人物を尾行して、いとも簡単に主人公の居場所を突き止めてしまったりして、完全に肩透かしを食らってしまった。
若い刑事は、主人公の顔を知らなかったので、主人公に会っても気が付かず、声を聞いて初めてその人だと分かったり、そうとは知らずに、元ヤクザの主人公を逮捕しようとしたりするのではないかと予想したのだが、そうした「顔を知らない」という設定を活かした展開が無かったことにも、物足りなさを感じざるを得なかった。
ラストで、主人公がヤクザ達に呼び出され、殺されそうになっているところに、たった1人で乗り込んでくる若い刑事は、余りにも無謀で軽はずみだし、敵を制圧する前に、負傷者の救護に当たろうとする若い刑事の行動も、間が抜けているとしか思えない。これでは、みすみす殺されに来ているようなもので、その後の、あり得ない逆転劇も、単なる「拳銃ごっこ」にしか見えなかった。
実際の吹雪の中で、若い刑事が主人公に手錠をかけるラストシーンにしても、確かに「絵的」には美しいのだが、「どうして、わざわざこんなところで」という疑問の方が強かった。
何よりも、「誰かのために生きる」ことから生じる「強さ」が、主人公から若い刑事へと引き継がれたように感じられなかったのは残念としか言いようがなく、例えば、ラストは、「若い刑事が、恋人を守るために命を懸ける」みたいな展開にできなかったものかと思えてならない。
それから、友情出演の岡田准一はまだしも、せっかく外見を激変させた斎藤工(最初は誰だか気が付かなかった!)に、ほとんど活躍の場が無かったことも、「無駄遣い」に思われて残念だった。
人のために生きる事こそが生き甲斐であり人生という作品
結論からいうと感動系の良い映画でした。誰かのために全てを捧げるという生き方を真正面から魅せてきたシンプルでわかりやすい構図のストーリーだけど、他人のためにここまで出来る人間いますか?というそんな主人公でした。とこどころ周りの人間が「なぜそこまでするの?」と聞いていることに対して主人公が誤魔化しながら微笑むのが印象的でしたね。仁義を全うしてきた人間だからこその芯の強さと不器用さを兼ね備えた真っ直ぐな映画だったと思います。良い意味で時代背景も含め、エンドロールの表現や映画全体の雰囲気はまるで20年前くらいの映画を彷彿とさせるような感じでした。舞台が北陸なのも良かったですね。海と雪が孤独と切なさをより強調させていると感じれました。最後の主人公のやり取りや言葉も変な良い回しが全くなく、甘えや妥協もない真っ直ぐな表現は一切ブレることのない人間性を最大限まで表現していたと思います。人間臭く、更にその中に人の愛や情が濃厚に出ていた作品だったので、そんな映画がお好きな方にはピッタリかなと思いました。例えていうと「ヤクザと家族」の柔らかいverといった感じでしょうか。ご興味がある方は是非観てみてはいかがでしょうか。ちなみに所々に「ん?」っていうキャストや「お!?」というゲスト俳優が出ているのも見所です。
能登の復興のひかりがより一層輝きますように。
輪島の朝市がチラッと映っていたのでどうしても、どうしても作品より震災の被害がーとか無事だったのかなーとかよぎってしまって集中しきれなかったね。
作品自体は昭和の任侠物に令和のマイルドフィルターがかかったドラマになってます。
正直作品には星は付けにくいんですが出演者には星だらけです。
男は黙って背中で語るみたいに間や僅かな動きに台詞の節々で感情や願いに侘び寂びを出していて………古い人間にはぐっとくるものがあります。
そりゃ大作先生がカメラを回してるんですもの。圧が熱がアツアツですわ。
演者がバチバチに切合いに殴り合いをかましていて尾上眞秀くんの可愛さで癒されます。
そしてMEGUMIの揉まれシーンがクライマックスの作品でした。
舘ひろしさん
の演技が良かった😎
ストーリー的にもわかりやすいし、楽しめたかな😀
元ヤクザと目が見えない家庭環境が悪い少年との交流。少年の人生を救った。めでたし、めでたし🎉
椎名桔平さんは最近はヤクザ役のイメージやけど
他の役のが好きかな。悪くはないんやけど笑笑
ピエール瀧さんもスジが通った漢って感じで良かった😎
港の雰囲気が良かった。どこなんやろ。また、パンフレット見たりするか😀
舘ひろしのいぶし銀の情の演技が秀逸!
設定や舘ひろし演じる主人公三浦の出自は、正直好みではないし、
昭和的なにおいがするので、あまり鑑賞に乗り気ではなかったのだが、
舘ひろしの演技が望外に素晴らしく、とても感動した。
とにかく三浦の幸太(尾上眞秀・眞栄田郷敦)への愛情がハンパなく
三浦が親父(ヤクザの親父:宇崎竜童)に、強い=他人のために生きること
を実践しようと幸太へ心を尽くすシーンの数々は心に響いた。
三浦は元ヤクザだから、幸太のためとはいえ、やっていることは破天荒。
これが本作の本作たる所以だと思うのだが、どんな過去があっても
他人のために生きることはできることを実践してみせたのであろう。
三浦と幸太を支える荒川を演じる笹野高史の演技も素晴らしかった。
彼がいたからこそ、三浦も幸太も生きていけているのだと思う。
ラストシーンも幸太を優しく見つめる老いた荒川にもグッときた。
やはりもっとも感動したのは、三浦と青年になった幸太が再会するシーン。
ここでの舘ひろしの泣きの演技がもっとも素晴らしく、心を打った。
脇を支える俳優陣も素晴らしい。
市村正親のダチっぷり、椎名桔平のクズっぷり、斎藤工のハジけっぷり、などなど。
友情出演の岡田准一には驚いた。本当にちょい役だがなんて贅沢なんだと。
映画には直接関係ないが、私のうしろに座っていたお爺様・お婆様グループのマナーが
過去一といってもよいくらい悪い!
お茶の間かといわんばかりの上映中の会話、そして究極だったのはまさかの電話に出て
会話したこと。頼むから映画館ではやめてほしい。
私以外の観客もハズレ会だと思ったはず。
舘ひろしの《ヤクザの美学》に高倉健を見た。
舘ひろしさんは、まんま高倉健でした。
東映のヤクザ映画路線を引き継ぐ映画でした。
高倉健さんの映画に「冬の華」があります。
1978年の東映映画で降旗康男監督・脚本は倉本聰です。
プロットが似ていますし、流れる精神は同じに思えました。
“愛する者のためへの、自己犠牲“
それが男としての美学です。
「港のひかり」
元ヤクザの漁師・三浦(舘ひろし)は、白い杖をついて歩く少年が、
子供たちに虐められてるのを見て心を痛めていた。
親友の笹川(笹野高史)から、少年が失明した経緯を聞き、
世話になってる叔母の亭主に酷い扱いを受けているのも見聞きする。
少年は幸太という名前で、港でいつも出会い、
三浦は魚船に乗せて漁に出る。
沖に出た幸太は「海を見たい」とつぶやく。
三浦と幸太(尾上眞秀)は孤独な者同士、肩を寄せ合うようになる。
三浦は幸太の眼を心配して専門医に診て貰うと、
手術を受ければ回復する可能性があると言われたが、
費用は高額だった
とても元ヤクザの漁師に出せる金額ではなかった。
★このお金の捻出方法には、困惑しました。
★★完全にヤクザの理論です。
まぁ分からないでもない・・・宝くじにでも当たらなければ
用意できない額です。
★ヤクザよりタチの悪い叔母(MEGUMI)の亭主を叩きのめし、
暴力により叔母にも手術の同意書にサインせざる得ない状況にする。
暴力も性根の腐った人間には何より効果的・・・
だと知りました。
それから12年後。
三浦の尽力で幸太は視力を取り戻して、今は故郷で刑事として働いて
います。
12年間は三浦の刑事事件の刑期でした。
三浦は出獄して、笹川の助けでアパートを借りて、
タクシー代行の仕事に就きます。
笹川のすすめで三浦は初めて幸太に手紙の返事を書きます。
オジサンとしか知らされていなかった幸太
(成人した幸太は眞栄田郷敦)は、三浦の消息を遂に知るのです。
そして眼の手術のお金を出したことをやっと知ります。
三浦を待っていたのは幸太だけではなかった。
三浦の元いた暴力団の組長の石崎(椎名桔平)もまた、
待ち侘びていた。
弟分の大塚(ピエール瀧)の手引きで、覚醒剤取引の外国人との
ブツの受け渡し情報を得て、三浦はそのブツの代金を
ネコババしたのだった。
同時に外国人マフィアを殺して捕まったのだ。
三浦に迫る石崎一味の追手。
遂に三浦は石崎に捉えられてしまう。
刑事の幸太もアジトに現れての修羅場‼️
ラストがまた、賛否の分かれる所だと思います。
「お縄を頂戴します」的な三浦のシーン。
これは幸太に罪が被らないようにとの三浦の心配り・・
、と、思いましたが、そう単純に警察は鉾を納めますかね?
三浦は幸太や笹川には優しく人情に厚い義理堅い人物ですが、
そのためにトバッチリを受けたピエール瀧の命とか、
目的のためには自らの手を汚し手段を選ばない極道精神。
そこには涙しつつも納得はいかなかったです。
能登地方の険しい山肌や港。寒々とした冬景色。
撮影した木村大作の叙情溢れる風景の切り取り。
主演した舘ひろしの渾身の熱演。
眞栄田郷敦の若々しく凛々しい美しさ。
見どころは満載で好きな映画ですが、
ヤクザの流儀と考え方には疑問を感じるのでした。
監督・脚本の藤井道人さん。
三浦の男の美学は
身を賭して愛する者を守る・・・
究極の献身と自己犠牲・・・確かに胸を撃ちました。
しかし、
「ヤクザと家族The Family」の救いのなさの方が、
映画として現実味はありましたが、藤井監督が舘ひろしとの再タッグを
望みそれが実現した映画とのことですので、「ヤクザと家族・・・」の
スピンオフ的位置付けでもいいのかも。
【追記】
この映画の令和6年1月1日に発生した能登半島地震の直前・・・
ほんの数ヶ月前までに撮影を終了したそうです。
ですから、今は変わり果てた、大沢漁港、能登の朝市の様子。
それらを35mmフィルムに焼きつけた記録として、とても貴重な
ものになりました。
《能登半島地方の復興を願う》
その願いが込められた美しい映画。
ずっと愛されて皆さんの故郷として心に残るといいですね。
(25年11月18日・記)
【”人間の真の強さとは、誰かのために生きられるかどうかだ。”今作は元ヤクザの男と盲目の少年との12年に亘る、沁みる令和仁義任侠映画であり、震災直前の輪島の海を映し出した復興祈念映画でもある。】
■元ヤクザの過去を隠し、ひっそりと小さな漁村で小さな舟で猟師として暮らす三浦(舘ひろし)。彼は目の不自由な少年、幸太(長じてからは、真栄田郷敦)が、同級生から苛められている姿を見て、彼を自分の舟に乗せて交流を持つ。
幸太は、薬中毒のヤクザの車と両親が乗った車が正面衝突し、両親は即死。彼も後遺症で視力を失っていた。叔母(MEGUMI)に引き取られるも、彼女は酒浸りの紐男と幸太を蔑ろに、遺産だけ奪っていたのである。
そんな幸太の姿を見た三浦は、且つて若頭だった今や、クスリをバラまいてしのぎを得ている組から、クスリ売買の情報を彼を慕う組員(ピエール瀧)から得て、その金を奪い叔母と紐男を脅してから、幸太に対し高額な眼の治療を受けさせたのである。
12年後に出所した三浦は、且つて自分の事を”刑事だ。”と言った嘘を信じた幸太が、成長し、刑事になり且つての組のクスリ売買を阻止するために、活躍している事を知るのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・亡き河村組長(宇崎竜童)と良く釣りに行っていた三浦は、二人で堤防で釣りをしている時に組長から””人間の真の強さとは、誰かのために生きられるかどうかだ。”と笑いながら言われる。そして、その後”もう、お前は組から離れた方が良い・・。”と寂しそうに言われ絶縁状を渡されるのである。
その後、暴対法施行後に、組はクスリを反グレに捌かせて、利益を得る様になって行ってのである。そして、組は組員からも信用されていない石崎(椎名桔平)が牛耳るようになっていたのである。
・人によっては、今作の物語展開を”二昔前の映画と重ねて観る方もいるだろうな。”と思いつつ、私は可なり沁みながら引き込まれて観たモノである。
それは、三浦を演じた舘ひろしさんの、圧倒的な存在感と目力の強さである。そして、彼が幸太を見る時の、優しい眼である。
三浦は、孤独な自分と幸太を重ねて見ていたのであろう。
だが、三浦はピエール瀧演じる組幹部や、)、且つて命懸けで自分を殴り込みの場から救い出した彼に多大な影響を与えて刑事(市村正親)、幸太が彼に出した手紙を届けたり、彼を陰ながら支援する荒川(笹野高史)達から、慕われ助力されている。ヤクザではありつつ、漢としての人柄であろう。
■三浦が出所してから、刑事になった幸太が彼の住む平屋のアパートを訪れるドア越しの、且つて三浦が買ってあげた魚のキーホルダーの音色で想いを伝えあうシーンが好きである。
そして、三浦は扉を開けて幸太を見て”大きくなったなあ。”と嬉しそうに言うシーンも、好きである。
・三浦が、幸太の身を案じて単身、石崎とその子分たち(斎藤工など)と対峙するシーンは、弱っちい奴ほど群れたがる典型シーンである。
三浦は激しく暴力を受けるが、そこに駆け付けた幸太に助けられ、満身創痍でその場を脱出する。一方、石崎は斎藤工演じる子分から”長年、偉そうにしやがって!”と罵られて、撃ち殺されるのである。
■そして、堤防の上で、三浦が幸太に両手を差し出し、”刑事だろ・・。”と言い、手錠を掛けられてから幸太から感謝の言葉を告げられた時に、絶句するシーンは実に沁みたモノである。
<今作は元ヤクザの男と盲目の少年との12年に亘る物語であり、令和仁義任侠映画である。又、最後のテロップで流れたように、震災直前の輪島の海を映し出した復興祈念映画でもあるのである。>
日本人が好きな昔ながらの内容だが、何度も胸が熱くなる
まるで昔ながらの中華そばのような味わいで、誰かのために生きる三浦のひたむきさに感動します。
冒頭の字幕で眞栄田郷敦さんの名前がありましたが、エンドロールが流れるまでは、青年期の幸太は北村匠海さんと思い込んでいました。
舘ひろしさんの渾身の演技が際だっていました。
終盤に幸太が1人でヤクザのアジトに行きます。
ヤクザに囲まれて、実際はピストルで撃たれてもおかしくない場面でしたが、無傷で助かりましたね。大勢で行動するのは、悪い奴らのすることだと三浦の教えを守りましたね。
心眼。
対向車線をはみ出してきたヤク中ヤクザの運転する車との衝突事故で両親を亡くし、その時の事故を切っ掛けに弱視となった少年・大森幸太と、漁師をし生活を送る元ヤクザ三浦諒一の出会いと過去と現在の話。
幸太の生活環境を知る荒川からの話を聞き、放っておけなくなった三浦は港付近を歩く幸太に「船に乗ってみるか?」と声を掛けたことから2人の交流が始まっていくが…。
元ヤクザの三浦が人情に厚い人でした、優しく手を引く、食事に連れ出す、一緒に横に座り喋る…その描写を見てるだけで何とも心地いいし優しいし温かくて泣けてくる。
幸太のためにしてしまい…それから12年後、手紙の返信はしたものの中々再会出来ない三浦と幸太にもどかしさを感じつつからの再会にはまた涙。
いい人なんだか疫病神なんだか昔世話になった刑事、あの一周忌の手紙なんか手渡さなければこうはならなかったのでは?と、切っても切れない元組織の人間が鬱陶しかった、ストーリーとしては刑事、組織の人間も絡むから面白くなってるってのも分かってるんだけどね。
藤井道人さんが監督・脚本と知っていたので期待はしてたけれど、それを遥かに超えて良すぎた!人それぞれ刺さる作品は違うと思うけれど最初から最後まで完璧でした。
昭和の任侠系ドラマが好きな人向けで、予告編は見ない方が良い映画でしたね
2025.11.14 イオンシネマ久御山
2025年の日本映画(118分、PG12)
元ヤクザの漁師と交流を持つ弱視の少年を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本は藤井道人
物語の舞台は、富山県の小さな漁村
元ヤクザの漁師・三浦諒一(舘ひろし)は、地元の漁師から陰口を叩かれながらも、問題を起こすことなく寡黙に生きてきた
彼を支えるのは訳知りの荒川(笹野高史)で、荒川の計らいで魚などを彼の店に卸していた
ある日のこと、諒一は弱視の少年・幸太(尾上眞秀、成人期:眞栄田郷敦)がいじめられているところを目撃する
やむに止まれずに関わりを持つことになった諒一だったが、今度はヤクザと関わりがあるという理由でいじめられてしまった
それでも諒一の優しさにふれた幸太は、彼の悪口を言う大人たちに歯向かうようになり、二人の絆はますます深まっていった
諒一は幸太のために何かをしたいと思い、彼の人生を妨げている視力の回復を考え始める
病院に連れていって原因を探ると、精神的なものもあるが、手術をすることで見えるようになるかもしれないと言われた
だが、手術費用は500万はかかると言われ、そこで諒一はある計画を思いつくのである
映画は、幸太のために、かつての古巣の後輩分の大塚(ピエール瀧)を頼る様子が描かれていく
河村組の資金源である麻薬の仕入れに目をつけ、そこで払った金を奪い、警察に逮捕させるというもので、その計画は成功を収めた
諒一は幸太を殴り続けてきた叔母・美和子(MEGUMI)の恋人・島木(赤堀雅秋)をボッコボコに殴り、叔母に金を渡して「幸太のために使え」と脅しをかけた
美和子は諒一の言う通りに手術を受けさせ、教育ができる環境に行かせる
そして、15年の月日が流れた
映画では、前半が少年パートで、後半が成人パートに分かれていて、幸太は諒一の嘘を信じ込んで警察官になっていた
麻薬の取り締まりを先輩の大黒(一ノ瀬ワタル)と行っていて、その嗅覚で多くの売人を逮捕するようになる
それは河村組のシノギを削ることにつながっていて、組長の石崎(椎名桔平)は警察の捜査について調べ始めていく
そんな折、諒一は出所し、幸太に会うこともないまま運転代行の道で生活を果たしていくことになるのだが、大塚は組の動きを察知していて、彼に対して「万が一」の道具を届けていく
程なく諒一の出所もバレてしまい、大塚との関係も明るみになって来る
そして石崎は諒一を餌にして幸太を呼び出すことになったのである
映画の予告編でほぼここまでがわかってしまう内容になっていて、さすがに見せすぎではないかと思っていた
特に石崎と相対する幸太を見せるのはナンセンスで、成人パートの引用が多過ぎるのもどうかと思う
それでも、映画的には引き込まれる部分はあると思うので、可能な限り事前情報はない方が良いのかもしれない
フィルム撮影によって、昭和の任侠映画っぽさを感じる内容で、この手の映画が好きな人向けに作られているように感じた
ラストでは、幸太が強くなることで諒一の期待に応える様子が描かれ、感涙に咽ぶシーンへと続いていく
恋人のあや(黒島結菜、幼少期:岡田愛梨)との間にも子供が産まれ、彼自身も家庭を持つようになっていく
壮絶な少年期を過ごしてきた彼だからこそ、豊な愛情を与えられるのではないだろうか
いずれにせよ、ヤクザものとしてはドンパチは控えめで、幸太と諒一の交流をメインに描いていたのは良かったと思う
運命は引き寄せる的なシナリオであるとか、いきなり外に出たら大雪とか、撮りたい絵をメインに構成している感はすごいのだが、まあそれも込みで楽しむ映画なのだろう
個人的にはそこまで刺さらなかったものの、気になったのは時代設定と幸太の弱視の理由だった
精神的だけれど手術をすれば見えるかもしれない目の病気ってなんなんだろうなあと思ってしまって、今どき手術を実費で500万掛けて行うと言うのもピントがズレているように思った
術後に擁護施設に入れたと言う流れもよくわからない部分があって、手術費用を払った叔母がなぜ続けて育てないのかと言う施設への説明とかどうしたのかは謎だった
突っ込んだら負けと言う感じなのでサラッと流したほうが良いのだが、ノイズが意外と多いので、もう少しシナリオを詰めた方が良かったのではないかな、と感じた
タイトルなし(ネタバレ)
所々びっくりするというか
え?と冷静に観てしまうシーンがあった
館さんあんまり観てないのもあるだろうけど
初めて良いなぁと思った郷敦さん然り
日本っぽさはとてもすきだった
ベタ映画
試写会にて鑑賞。
鑑賞前に元ヤクザと目の見えない少年の絆の物語とのあらすじを見てストーリーを予想していたが、ほぼ的中。
ベタな展開ではあるが、俳優陣の演技力で最後まで退屈せずに観れました。
少年が同級生から虐められるシーン、家で虐待されるシーン、主人公が現役ヤクザから呼び出されて行くシーンなどはリアリティがなく昭和の映画のような懐かしい感じがした。
全38件中、21~38件目を表示
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