港のひかりのレビュー・感想・評価
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人はどこまで他人のために犠牲になれるのか。
昨年の日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞された藤井監督と、レジェンド木村大作さんの全編35mmフィルム撮影。昭和と令和の化学反応のような作品で、どこか懐かしく、忘れかけていた、古き良き日本映画を見ることができた。
縦書きのエンドロールすらエモい。
ヤクザものを多く見てきたわけではないけれど、こういうフィクションでのヤクザの義理人情は胸が熱くなる。
舘ひろし演じる三浦の奥深い包み込むような優しい声が、盲目の少年にとってはどれだけ心の支えになっただろう。そして村八分だった三浦にとって、少年のまっすぐな愛情や信頼は、どれだけ救いになっただろう。
ふたりの心のつながりを感じとることができる前半が良い。だからこそ後半からクライマックスにかけてはもう涙がこぼれて仕方がなかった。
出てくる俳優さんたち皆さん良い演技をされるから、ストーリーは正直ベタ展開で斬新さはないかもしれないけれど、とても感動する。
震災前の能登半島の景色もとても美しい。
やり方はどうであれ、三浦が幸太に対してした行動。そして三浦からもらったものを大切にまっすぐ育つ幸太を見て、忘れてはいけない大切なものを思い出させてくれた。
今の時代だからこそ光る良作。
誰かのために生きる
漁師として細々と生活する元ヤクザの三浦は、白い杖をついて歩く
少年の幸太を見かける。両親をヤクザ絡みの交通事故で亡くした幸太は、
彼を引き取った叔母やその交際相手からも虐待を受けていた。
孤独な幸太にどこか自身の姿を重ねた三浦は、自身の船に幸太を誘う。
どこにも居場所がなかった者同士、2人は年の差を超えた特別な友情を築いていく。
幸太に視力回復の手術を受けさせるため、ヤクザから金を奪った三浦は、
幸太に一通の手紙を残して自首する。
12年後、突如として行方がわからなくなった三浦を捜していくうちに、
幸太はある秘密を知る。
といったあらすじ。
ヤクザとはいえ、常に誰かのために、他人のために、と生きてきた三浦。
その優しさを感じ取った盲目の少年、幸太。
最後は悲しい結末だったけど、誰かのために生きる尊さ、素敵ですね。
でも、三浦にはもっと自分のためにも生きてほしかったかな。
斎藤工さんファンとして鑑賞
最高でした
ベタとか言われてるが
私の中では非常に最高でした!!!
無理があり過ぎる
元ヤクザの漁師と、たまたま知り合った盲目の少年をつなぐ物語。
なのは分かるのですが、人物の描写が浅く、行動が不可解で都合が良過ぎ、感情移入には至りませんでした。
まずあの環境の子供を良く頻繁に連れ出せたな、と。
しかも親も幸太が三浦と会っていた事を知って快く思っていなかったはず。
バレない訳無いだろ、ってひやひやしながら見てました。
病院では三浦が完全に保護者になってましたし。
そもそも三浦はいくら幸太を不憫に思ったとしてもなぜ犯罪を犯してまで彼の為に行動するのか、その動機付けも弱過ぎると思います。
説明ではなく説得力が足りないのです。
また主人公が仮にも漁師をやっているくせにタバコを投げ捨てるシーンはいただけません。
この人物に感情移入させたいのにこんな不要なシーンを入れた意味が分かりません。
幸太が初めて三浦の顔を見る再会の場面も信じられない位あっさりと過ぎてしまいます。
そして最後のヤクザとの決戦の「段取り感」は半端ありません。
そんな馬鹿な、の連続です。
死にそうな三浦を雪の吹きすさぶ戸外へ引っ張っていくのも意味不明。
この絵が欲しかっただけというのがあからさまです。
キャストは総じて存在感のある良い演技でしたが、残念ながら脚本は壊滅的に感じました。
あと細かいですが、魚が本物に見えないシーンがあって嘘くさかったです(釣りや焼き魚)。
ただエンドロールは押し付けがましいテーマソングなどを歌わず、美しい音楽で終わらせたのだけは良かったと思います。
舘ひろしの演技と映像美に涙
少年が盲目の間は全体的にどんよりと低く暗い空のシーンが多く、手術により目に光が届くようになってからはきれいな青空・・という具合に、ストーリーの進行と映像がリンクしていて、しかもその映像がとても美しかったです。
また舘ひろしの、言葉少なながらも背中や表情で語りかける演技に感動しました。
ストーリー的には意外な展開があったりというわけではありませんが、映像美と俳優の優れた演技によりとても良い映画だと思います。スマホやテレビの小さな画面ではなく、映画館の大画面でぜひ観ていただきたいです。
一緒に行った高齢の母も、観にきてよかったと言っていました。
海とおじさん
2025年映画館鑑賞113作品目
11月23日(日)イオンシネマ石巻
6ミタ0円
監督と脚本は『宇宙でいちばんあかるい屋根』『ヤクザと家族 The Family』『最後まで行く』『青春18×2 君へと続く道』『正体』の藤井道人
ロケ地
富山県富山市
富山南警察署
炉ばた焼き浜っ子
富山刑務所
粗筋
元ヤクザの漁師の三浦は幸太少年を気にかけていた
幸太は交通事故で両親を失い事故で盲目になり富山の漁村に住む叔母と同居していた
交通事故の原因はシャブ中のヤクザの逆走
ヤクザを憎む幸太に元ヤクザと言えなかった三浦はヤクザを取り締まる元刑事だった
かつての子分で河村組の大塚に情報を聞き出し中東系の外国人からシャブの売上金を強奪
その大金で幸太は500万もかかる手術を受けることができ目が見えるようになった
三浦は逮捕され刑務所に服役
幸太は麻薬取締の刑事になった
出所後運転代行になった三浦に対し復讐に燃える河村組
僕はこういうヤクザ映画が大好きなんだな
人情物昭和任侠映画
幸太少年に元刑事だと嘘をつく直前の三浦の仕草が良い
味な細かい芝居をしている
斎藤工の仕上がりぶり
笑いどころはロン毛のカツラが取れてしまいシャブが出てきて逮捕されてしまう間抜けなヤクの売人
いいなこんなことで笑いをとる俳優って松浦祐也
シャブの取引なんて普通夜間でしょ
それも埠頭とか
いくらなんでも昼間の漁港とか三浦抜きでも目撃者多数でしょ
エンドロールは左から右
富山の漁港
配役
河村組若頭だったが組長から除名されカタギになり今では小さな漁村で働く余所者の漁師で目が見えない幸太少年には元刑事と嘘をつく三浦諒一に舘ひろし
幼い頃に交通事故で両親を失い自身も目が不自由になり少年時代に諒一と出会い援助を受け手術で視力が回復し警察官(刑事)になった大森幸太に眞栄田郷敦
幸太の幼少期に尾上眞秀
幼い頃に養護施設で幸太と出会い仲良くなりやがて妻になる浅川あやに黒島結菜
あやの幼少期に岡田愛梨
病気で亡くなる前にカタギになるよう三浦を除名する河村組の元組長の河村時雄に宇崎竜童
河村組の現組長で三浦の元舎弟だった石崎剛に椎名桔平
石崎の右腕でシャブを捌く現場責任者の八代龍太郎に斎藤工
石崎の手下だが実は三浦派の大塚夕斗にピエール瀧
幸太とコンビを組む先輩刑事の大黒浩に一ノ瀬ワタル
三浦の理解者でマル暴の刑事の田辺智之に市村正親
幸太の叔母で姉夫婦の遺産を横取りした大森美和子にMEGUMI
美和子の彼氏で労働意欲がないうえに幸太を粗末に扱う島木に赤堀雅秋
元ヤクザと知りながら三浦を世話する地元漁師の組合長の荒川定敏に笹野高史
足を故障し運転代行業に転職したバツイチの元Jリーガーに岡田准一
シャブを扱うことには気が進まなかったが現組長の方針で従うことになった石崎の部下に山崎潤
マル暴の刑事に中野英樹
ロン毛カツラが取れてバレてしまうヤクの売人に松浦祐也
余所者の元ヤクザが漁師をやっていることが気に食わず悪態を垂れている漁師3人組の1人に藤澤アニキ
余所者の元ヤクザが漁師をやっていることが気に食わず悪態を垂れている漁師3人組の1人に伊藤ひろし
余所者の元ヤクザが漁師をやっていることが気に食わず悪態を垂れている漁師3人組の1人に水野直
いじめっ子に國場丈太郎
いじめっ子に山下玲空
いじめっ子に金澤颯
いじめっ子に松本海希
河村組のヤクザに香川幸充
河村組のヤクザに城明男
眼科医に福澤重文
違法ドラッグを買う女に上田遥
ニュースアンカーの声に増林千晶
施設の子どもに中村俐月
施設の子どもに中村瑠璃華
施設の子どもに奈須野想士
施設の子どもに松下善
施設の子どもにヴィーラコーン綺姫
施設の子どもに中川聖菜
施設の子どもに杉本昊世
施設の子どもに澤田賢侑
施設の子どもに髙屋朱音
施設の子どもに平木孝弥
いつもの方々かいつもの役を演じている作品。期待以上でもなく以下でも...
舘ひろしも、歳と共に演技に渋みが出てきたかなと 尾上眞秀も流石に所...
藤井道人監督にハズレなし!With Michihito Fujii, there are no misses—ever.
予告編で示された内容だけでは
正直観に行くか微妙な感じだったが
監督:藤井道人
で「!!」となり
観に行くことにした。
筋立ては、
オーソドックスで
ヤクザから足を洗い、漁師になった男と
そのヤクザのおかげで両親を亡くし
同時に
視力を失った少年との交流から始まる。
物語としてはヤクザものとしては
珍しくはない内容。
しかし、藤井道人監督の脚本と演出により
その人物が
なぜ
どの様な思いで
どの様な背景があって
行動するのか
緻密に丁寧に繊細に描かれる。
説明くさいセリフやナレーションは一切ない。
セリフと行動で
観客は観ているだけで理解できる。
悪役でさえ、
その様な行動に至った理由(わけ)が
セリフと行動で分かる。
まさに藤井道人監督の真骨頂だ。
この作品でも観客を
作品世界へ連れて行き
目撃者にし、
当事者にする。
ヤクザ礼賛の映画ではなく、
暴力を肯定する映画ではない。
むしろ逆に、
その残虐性、暴力性、
理不尽さは正面から描いている。
舘ひろしさん演じる
三浦諒一の暴力性は隠すことなく
表現しているからこそ
少年との交流が際立つ。
盲目の(のちに手術で回復)少年を演じた
尾上眞秀さんは秀逸で
不幸な生い立ちの中でも
ブレない様は
成長した姿を演じた
眞栄田郷敦さんに自然に繋がっていく。
二人とも素晴らしかった。
周りを固める俳優陣も
手抜かりなく、
作品に没頭することができた。
「青春18×2 君へと続く道」や
「正体」でも確信したが
やはり藤井道人監督に
ハズレなしである。
Based on the trailer alone,
I honestly wasn’t sure if I’d go see this film.
But the moment I saw Directed by: Michihito Fujii,
I instantly thought, “Oh! This might be the real deal,”
and decided to watch it.
The setup is classic:
a man who has left the yakuza and become a fisherman,
and a boy who lost his parents—and his sight—
because of that very yakuza group.
Their story begins with an unlikely connection.
As a yakuza drama, the premise itself isn’t particularly rare.
However, through Fujii’s script and direction,
the film delves with meticulous, delicate precision
into why each character acts as they do—
what they carry inside,
what backgrounds shaped them,
and what pushes them forward.
There are no heavy-handed explanations,
no clunky exposition, no narration.
Through dialogue and action alone,
the audience simply understands.
Even the villains reveal,
through words and behavior,
the reasons that led them where they are.
This is Fujii’s signature style at its finest.
Once again, he transports the audience
straight into the heart of the story,
turning them into witnesses—
and participants.
The film does not glorify the yakuza,
nor does it justify violence.
If anything, it confronts brutality, violence,
and sheer irrationality head-on.
Hiroshi Tachi’s portrayal of
Ryōichi Miura’s violent nature is unflinching,
and that’s precisely why
his interactions with the boy stand out so strongly.
The blind boy (who later regains his sight through surgery),
played by Mahiro Onoe, is extraordinary.
Despite his tragic background, his unwavering spirit
connects naturally to the older version of the character
played by Gordon Maeda.
Both performances were superb.
Every supporting actor, too, is fully committed,
allowing complete immersion in the film.
After “18×2 Beyond Youthful Days”
and “Faceless”
this film only reaffirms it for me:
with Michihito Fujii,
there truly are no misses.
少年はおじさんにとっての"灯台"だったのかな…
「好きな方」の藤井道人作品でした
藤井道人さんの作品は全体的によくできていると思いつつも、結構苦手な作品と好きな作品とにはっきり分かれます。
昨年の「正体」は前者で、本作は後者でした。
舘ひろしさんをはじめとした俳優たちはみな素晴らしく、映像も音楽も抑制され、緊張感を維持した作品として楽しませてもらいました。特に斎藤工さん……エンドロールを見てもどの役かわからず……素晴らしかった。
ただし、物語の大きな転換点となったとある出来事については、公的な支援を受ければそこまで大ごとにならなかったのではないかと……。支援を受けるのは、主人公本人ではなく、あの男の子ですしね……。
まあ、それをやってしまうとドラマにならないので、野暮なことをいうべきではないでしょうが、気づいてしまうと無視もできず……。
関係ないのですが、時々舘さんが渡哲也さんに似た雰囲気を醸し出すことがあり、その流れからマグロ釣りの話が出てきて、ニヤリとしてしまいました。
舘ひろしがピッタリだけど…⭐︎
スターサンズ、藤井道人監督の作品ということで鑑賞。
かってヤクザだった舘ひろし演じる三浦が、北陸の漁村で暮らすうちに盲目の少年に出会い 彼と関わるうちに
彼の目を治してやろうとして、またタタキの仕事に手を出していく。
北陸の漁村の風景が素晴らしくて、物語に色彩を与えている。
舘ひろしが影のある男にピッタリで、脇役も笹野高史、市村正規、宇崎竜童、椎名桔平などと贅沢な配役に
なっている。
ただ、斎藤工はあまりの変貌ぶりに見ている間はわからず、岡田准一に関しては未だどこに出演して
いたのか不明…、トホホ。
ただ、物語はかなり古臭い印象を受けてしまった。
舘ひろしのおかげで目が治った成人した盲目の少年を眞栄田郷敦が演じて、彼が刑事となって三浦に再会
した後のシーンなど昭和の暴対法以前のヤクザを思わせるシーンが続く。
それでも雪降り注ぐ風景と良い役者達のおかげか、それほど最後まで飽きずに見れた。
でも惜しい…、何か印象がぼやけてしまったような映画だった。
ハッピーエンドではないが良作
尾上眞秀の演技はよかった
鳩、伊達、牧に続いてのオジサン(笑)
全126件中、1~20件目を表示
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