「今の時代にないものがある。」港のひかり しゃけおにぎりさんの映画レビュー(感想・評価)
今の時代にないものがある。
元ヤクザの中年男性が、恵まれない家庭環境で生きる視覚障害者を救う話。
自分自身も障害者で怒鳴り声が響き渡る家庭で育った為、同情し辛くなりました。
自分は最近になって実家を離れ、つらい環境から逃れることができましたが、幼少期から受けた心の傷は完全に癒されることはなく、その生きづらさと共になんとか生きています。
作中では、目が見えず、いじめられ、家庭環境は崩壊している、という生きながらにして地獄のような日々を送る幸太と過去に闇を抱える中年男性の心の交流が描かれます。
他人に同情するのは簡単だけれど、救うとなると本当に骨が折れるなと思います。
だから自分含め、世の中、苦しい人を見ても誰も救いの手を差し伸べないのでしょうけど、この物語の主人公は違いました。
他人のために自分を犠牲にしてしまう主人公の不器用さとヤクザながらも人間味溢れる生き様に、普段生きていて触れることのできない人間の温かみを感じることができて、思わず心がじ〜んと熱くなりました。
ただ、物語終盤、悪役として登場するヤクザの組長を銃で撃った主人公が自らに手錠をかけるよう幸太にお願いするシーンに違和感を感じました。
主人公に感情移入していたせいもあるかもしれませんが、悪人を撃った刑事は罪に問われず、悪人を殺そうとした一般人は処罰されるということに何かモヤっとしました。
しかし、この映画のテーマは「強さとは人のために生きること」。
「今まで犯してきた罪を償いたい主人公」のために手錠をかけることのできた幸太。
強い人間になることができたということを印象づけるために必要なシーンだったのかなと、無理やり納得しました。
ちょっと違和感を感じる部分もありましたが、舘ひろしの人間味あふれる姿に、現代社会ではなかなか感じることのできない温かみを感じることができて、それだけでも満足感がありました。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
