「人はどこまで他人のために犠牲になれるのか。」港のひかり AZUさんの映画レビュー(感想・評価)
人はどこまで他人のために犠牲になれるのか。
昨年の日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞された藤井監督と、レジェンド木村大作さんの全編35mmフィルム撮影。昭和と令和の化学反応のような作品で、どこか懐かしく、忘れかけていた、古き良き日本映画を見ることができた。
縦書きのエンドロールすらエモい。
ヤクザものを多く見てきたわけではないけれど、こういうフィクションでのヤクザの義理人情は胸が熱くなる。
舘ひろし演じる三浦の奥深い包み込むような優しい声が、盲目の少年にとってはどれだけ心の支えになっただろう。そして村八分だった三浦にとって、少年のまっすぐな愛情や信頼は、どれだけ救いになっただろう。
ふたりの心のつながりを感じとることができる前半が良い。だからこそ後半からクライマックスにかけてはもう涙がこぼれて仕方がなかった。
出てくる俳優さんたち皆さん良い演技をされるから、ストーリーは正直ベタ展開で斬新さはないかもしれないけれど、とても感動する。
震災前の能登半島の景色もとても美しい。
やり方はどうであれ、三浦が幸太に対してした行動。そして三浦からもらったものを大切にまっすぐ育つ幸太を見て、忘れてはいけない大切なものを思い出させてくれた。
今の時代だからこそ光る良作。
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