「三浦のひろし」港のひかり 酔爺さんの映画レビュー(感想・評価)
三浦のひろし
【所感】
予告編を観た時から、これは泣ける映画だとおおいに期待。
物語は、ヤクザ、盲目の少年、友情というベタな骨格ですが、とはいえ、「誰かのために生きる」「再生」「絆」という普遍的なテーマがまじめに語られていて、好感が持てました。
舘ひろし作品では、比較的、最近では、「終わった人」や、昔のドラマの「パパとムスメの7日間」など、コメディものの舘ひろしが好きです。西部警察や、あぶない刑事は観たことありません。そういえば、中学生の時に、ジャッキーチェンのクレージーモンキー(笑拳)と同時上映されていた、舘ひろし主演の「薔薇の標的 」は、つまらない映画でしたが、笑拳を1日に3回観ようとして、2回観ざるを得なかった記憶があります。それはさておき、舘ひろしは、7年ぶりの単独主演で、自身が企画段階から関わっていたということもあり、ベテランの魅力・存在感がにじみ出ています。元やくざの三浦を熱演し、アップも多いです。60代、70代の見た目は、頭髪の黒白変化となっていますが、40代?は、CG処理でしわをうまく消しています。渡哲也や高倉健を思わせる雰囲気もありました。
眞栄⽥郷敦は、新田真剣佑の弟というか、我々世代には千葉真一の次男。今作では、役柄でしょうがないですが、ちょっと優等生過ぎる演技かもしれません。先の朝ドラの手塚治虫の演技はよかったです。寺島しのぶの息子さんの役は難しい役ですが、正直演技はへただと思いました(すみません。)。でも、にくめない雰囲気を持っています。彼の父親のフランス人の遺伝子より、歌舞伎系遺伝子が強い見た目でしたが、まつ毛の長さにびっくり。
主人公の友人役の笹野高史は、12年の年月を安易にかつらで表すのではなく、たぶん、衰えを実際にやせることで表現していると思いました。すっかり太ったピエール瀧が、結構いい役を演じています。が、ちょっとあの事件を思い出して、一瞬、映画の世界から現実に戻ってしまいました。
椎名桔平のイカれたやくざの親分はお似合い。斉藤工のチンピラやくざは、違和感がありました。本人は、そういう役柄が好きなんでしょうが、もう卒業したほうがよいかと。MEGUMIは、超むかつく、演技がうまいです。DVおやじは無名の俳優ですが、やはり、超むかつく、演技うましで、舘ひろしの怒りの鉄拳制裁でボロボロになり、非常にすっきりしました。
出演者は、それぞれ好演だと思いますが、いろいろな有名な俳優を出し過ぎたかと(今作に限らず、最近の邦画はそうですが。)。物語が少し散漫になったような印象です。舘ひろしの人望かとも思いますが、特別出演のあの方もいらないかと。あのシーンだけ特別出演の方に喰われて、空気感が違っていました。
物語的には、マイフェバリットムービーのひとつ、クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」を思い出す場面もありました。ほどほどのバイオレンスシーンもあります。とあるアイテムも感動的に使われています。でも、もっと泣けるかと期待してましたが、少しの涙にとどまりました(泣いてるじゃん。)。私としては、ラストは、「ショーシャンクの空に」にして欲しかったです。配偶者は、違うラストを想定していたようです。そのあとの、ラストクレジットの横流れは懐かしかったです。
今作は、「軽快なテンポ」「強いサスペンス」「派手なアクション」を期待すると、ちょっとはずすと思います。逆に、「ベタな浪花節的物語」が好きな方や、「質の高い映像美(木村大作の、フィルム撮影は見事。)」を求める方になら、おすすめします。富山ロケの風景もよかったですが、特に、能登の冬景色は美しく、心に響きます。
もちろん、舘ひろしの熱演を観たいなら、強くおすすめします。
11/18 酔爺
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