「渋さに灯る、港町の祈り」港のひかり kazuさんの映画レビュー(感想・評価)
渋さに灯る、港町の祈り
『港のひかり』は、北陸の港町を舞台に、過去を捨て漁師として静かに生きる元ヤクザの男と、盲目の少年との十数年にわたる絆を描いた能登復興映画だ。
「誰かのために生きる」という、人間の強さと優しさをまっすぐに見つめる作品で、静かに、しかし深く心に沁みた。
一方で、どこか昭和のヤクザ映画を思わせる作りに、なぜ今この時代にこのタッチなのかという疑問も残る。
ただ、それすらも作品全体の“古き良き人情”の雰囲気に溶け込んでおり、結果としてノスタルジックな味わいになっているのも事実だ。
そして舘ひろしの渋さは健在。重ねた歳月がそのまま役に宿り、キャラクターの哀しみまで背負って見せるような存在感があった。
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