「昭和の任侠系ドラマが好きな人向けで、予告編は見ない方が良い映画でしたね」港のひかり Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
昭和の任侠系ドラマが好きな人向けで、予告編は見ない方が良い映画でしたね
2025.11.14 イオンシネマ久御山
2025年の日本映画(118分、PG12)
元ヤクザの漁師と交流を持つ弱視の少年を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本は藤井道人
物語の舞台は、富山県の小さな漁村
元ヤクザの漁師・三浦諒一(舘ひろし)は、地元の漁師から陰口を叩かれながらも、問題を起こすことなく寡黙に生きてきた
彼を支えるのは訳知りの荒川(笹野高史)で、荒川の計らいで魚などを彼の店に卸していた
ある日のこと、諒一は弱視の少年・幸太(尾上眞秀、成人期:眞栄田郷敦)がいじめられているところを目撃する
やむに止まれずに関わりを持つことになった諒一だったが、今度はヤクザと関わりがあるという理由でいじめられてしまった
それでも諒一の優しさにふれた幸太は、彼の悪口を言う大人たちに歯向かうようになり、二人の絆はますます深まっていった
諒一は幸太のために何かをしたいと思い、彼の人生を妨げている視力の回復を考え始める
病院に連れていって原因を探ると、精神的なものもあるが、手術をすることで見えるようになるかもしれないと言われた
だが、手術費用は500万はかかると言われ、そこで諒一はある計画を思いつくのである
映画は、幸太のために、かつての古巣の後輩分の大塚(ピエール瀧)を頼る様子が描かれていく
河村組の資金源である麻薬の仕入れに目をつけ、そこで払った金を奪い、警察に逮捕させるというもので、その計画は成功を収めた
諒一は幸太を殴り続けてきた叔母・美和子(MEGUMI)の恋人・島木(赤堀雅秋)をボッコボコに殴り、叔母に金を渡して「幸太のために使え」と脅しをかけた
美和子は諒一の言う通りに手術を受けさせ、教育ができる環境に行かせる
そして、15年の月日が流れた
映画では、前半が少年パートで、後半が成人パートに分かれていて、幸太は諒一の嘘を信じ込んで警察官になっていた
麻薬の取り締まりを先輩の大黒(一ノ瀬ワタル)と行っていて、その嗅覚で多くの売人を逮捕するようになる
それは河村組のシノギを削ることにつながっていて、組長の石崎(椎名桔平)は警察の捜査について調べ始めていく
そんな折、諒一は出所し、幸太に会うこともないまま運転代行の道で生活を果たしていくことになるのだが、大塚は組の動きを察知していて、彼に対して「万が一」の道具を届けていく
程なく諒一の出所もバレてしまい、大塚との関係も明るみになって来る
そして石崎は諒一を餌にして幸太を呼び出すことになったのである
映画の予告編でほぼここまでがわかってしまう内容になっていて、さすがに見せすぎではないかと思っていた
特に石崎と相対する幸太を見せるのはナンセンスで、成人パートの引用が多過ぎるのもどうかと思う
それでも、映画的には引き込まれる部分はあると思うので、可能な限り事前情報はない方が良いのかもしれない
フィルム撮影によって、昭和の任侠映画っぽさを感じる内容で、この手の映画が好きな人向けに作られているように感じた
ラストでは、幸太が強くなることで諒一の期待に応える様子が描かれ、感涙に咽ぶシーンへと続いていく
恋人のあや(黒島結菜、幼少期:岡田愛梨)との間にも子供が産まれ、彼自身も家庭を持つようになっていく
壮絶な少年期を過ごしてきた彼だからこそ、豊な愛情を与えられるのではないだろうか
いずれにせよ、ヤクザものとしてはドンパチは控えめで、幸太と諒一の交流をメインに描いていたのは良かったと思う
運命は引き寄せる的なシナリオであるとか、いきなり外に出たら大雪とか、撮りたい絵をメインに構成している感はすごいのだが、まあそれも込みで楽しむ映画なのだろう
個人的にはそこまで刺さらなかったものの、気になったのは時代設定と幸太の弱視の理由だった
精神的だけれど手術をすれば見えるかもしれない目の病気ってなんなんだろうなあと思ってしまって、今どき手術を実費で500万掛けて行うと言うのもピントがズレているように思った
術後に擁護施設に入れたと言う流れもよくわからない部分があって、手術費用を払った叔母がなぜ続けて育てないのかと言う施設への説明とかどうしたのかは謎だった
突っ込んだら負けと言う感じなのでサラッと流したほうが良いのだが、ノイズが意外と多いので、もう少しシナリオを詰めた方が良かったのではないかな、と感じた
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