「【”人間の真の強さとは、誰かのために生きられるかどうかだ。”今作は元ヤクザの男と盲目の少年との12年に亘る、沁みる令和仁義任侠映画であり、震災直前の輪島の海を映し出した復興祈念映画でもある。】」港のひかり NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”人間の真の強さとは、誰かのために生きられるかどうかだ。”今作は元ヤクザの男と盲目の少年との12年に亘る、沁みる令和仁義任侠映画であり、震災直前の輪島の海を映し出した復興祈念映画でもある。】
■元ヤクザの過去を隠し、ひっそりと小さな漁村で小さな舟で猟師として暮らす三浦(舘ひろし)。彼は目の不自由な少年、幸太(長じてからは、真栄田郷敦)が、同級生から苛められている姿を見て、彼を自分の舟に乗せて交流を持つ。
幸太は、薬中毒のヤクザの車と両親が乗った車が正面衝突し、両親は即死。彼も後遺症で視力を失っていた。叔母(MEGUMI)に引き取られるも、彼女は酒浸りの紐男と幸太を蔑ろに、遺産だけ奪っていたのである。
そんな幸太の姿を見た三浦は、且つて若頭だった今や、クスリをバラまいてしのぎを得ている組から、クスリ売買の情報を彼を慕う組員(ピエール瀧)から得て、その金を奪い叔母と紐男を脅してから、幸太に対し高額な眼の治療を受けさせたのである。
12年後に出所した三浦は、且つて自分の事を”刑事だ。”と言った嘘を信じた幸太が、成長し、刑事になり且つての組のクスリ売買を阻止するために、活躍している事を知るのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・亡き河村組長(宇崎竜童)と良く釣りに行っていた三浦は、二人で堤防で釣りをしている時に組長から””人間の真の強さとは、誰かのために生きられるかどうかだ。”と笑いながら言われる。そして、その後”もう、お前は組から離れた方が良い・・。”と寂しそうに言われ絶縁状を渡されるのである。
その後、暴対法施行後に、組はクスリを反グレに捌かせて、利益を得る様になって行ってのである。そして、組は組員からも信用されていない石崎(椎名桔平)が牛耳るようになっていたのである。
・人によっては、今作の物語展開を”二昔前の映画と重ねて観る方もいるだろうな。”と思いつつ、私は可なり沁みながら引き込まれて観たモノである。
それは、三浦を演じた舘ひろしさんの、圧倒的な存在感と目力の強さである。そして、彼が幸太を見る時の、優しい眼である。
三浦は、孤独な自分と幸太を重ねて見ていたのであろう。
だが、三浦はピエール瀧演じる組幹部や、)、且つて命懸けで自分を殴り込みの場から救い出した彼に多大な影響を与えて刑事(市村正親)、幸太が彼に出した手紙を届けたり、彼を陰ながら支援する荒川(笹野高史)達から、慕われ助力されている。ヤクザではありつつ、漢としての人柄であろう。
■三浦が出所してから、刑事になった幸太が彼の住む平屋のアパートを訪れるドア越しの、且つて三浦が買ってあげた魚のキーホルダーの音色で想いを伝えあうシーンが好きである。
そして、三浦は扉を開けて幸太を見て”大きくなったなあ。”と嬉しそうに言うシーンも、好きである。
・三浦が、幸太の身を案じて単身、石崎とその子分たち(斎藤工など)と対峙するシーンは、弱っちい奴ほど群れたがる典型シーンである。
三浦は激しく暴力を受けるが、そこに駆け付けた幸太に助けられ、満身創痍でその場を脱出する。一方、石崎は斎藤工演じる子分から”長年、偉そうにしやがって!”と罵られて、撃ち殺されるのである。
■そして、堤防の上で、三浦が幸太に両手を差し出し、”刑事だろ・・。”と言い、手錠を掛けられてから幸太から感謝の言葉を告げられた時に、絶句するシーンは実に沁みたモノである。
<今作は元ヤクザの男と盲目の少年との12年に亘る物語であり、令和仁義任侠映画である。又、最後のテロップで流れたように、震災直前の輪島の海を映し出した復興祈念映画でもあるのである。>
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