あまろっくのレビュー・感想・評価
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「人生に起こることはなんでも楽しまな!」その通りです師匠!!
なんの事前情報もなく、ふらっと鑑賞。
頼みの綱は「鶴瓶×江口のりこ」なら間違いなく面白いものが見られるに違いない!という根拠のない直感のみ。
映画開始早々に「あまろっく」の意味を知る(笑)江口のりこさんが尼さんにでも扮してロックンロールでもするんかと勝手に想像していましたが、全く違いました…。「あま」はその尼で、「ロック」はそっちのロックなのね。あっでも、ロックはあながちロックンロールの意味も含んでるのね。
尼崎出身の中村和宏監督による、とってもハートフルで元気をもらえる家族の物語。
それにしても、
どんな善行を重ねたら
中条あやみちゃんのような美人で若い奥さんをもち
実の息子さんと映画で共演するという夢のようなお仕事をゲットできるのでしょうか?
駿河太郎さんとっても素敵な俳優さんになられましたね。
「人生に起こることはなんでも楽しまな!」
素敵な奥さん、立派な息子、満足できるお仕事…
間違いない、
師匠(鶴瓶さん)
あなたが一番人生楽しんでます!!!
誰かに『これ面白いよ』と勧めたくなる良作
人一倍仕事ができる分、周囲に対して当たりがキツいキャリアガールが、突然リストラを喰らって父親が1人で暮らす実家へ。レールから外れた主人公の荒み具合は激しく、まるで廃人のように日々を過ごしている。
まずは配役から。主人公の優子を演じる江口のりこの仏頂面が、父親の再婚を知らされてさらに凝り固まっていくあたり、再婚相手が自分より遥かに若いモデル級の美女だと知った時の敗北感からの怒りへの転化は、さすが。口を大きく開かず滑舌は明確な俳優としての高いスキルを感じる。再婚相手の中条あやみが憎まれ役をとことんポジティブに演じているのには驚いた。彼女の出来如何で作品の質は変わっていたかもしれない。いつも笑顔の父親は笑福亭鶴瓶。意外性はないが適材適所のキャスティングだ。
監督と原案の中村和宏は舞台になる尼崎を海水から守った尼崎閘門、人呼んで"尼ロック"をヒントにこの父親像と物語を発案したとか。そこから膨らませて、相性のよくない者同士が譲り合い、それぞれの幸せを見つけていくストーリーは終始心地よく、ほんわかとした後味を残す。誰かに『これ面白いよ』と勧めたくなる良作だ。
期待薄で望んだが意外と悪くない
痛いんはそん時だけや、氣ぃついたら治ってるわ
タイトルなし
そういわれてみれば…
<映画のことば>
ほんま、迷惑なおっさんやったけど、私はお父ちゃんに、ずっと守られていたんや。
お父ちゃんは、ほんまに、ほんまに、尼ロックやったんや。
これからは、あたしが、あんたらの尼ロックになる。
若い世代を中心に結婚後の女性も自分の仕事を持って働いている家庭も増え、夫が「一家の大黒柱」として家の収入を一手に支えているケースは、令和の今の時代には、そう多くはなくなったないように見受けられますけれども。
そのせいか、そう言われてみれば、作中の竜太郎の台詞のように「飯食うて寝てられれば、何とかなる」「人生、起こることは何でも楽しまんと」とばかり、家の中で「どんと構えているお父さん」っていうものは、そうそうは見かけなくなったことに、改めて、評論子は気づかされました。
そして、そのことが、世上、往々にして妻から夫に対する「モラハラ」という批判として析出しているのではないかとも、危惧しました。
上掲の映画のことば、本作の、いわば「締めくくり」として、優子によって語られるものではありましたけれども。
本作で語られる尼ロック(尼崎閘門:尼崎ロックゲート)ような夫・父親のあり方を指して、それを「一家の大黒柱」というかどうかは、ひとまず別の問題として。
家庭の中での「夫としてのあり方」という意味では(もちろん評論子自身への自戒も含めて)胸にズンと堪えた一本になりました。
同じ受け止めだったかどうかは分かりませんけれども。
上記の意味では、評論子が入っている映画サークルの先輩会員の「作り手(監督)の人柄が偲ばれる」というコメントは、その意味では決して「的外れ」でもないと、評論子も思います。
評論子としては、思わぬ「自戒」までもスクリーンを通して突きつけられるという、佳作に値する一本だとも思いました。
(追記)
ほんの些末なことなのですけれども。
鉄道ファン(乗り鉄)の評論子には、見逃せない脚本上の「欠陥」がありまして。
(末尾ですし、駄文なので、読み飛ばしてもらって、全然OKです)
優子は南雲に、砂漠地帯では砂塵の問題があるので、新幹線鉄道を敷設するよりも、リニア(磁気浮上式)鉄道の方が、優れているとアドバイスします。
しかし、線路の上を鉄製の車輪で走る普通の鉄道(粘着式鉄道)は、滑り止めの機構として砂を散布する装置を備えていたりするくらいですから、砂塵が舞う環境であることが、新幹線鉄道の建設の支障になるという一般的な知見があるとは、ちょっと考えがたい状況です。
【砂撒き装置】
粘着式鉄道の鉄道車両において、上り勾配や落ち葉等により駆動輪が空転して牽引力を失うのを防ぐため、砂を車輪とレールの間に介在させることによって両者間の摩擦力を増加させる装置である。この装置の改良形であるセラミック粉を増粘着剤として使用する場合には、セラミック噴射装置と呼ばれる。(wikipedia)
wikipediaで引っ張れば簡単に出てくるくらいの知見ですから、この点に手当てが及んでいないという脚本は、シンクタンクでは、他の研究員の妬みを買い、理不尽なリストラに遭うほど優秀だったはずの優子の発言としては、ちょっと「お寒い」と言わざるを得ません。
(そういうアドバイスが出てくるということは、優子が働いていたのは、いわゆる都市交通系のシンクタンク(研究調査会社)という設定だったのでしょうか。)
ちなみに、鉄道は傾斜(坂道)に弱い交通手段です。
クルマが走る道路の傾斜は「パーセント(百分率)」でカウントされますが、鉄道(線路)の傾斜は「パーミル(千分率)」でカウントされます。
単純に言えば、鉄道はクルマに比べて、10倍も傾斜(坂道)に弱いといえるでしょうか。
もし、優子の南雲に対する発言が「傾斜に対する既存(粘着)鉄道の弱さと、その点でのリニア鉄道の優位性」みたいな内容だったともし仮定すれば、脚本のシズル感がグッと増していただろうと思うと(作品全体としては決して悪いものではないこともあり)少しく残念な思いもあります。
この点で、少しく残念だったのですけれども、それは、あくまでも鉄道ファン(乗り鉄」としての評論子には「物言わぬは腹ふくるるわざなり」ということわざもあって付け加えただけのことになりますので、それを差し引いても充分に佳作という本作の良さに免じて、「蛇足」をお許しいただきたいと思います。
急激に仲良く
ぶっ飛び設定だけど、何より不器用江口のりこ推せる。
評判が良さそうだったので観てきた。
1回上映になってたのに朝イチの回で一番大きいシアター上映見れたのラッキーすぎた。
なんだかバイト先でおばさまからのお問い合わせが多くて気になり過ぎて。せっかく観に来たのに上映回数少なくて残念やわ〜みたいな。
感想、めちゃめちゃよかった。これは好きだったな。
笑えてしっかり感動させられた。ほろり。
配信が来たらみんな見て欲しい。
私をみる気にさせてくれたおば様方、マジでありがとう。
生きるとは誰かをまもること。
中条あやみの関西弁
ほのぼのムードからのあまろっく感
鶴瓶か、なんか重宝されてますよね。そんなに演技が上手いとは思えない...
見どころは中条あやみと江口のりこの舌戦。終劇8分前に泣けるシーンがある。 佐川満男はこの作品が遺作となった。ちょっと評価はあまくなっているかもしれないが、満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
動画配信で映画「あまろっく」を見た。
2024年製作/119分/G/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2024年4月19日
江口のりこ(優子)(兵庫県飾磨郡)44才
中条あやみ(早希)(阿倍野区)27才
松尾諭(兵庫)
中村ゆり(寝屋川市)42才
中林大樹(南雲広樹)(奈良)39才
駿河太郎(西宮市)46才
紅壱子(大阪市)
久保田磨希(京都)
浜村淳
後野夏陽(幼少期の優子)
朝田淳弥(大阪市)元関ジャニJr
高畑淳子(香川県)70才
佐川満男
笑福亭鶴瓶(優子の父)
中村和宏監督といえば「酔うと化け物になる父がつらい」(2020)がある。
まだ見ていない。
キャストは関西人で固めた感じである。
優子は39才で未婚。
京都大学を卒業し、
東京のコンサルタント企業に勤務。
非常に優秀だったが、人当たりが強く、
パワハラや協調性のなさでリストラの対象になってしまう。
父がひとりで住む尼崎の実家に帰郷した。
しばらくして父は市役所勤務で20才の早希と再婚すると言い出した。
早希は明るく外交的で思いやりがあり優しい。
優子とは対照的だった。
優子は早希を受け入れられず困惑する。
3人での生活を優子は息苦しく感じた。
上映開始から41分後に悲劇的なことが起こる。
(マジかよこれ)
早希は優子のために見合いの話を持って来るが、
その気のない優子は相手の写真を破ってしまう。
その相手は海外駐在から戻って来た南雲広樹で、
偶然、優子とは京都大学の同級生だった。
南雲は優子のことを当時から好意を持っていた。
見合いは行われなかったが、
2人はうどん屋で偶然再会したことがきっかけで交際が始まる。
見どころは優子と早希の舌戦。
終劇8分前に泣けるシーンがある。
佐川満男はこの作品が遺作となった。
ちょっと評価はあまくなっているかもしれないが、
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
3人の、結婚式…ですか…
基本的には物語としては面白い。
しかし、
どうしても漫画チックな設定を「難あり」と捉えてしまう。
さて、
あまろっくの意味は最初に提示される。
閘門というものの役割と父竜太郎がそれを自分自身に例えていた想い出が、主人公優子の中で現実化していくのが、この物語だ。
いつもどこでも常に優秀さを発揮していた優子
突然のリストラに理不尽さを拭えないまま帰省
しかし同級生によって自分は「いつも輪を乱す子」だったことを知る。
初めて感じた自分の欠点
それに加え、父の突然の再婚によって生活環境が変化する。
しかも相手は若干20歳
「赤の他人」との生活
それが1か月しかたたない間に起きた父の死
居心地の悪さと益々明るみになっていく自分の欠点
優子の生活に起きたこの大きな出来事と彼女の葛藤と選択がこの物語の見どころだ。
しかし、
どうしても20歳の娘との結婚は漫画でしかなく、どう考えても現実味がない。
この大胆な設定に普遍的ともいえる言葉によってプロットが押し込まれる。
それが悪いとは言えないが、最後の3人の結婚式だけはどうしても合点できない。
紆余曲折を経て、優子とサキはお互いが家族として受け入れ合う。
ここまでは問題はない。
「人生で起きることは何でも楽しまなければ」
この言葉がこの物語の主軸
優子はサキに、実家と工場を売却したお金で子供を養えばいいと考える。
優子の言ったようにサキはまだ20歳だ。
父との結婚が如何に大切な想い出であっても、彼女にはまた別の新しい人生を作る機会が十二分にある。
しかしサキの気持ちが近松家に留まってしまうのは物語上、まあ、致し方ない。
父の、誰にでもあるような口癖「オレはこの家のアマロックだ」
その意味を、ある意味優子の勝手な解釈で意味付けしたのも、まあいい。
ナグモヒロキが会社を退社し、好きになってしまった優子の会社の従業員となったのもよかった。
でも、どう考えてもサキがウェディングドレスを着るのは「?」でしかなかった。
人生で起きたことを楽しむなら、サキは十分に尽くしたように思うし、今後の自分の人生を想像し創造することこそ、竜太郎も望んでいるのではないだろうか?
しかも式場に飾った写真は竜太郎と母愛子の写真だ。
優子とサキの家族になった道程は、それなりに深い人間関係と葛藤と赦しがある。
それは、式場にいる人に話しても中々理解するのは難しいと思う。
つまり皆式場で「?」に包まれてしまうはずだ。
また、、
新婚の二人の様子がサキに何らかの心的変化を与えるのは容易に想像できる。
優子とサキが家族になったのは素晴らしいことだ。
でもまさか、近松家で3人と赤ちゃんが一緒に生活するわけではないだろう。
誰が聞いても「それ絶対ヤバいやつ」だ。
結局近松家にはサキと赤ちゃんだけが住むことになれば、サキは文字通り娘を嫁に出す親の寂しさを味わうことになる。
すべては優子が父の口癖に理由付けした「これからは私がアンタらのアマロックになる」ことになったのだ。
ただこれは、新しい人間関係のひとつの例である。
例であることであれば、それはそれ。
尊重できないわけではない。
しかしそこまで理解した上での作品ということがどうしても「難あり」と感じてしまう。
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