劇場公開日 2024年12月20日

「型破りな天使のような子役たち」型破りな教室 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0型破りな天使のような子役たち

2025年2月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

涙がタラタラ出て来てしょうがない。

メキシコの実話を元にした映画らしい。そもそも日本語タイトルからしてドラマやドキュメンタリーにでも出てきそうな設定で最初のほうか「ほう、なるほど」という風に観ていたけれど、1時間過ぎた辺りからの子どもたちの演技というか表情に完全にやられる。1時間過ぎる頃とはすなわち、型破りな先生に夢や希望を与えられ、その夢がメキシコの貧困層家庭という現実に押しつぶされそうになっていくところである。

その前に彼らが知識欲に目覚める表情がまず素晴らしい。哲学者になれるかもよ、と言われた女の子が学校図書館で追い払われて、大学図書館に向かうところでまず涙。そしてゴミの山に住む宇宙飛行士になりたい女の子の隠し扉の科学雑誌と自作望遠鏡からみるスペースXの発射台に涙。そして好きな子と勉強に目覚めた不良のニコの表情が本当によく、彼に降りかかるシティオブゴッドのような一瞬が切な過ぎる。校長先生のキャラクターも素晴らしい。

危うく見逃すところだったけど観れてよかった。
哲学書を読み漁りながら赤ちゃんの世話で学校に行けない子なんて、おじいちゃんから聞く戦後の学校あるあるエピソードみたいだったけど、今や貧困国になった日本でもぜんぜんこのような状況になっていたりするのかもしれない、と思った

ONI