「「いまを生きる」とは似て非なる物語」型破りな教室 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
「いまを生きる」とは似て非なる物語
型破りな授業を行う教師の映画となると、おじさん世代なので「いまを生きる」を思い浮かべてしまう。個人的にとても好きな映画で、そんなに頻繁ではないが観るたびに大泣きしてしまう。
さて、本作も実は「いまを生きる」と似たような構図の物語。赴任してきた教師が型破りな授業を行う。戸惑う生徒たちだが徐々に心を開き関係を築き授業にも積極的になっていく。でも、その教師を快く思わない人たちもいる。そしてある子どもに事件が起こるって流れ。違うのは本作の舞台が小学校だということ、メキシコであること、協力してくれる校長先生がいること、そして実話を元にしていること。
メキシコの貧困層が多く住む地域だからこそ犯罪が多発するし、貧困だからこそ将来の夢が閉ざされている子どもが数多く存在するという事実がとても重い。親が子どもの未来を信じられない気持ちもわからないではない。それくらいに重すぎる現実が横たわっている。それでもその子どもたちが未来を切り拓くには教育しかないということを改めて実感する物語だ。パロマという天才少女がクラスに在籍していたことは、フィクションとしてできすぎだよなと思っていたら、ここも実話だったことに驚いた。文字通り未来を切り拓いたんだな。本当によかった。
「いまを生きる」では最後の生徒たちの行動に泣かされたが、本作では先生の熱い声掛けにまんまと泣かされてしまった。ありゃ泣く。
コメントする