「それは宝物」型破りな教室 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
それは宝物
メキシコにて、犯罪と隣りあわせの環境の小学校に変わった先生が赴任して来たことにより学力最底辺だった子どもたちの意欲と成績が…といった物語。
型にはまった教育方法を嫌い、自ら問いかけ子供達に考えさせ…といったやり方のセルヒオ。
風変わりで校長や同僚からも白い目で見られる彼だが、燻る子供達には確かな変化が訪れ…。
観ながら、自身の小学生時代を思い出してしまいました。当時、先生たちの話で「学校に行きたくても行けない子供が世界にはたくさんいるの!」とよく言われていましたが…いやいや、学校なんて面倒だし毎日日曜日が良い…と当時は思ってしまったものですが…。
実際には、小学生であるにも関わらずヤングケアラーのような生活を強いられたり、興味があっても向き合えさせてもらえない…なんてことが本当にあるんですね。そんな彼らの気持ちを掴むセルヒオは素晴らしい先生だと思った。
でも、パパの意見もわかる。
厳しい現実を生きてきたからこそ、戻されるくらいなら叶わぬ夢など…う〜ん、我々が軽々しく意見できない現実ですよね。
それでも、天才も良い指導者と出会えなければ…とも思わされたし、セルヒオの葛藤、結局どうするのが正しいのかは誰にもわかりませんね。
その他、まさかの衝撃の展開で驚いたし、綺麗なだけのドラマじゃないのも、メキシコの厳しい現実を教えてくれました。
総じて、年の瀬に出会った名作といえる作品だった。
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