劇場公開日 2024年12月20日

型破りな教室のレビュー・感想・評価

全144件中、1~20件目を表示

4.0教師と子供らのダイナミズムが感動を呼ぶ

2024年12月29日
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鑑賞方法:試写会

いわゆる学園モノの映画で一人の教師と数十人の子供たちが本気のドラマを奏でる時、そこにはある種の作り物の演技を超えた、特殊な熱量が立ち込めていくものだ。ある時は指揮者に導かれたオーケストラのように見えたり、またある時は大海へ向けて漕ぎ出す船のようにも見える本作。従来の教え方を180度転換させる変わり者の教師役をメキシコの名優デルベスが演じ、対する生徒たちも真剣かつ純真な瞳を輝かせ知の探究へと足を踏み出していく。その姿を見るだけでワクワクするほどのダイナミズムを感じる。治安最悪エリアに暮らす子供らにとって、知識や学びは成績を上げる手段ではなく、むしろ彼らが現状を改善し、負の連鎖から抜け出す羽根となるもの。なおかつそれは義務ではなく彼らの権利であり、知の欲求を満たすことは究極の喜びにも等しい。これは単なる熱血映画ではなく、学びの意義が子供らの体内で脈々と根を張り、宿っていく様を尊く描いた力作だ。

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牛津厚信

4.0「子供を国の歯車にする教育」との指摘に考えさせられる

2024年12月24日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

楽しい

知的

紹介されているように実話に基づくドラマで、主人公の教師フアレスと、廃品回収業の父親を持ち数学の才能を発揮するパロマ・ノヨラは実在の人物。雑誌「WIRED」に掲載されたフアレスとパロマを取り上げる記事がきっかけになり、映画化の企画が立ち上がったという。哲学に興味を持ち図書館を訪れた生徒を哲学書コーナーに案内するスタッフの役で、パロマ・ノヨラ本人が出演している。

映画中盤、フアレスは校長先生とビールを飲みながら対話する場面で、メキシコの教育についてこんな指摘をする。学校は100年前から変わっていない。ベルを鳴らし制服を着せて、「静かに」「整列しろ」「手を挙げろ」を命じる。子供たちを国という機械を動かすただの歯車にする教育だ、と。

これは少なからず日本の教育にもあてはまる批判だと痛感した。もちろん戦前、戦中に比べて改善された部分も大いにあるだろうが、個性や自主性を伸ばすことより、型にはめて社会や組織のルールに従順な“常識人”に育てることを重視する傾向が根強く残っているように思う。自分の小学生の頃を振り返っても、「整列しろ」「手を挙げろ」と言われて何の疑問もわかなかったが、言われてみればそれも軍隊のように上の命令に下の者が従うというルールの刷り込みだったのかと、今さらのように気づかされた思いがした。

フアレス先生の理念が、教育や子育てに携わる多くの人に届くといいなと願う。

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高森 郁哉

4.0近くて遠いNASAの発射場

2025年4月4日
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「先生」が敬称なのは間違いないが、呼ばれる側は偉ぶるのではなく「先に生まれただけですよ」と言うくらいがちょうど良い
私には今作の主人公がそんな姿に見えた

メキシコの薬や銃声が飛び交う町の小学校
全国学力テストの不正を教師が先導するような環境では学力も上がるわけもなく、最底辺の学校と呼ばれ続けていた

そこに赴任してくる主人公フアレス
彼の授業は初日からカリキュラムに沿わない型破りなものだった

自分で考える。調べる。実験して確かめる
そういったことを重視するフアレスの姿勢は一見素晴らしい教師のようにも思えるが、今作はそうは単純に描かない

中盤フアレスの教育理念はあるYoutube動画を基にしていると明かされるのだ
彼自身もそれが正解だとは思っていない。彼にも何が正しいのかは"分からない"

それでも今より少しでも良くするために、挑戦することから逃げてはいけないという姿勢にブレは感じられない

今作のハイライトシーンにごみ溜めの山からNASAの発射場を眺める所を上げる人は少なくないだろう
その二つは近くて遠い。しかし目に見える場所だった

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作務衣もん

5.0奇跡の教室

2025年3月31日
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鑑賞方法:映画館

治安最悪なメキシコの現状の中で、普通のことでは、なかなか変革は、厳しいであったろう。教師と子どもたちの理想的な学びが、奇跡を起こした。実話の持つ驚きに感動した。

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DnaH

4.0自発的な探求心を養うことが重要

2025年3月2日
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鑑賞方法:映画館

2011年にメキシコの小学校で起きた奇跡の実話を基に製作されたヒューマンドラマ。アインシュタインの名言「学習を妨げるものは教育」を学ぶことが出来る貴重な作品であり、型に嵌めた教育ではなく自発的な探求心を養うことが最も重要であることを学ぶことが出来ます。学校教育だけに留まらずあらゆる指導者にもオススメできる作品です。

2025-33

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隣組

4.0日本では

2025年3月1日
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泣ける

悲しい

失われてしまったものがここにはある。

観賞しながら胸が痛んだ。
最後には高揚するはずと期待していたが、痛みは消えなかった。
単に心ある教師が底辺の生徒をトップにする、
ある意味ドラゴン桜のようなものを想定していた自分を恥いるばかり。
過酷な環境下を懸命に生きる子供達の姿には涙が滲む。
天才少女は最終的に脚光を浴びたが、
哲学者を志した少女は赤ん坊の世話で断念せざるを得なかった。

高校無償化、経済的に恵まれない子供達にも平等に機会を。
今の日本の生徒たちに本当にその価値はあるのか。
学べることが当たり前であることがどれだけ幸せでありがたいことなのか、
日本では学生の時はわからないよね。
私の勤務する大学では就活に明け暮れるばかりで、
この映画に出てくる子供達のようなパッションのある学生はほぼ見かけない。
最も優秀なのは中国の一流大学から漏れた留学生だ。
私は間もなく消えゆく身だが、
日本の未来に暗澹たる気分で映画館を後にした。

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みみず

5.0簡単なようで難しい

2025年2月25日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

授業のスタイルとしては、ここ何年か重要視されている「考えを促す教育」で、真新しいものではなかった。
各々が興味を持った点を深掘りし、合った学び方を教え、後は生徒たちが学んでいくのを待つ、特別なものではないが、実践するのは思った以上に難しい。
特に、どこまでは自主性を重んじ、どこまでは教え導くべきなのか、曖昧な境界線に教師フアレスも悩んでいた。
その葛藤は、生徒の死によって、より強いものとなってしまった。
通学路に死体が並んでいて、銃声が飛び交う日常で、自主性を重んじる教育なんて間違っていたのではないか。
無理矢理にでも武器を奪い、リスクを避けるべきではなかったのか。
前職で、様々な家庭と向き合う中、子どもの気持ちを尊重したいという気持ちと、保護者が言うように今後の人生を第一優先にルールで規制するべきだという考えに悩んだことを思い出した。
日本と今回の舞台メキシコでは、状況が大きく異なるが、やはりどのような環境でも子どもたちにとって教育が大きな影響を与え得ることは変わらない。
正しい知識を基に、不必要なリスクを取り除き、必要な経験をさせることが、教育の中で確立し、その上で環境に応じた手法に発展していくことを願う。

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ひろ

3.5めちゃくちゃ良い映画

2025年2月25日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

メキシコの治安の悪さは他作品でも散々扱われてきたが、ここまで胸が痛くなったのはルイス・ブニュエルの"忘れられた人々"以来

前半部分はコミカルな場面が多かったからか、後半とある事件が起きる場面でのシリアスさがより際立つ

校長の人柄が好き

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Alejandro Gillick

4.5王道‼️

2025年2月22日
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泣ける

楽しい

幸せ

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活動写真愛好家

4.5全教育者に観てもらいたい

2025年2月21日
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子供達の演技の素晴らしかったこと。
悲しいかな、こういう環境に暮らす現実が今も続いていること。
人生で素晴らしい恩師に出会えることは奇跡ですね。とても悲しくもあたたかい映画。

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寅

3.5とてもいい映画。 ダメダメなクラスの最底辺な家の子が天才だなんてハ...

2025年2月19日
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鑑賞方法:映画館

とてもいい映画。
ダメダメなクラスの最底辺な家の子が天才だなんてハリウッド映画だったら出来過ぎな虚構にすぎないけれど、事実に基づいているので話の展開が興味深かった。
また、主人公である先生が元々そういうやり方だった訳ではなく、動画の影響で実験的に始めてみたというのが正直だし現実感があって面白い。
ただ子供達が段階をおって変わっていく様子をもっとじっくりみたかったかな。1シーズンのドラマにした方が良かったんでは?とちょっと思ってしまった。
とはいえ先生を始めキャラも役者さんもとても良かった。
何よりメキシコだからこそ作れた映画だと思う。アメリカでリメイクは作れないだろうな。

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Tamizo

4.0それは小さな社会…

2025年2月18日
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鑑賞方法:映画館

難しい

小学校、それは小さな社会という映画に感銘をうけたが、

まさに、ちいさな社会。

それを裏付けるような作品だった。

国の社会の縮図がそこにあり、小さな子供たちがその影響、洗礼を受けてしまう。

こどもはどこの国でも大差ない。ちがうのは社会なのである。

メキシコの歴史に詳しいわけではないけど、スペインの侵略を受けて、

民族の形が変わってしまい、伝統の言葉を失い、文化の根底を大きく歪めることになる。

その悲劇が、社会に大きく影を落としているのは間違いないように思う。

大人もこどももスペイン語を普通に話していることに、背筋が凍るような思いがした。

他民族の侵略をうけないで、長い文化伝統を守れたことの幸運のうえに、

今の日本というものがあるのかもしれないなどと考えてしまった。

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うさぎさん

1.5薄っぺらいのが残念

2025年2月18日
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HooChangh

3.5まあそうですね

2025年2月18日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

実話を元にしているらしい。
治安が悪く偏差値も低い学校に赴任してきた教師、
創造性を培う授業で、生徒にテストの点目的ではなく本質なところを追究し学ばせる。

良い点
・腐った教育との対照性

悪い点
・授業よりドラマにやや偏りすぎているか
・なんやかんやで上手く行く流れになるなのがやや唐突

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猪古都

3.5radicalとは。子ども扱いせずに大事な問いを考えること

2025年2月16日
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KaMi

4.5過酷な環境でも

2025年2月11日
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メキシコの実話。
通学路にシートがかかった死体が並んでいても平然と登校するシーンで、どんな所かが想像できる。
生まれた家庭によって、未来を諦める子ども達。でも、教育は何かを真剣に考えて行動しようとする教師が現れ、自分の行く道を考え始める。懸命に考え行動する子ども達の姿は感動的。涙が止まらない。
全て思い通りにいかなくとも、回り道をしようとも、何とか道を探して進んで行くのではないか。そんな希望を持たせてくれた。
胸が熱くなった。

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しじみ

4.0教育とは

2025年2月10日
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悲しい

知的

幸せ

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きゃな

4.5教えるということは

2025年2月10日
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泣ける

幸せ

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まーちゃん

4.5悲しい現実の中に見出す希望

2025年2月10日
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Tofu