「老害ですみません」梟 フクロウ TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
老害ですみません
本作、気にはなっていたものの先週はスケジュールのやりくりがつかず。そのまま劇場鑑賞しない選択肢もあったのですが、やはり評判が高いようなので1週遅れで参戦です。
ちなみに逡巡したのには、私が韓国の時代劇に対する苦手意識もあるから。その理由は私自身の不勉強にあり、朝鮮半島の歴史に疎いためですが、今作のように「史実ベース」と言われても、正直いつの時代すらわかりません。また雑なことを言えば、時代劇の良さは「ロマン」を感じることだと思うのですが、あまりに歴史を知らないため結局「単発ドラマ」にしか見えず、語られていることがその後どう影響していくのかを知りません。それじゃロマンなんて感じる余地もなく、どう楽しんだらいいのかと思うことすらあったりして。(「なら勉強しろよ」は正しいご指摘です)
まぁ、挑むからにはそこを出来るだけ度外視したうえで私の本作の評価ですが。。
確かにサスペンスとしての工夫は優れていると思います。ただ、個人的な好き嫌いでいうと好みではありません。その最大の要因はキャラクター設定に対する「不誠実さ」にあります。
本作、恐らくそこが面白いと評価される最大の要因だと思われますが、そのサスペンス性を重視するあまり、二転三転、どんでん返しのために、主人公に対して「このキャラクターなら」と考える言動を裏切ることで推進させる展開の繰り返し。理由としてその「出自」や「事情」を理由にするわけですが、ここまでキャラをブレさせると流石に白けます。
もはや「設定」として史実をベースにする意味は薄れて無理な展開も多く、仕舞には本作のオチに主人公がとる行動に納得がいきません。
敢えて言えば、ブレてないキャラクター仁祖(李氏朝鮮時代の第16代国王)役のユ・ヘジンは相変わらず間違いない信頼の演技で見ものです。
まぁ、こういう作品性に対して高い評価があることは否定しませんが、オジサンとしては「支離滅裂」かな、と。なんなら、歴史的なミステリーに正しい答えも要らなければ、ネタのために設定されるだけなら弄らないでほしい気がする。そんなロマン思考で老害なことを言って、なんなら私が白けさせているかもしれませんね。すいません(口だけ)。