「世間体や見栄によって生じる過ち」弟は僕のヒーロー regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
世間体や見栄によって生じる過ち
ダウン症の弟ジョーを持った兄ジャック。幼少時はそれについてよく分からずに、特殊能力を持つスーパーヒーローだと信じていたが、やがてそうではないと知り、成長するにつれ弟の存在を隠すようになる。世間体や見栄を気にしすぎるあまり犯してしまう過ち。「障碍者はイノセントな存在」というのを少々美化しすぎではという感もなくはないが、本作はそんな痛い“あるある”を突いており、誰しも自戒を込めて観られるし、誰しもがジャックのような過ちを犯す可能性がある。
それにしても、西洋におけるナチズムがいかにタブーかというのも改めて認識。ナチスがユダヤ人の他に障碍者やLGBTQ+の人をも迫害していたという事実を踏まえれば、後半で起こるトラブルがいかに深刻か伺い知れると思う。
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