「劇中映画「別れのまなざし」」瞳をとじて 大岸弦さんの映画レビュー(感想・評価)
劇中映画「別れのまなざし」
瞳をとじて
神戸市内にある映画館「シネ・リーブル神戸」にて鑑賞 2024年2月13日(火)
スペイン生まれの映画監督、ピクトル・エリセの31年ぶりの長編映画「瞳をとじて」
背景
劇中映画「別れのまなざし」は1947年という時代設定。
スペイン内戦(1936年-1939年)で台頭、軍人フランシスコ・フランコによる独裁政治となっていた。政治的抑圧、閉鎖経済政策がおこなわれ国民は困窮した。本作は内戦後の混乱が続いているスペイン社会を描いている。
「ミツバチのささやき」に当時5歳で主演に抜擢されたアナ・トレントが、50年ぶりに同じく“アナ”の名前を持つ女性で出演したことも話題に。
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ストーリー
劇中映画「別れのまなざし」 冒頭部分
邸宅「悲しみの王(トリスト・ル・ロワ)」にはヤヌス像があり、ユダヤ人ミスター・レヴィ(Mr. Levy)とフェランが住んでいる。
フランク(フリオ・アレナス(ホセ・コロナド))を呼んだ。フェランは高齢となり、行方不明となった娘ジュディスを探して連れてきてほしいと依頼する。
今は母と共に上海に住んでいて「チャオ・シュー」と名乗っている。写真を差し出すと扇子を使って視線を強調する舞踊のポーズ「上海ジェスチャー」をしている。
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劇中映画「別れのまなざし」の撮影中に、主演俳優フリオ・アレナス(ホセ・コロナド)が失踪した。当時警察は、近くの崖に靴がそろえられていたことから投身自殺と断定。結局、遺体が発見されることはなかった。22年が過ぎたある日、元映画監督でフリオの親友でもあったミゲル・ガライ(マノロ・ソロ)は、事件の謎を追うテレビ番組「未解決事件」の出演依頼を受ける。
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番組プロデューサーのマルタ・ソリアーノ(エレナ・ミケル)はミゲルに取材する。
海軍の兵役で出会った、マドリードで再会した。若いころの二人の写真がある。フリオが好きなポジションは、ゴールキーパー。彼と私は第2級の受刑者でした。
逮捕の理由は?「治安紊乱罪と、扇動罪および不法集会罪です。当時のよくある罪状だ。フリオは無関係だったが、私と同居していたので連行された。」
マルタはフリオの娘、アナ・トレント(アナ・アレナス)に取材を申し込んだが断られてしまったと言い、アナの電話番号をミゲルに通知。
アナはミゲルと喫茶店で再会「父が生きてる夢を何度か見た。」
番組の終了後、「フリオによく似た男が海辺の施設にいる」という思わぬ情報が寄せられる。「未解決事件」を見たと、ベレン・グラナドス(マリア・レオン)から、プロデューサーのマルタへ連絡があった。ベレンはとある老人介護施設に勤務している女性だった。
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深夜バスに乗ったミゲル。とある海辺に面する老人介護施設に向かう。
それらしき男がいるという。修道女シスター・コンスエロ(ペトラ・マルティネス)は、行き倒れた男を「ガルデル」と名ずける。よくタンゴを歌っていることから。
確かにその男はフリオのようだ。ただフリオは、記憶喪失の状態であることがわかった。
ミゲルはしばらくこの施設に滞在することにし、施設のシスターたちも合意。二人だけの時間となった。
ガルデルが、古いタンゴの曲を口ずさむと、ミゲルはその続きを口ずさむ。ガルデルは喜んだ。
ペンキ塗りの仕事があると、ミゲルはそれを手伝った。
水兵時代に習ったロープの結び方をやってみせると、ガルデルもそれはできる。
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そんなある日、ミゲルはアナを再び呼び寄せて、父であるフリオが寝ている部屋へひとりで向せる。シスターたちとミゲル、ベレンはそっと見守っている
「私はアナよ」・・・「私はアナよ」・・・ 記憶が戻らず返答はない。
静かにそう言うのが精いっぱいであった。
ミゲルにはひとつの案があった。「別れのまなざし」の後半を上映しようと企て、記憶が戻るのではないかと仮説
マドリードに戻りたいというアナを引き留める目的もあった。
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保管している親友マックス・ロカ(マリオ・パルド)に連絡し、「別れのまなざし」のフィルムを送ってもらう。
施設の近くに、最近閉館された映画館があり、そこで上映されることになった。
映画館の支配人はアナとガリデルは最前列の席に並んで座るようにしたのは「親子」の関係だからである。
シスター二人、ベレンとマルタが後ろ座席に並んで座った。
そうして「別れのまなざし」(後半)が始まったのである。
邸宅「悲しみの王(トリスト・ル・ロワ)」に向かうフランクとジュディス(チャオ・シュー)をフェランに見せるためである。
フェランは面会を果たすことができたのだがフェランは病で瀕死の状態
フェランは布切れを取り出し、花瓶の水を使い湿らせて、娘のチャオ・シューの顔を拭う。化粧が剥がれる。素顔が見たいんだろう。
そこで倒れてしまい、死んでしまう。父は目を開いたままであったが、チャオ・シューはやさしく父の顔に手を当て、目を閉じた。
あまりにもかなしいフランクとチャオ・シューがそこにいる
「別れのまなざし」上映終了
「瞳をとじて」上映終了
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感想
スペインの映画 ピクトル・エリセ監督の作品「みつばちのささやき」「エル・スール」
楽しませてもらえたことに心から感謝します。
ムーチャスグラシアス! 大岸弦