「もっと妖しさと艷やかさが欲しい」陰陽師0 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと妖しさと艷やかさが欲しい
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通常スクリーンで鑑賞。
原作(第1巻)は既読、ノベライズは未読。
原作の持つ、妖しくて艶めいた雰囲気が損なわれていたのが残念です。鬼や妖怪が出て来ないのも物足りない訳のひとつ。
冒頭に津田健次郎のイケボ・ナレーションでも、原作同様の舞台設定を語っているのに何故そこを端折ってしまったのか?
大いに疑問ですが、安倍晴明の名探偵の一面を前面に押し出すアプローチは新鮮でした。押し出し過ぎの感はありますが…
呪の説明から、呪術を否定する描き方をしておいて、清明の能力をクライマックスのどんでん返しとして機能させたのも面白いですが、「陰陽師」に期待するのはそこじゃない。
野村萬斎版のような、本格的な呪術での対決が描かれるのだろうと期待していたのですが、肩透かしを食らった感じです。
分かり易くするために、話し言葉を現代口語に近いものにしていることも、平安時代の雰囲気をぶち壊す要因ではないでしょうか。分かり易くするのは良いですがやり過ぎはいけない。
しかしながら、山崎賢人(実際はたつさき)のアクションはやっぱりすごい。貴族のような雅な雰囲気が欠けているのは微妙でしたが、中盤の大勢を相手にしたアクションや、呪を切る手の動きのキレを見ていると惚れ惚れしてしまいました。
VFXシーンが圧巻の一言。
凄まじい迫力とクォリティーでした。
さすが、世界の白組!
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