「原作好きにはうれしい作品」陰陽師0 まろに~さんの映画レビュー(感想・評価)
原作好きにはうれしい作品
『また山崎賢人か!』
最近歴史ものには、彼を出せば外れないやろみたいな風潮があるのか?!
まあ、涼しい顔だし、老若男女に好かれそうな感じ。
それはさておき・・・
映画の内容は、『陰陽師0』のタイトル通り、安倍晴明が一介の学生(がくしょう)から、陰陽師に成り上がるきっかけになった物語が中心。
時は平安時代。
闇が闇であった時代。
闇の中には、この世のものではないものが人ともに生活していた時代。
人もまた、この世でないものの存在を畏れ奉っていた時代。
『狐の子』と噂された晴明は、寛朝に会いに訪れた相国寺で、貴族の余興に付き合わされる。
晴明は『呪』を使い、貴族たちに一泡吹かせる。
天皇家の流れをくむ源博雅は、偶然それを見かける。
原作でも描かれたシーンの一つから始まる。
得業生である橘奏家が殺され、その犯人捜しの流れから晴明が疑われることになるが・・・
作中では、原作のシーンが忠実に描かれていた。
例えば、晴明が博雅に事あるごとに言う『博雅、お前は、いい漢だな。』を聞いた時には、思わずニヤリとしてしまった。
あるいは、女王の屋敷に呼ばれた際に『俺は飲まんぞ。』と言いつつ、酒を飲み干すシーンは、ファンの心をくすぐったことだろう。
他にも、原作で描かれたシーンがそこかしこにあり、原作マニアにはうれしい作りだった。
またCGシーンがよく作られていた。
デジタル技術が進化した現代の技で、晴明の放った呪の迫力が何倍にも描かれていた。
総じて、なかなか見ごたえのある作品だった。
ぜひ、原作(夢枕獏でも岡野玲子でもよい)を読んでから行くことをお勧めしたい。