劇場公開日 2024年4月19日

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「出張先で、」陰陽師0 keebirdzさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5出張先で、

2024年4月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

幸せ

寝られる

性格が天然で仕事もイマイチだけど、見どころとヤル気はある若者のお話しを聞いてあげました、彼の今後に期待‥
のような2時間でした。
レビュー的に本作をどう評価を表現するか、これまで野村萬斎版その他のよかれ悪しかれ“まとまった・オトナの”安倍晴明と周りの平安人の日常を観てきたおっさんとしては、ちょっと困惑します。

序盤から様々な日常の些事が微笑ましいほど現代風な平安絵巻と、現代の科学的トリビアを基本搭載した理知的?な陰陽師、と言うより“呪術師”(今の観客にはコレよね〜)として若いが既に一級術師なヤング(死語)安倍晴明が、まるで人気ドラマのシーズン2ように当たり前に登場します。
その彼と、重要度の分からん各脇役の現在と過去がパラパラ「伏線の種」として淡々と振り撒かれる展開で、あまり理解が深まらないままストーリーが進むためか中盤辺り少〜し、いやそれなりに眠くなりました、春だし。

でも夫々小さな見どころ?と役者さんの熱演(ただ脇役陣は皆いかにも脇役然としてて、配役的どんでん返しを期待させない→起きないのが残念、それともこれが今の若手推しの手法なのか?分からん)はカット毎に感じられたので見ていて嫌にはなりませんでした。寝不足の自分が悪い。

で特撮は‥ 今のオスカー受賞・白組ならば現実との繋ぎ目を全く感じさせない超リアルな時代SFXも可能でしょうが、製作側のオーダーで随所に彩色を強めているんですよね多分。悪くはないんですが、なにかNHKが「世界レベルの映像特殊効果集団・白組の創る驚異の世界」番組用に作らせたプレゼン画像のような妙な演出感で、正直なところ少々映像没入の邪魔になりました。
これは更に後半から、文系官僚の最たるものであろう陰陽寮の皆さんが、突然流れるような徒手格闘(ワイヤー)アクションを見事に集団コレオグラフし始めるのと共にちょっと違和感を引きずる感じ。まあ笑う一歩手前で楽しめたけど。

総体的に、私の中で本作は決して「しっかりと作られた良作映画」ではありません。でも駄作だ!とか、観ていて腹立つ時間返せとかいう風でもない。

これがレビュー冒頭の映画に全然関係ない社会経験を無理やり引っ張り出してきた理由です。
老いゆく私でも近年の時代アニメや異世界ファンタジー物も好きですので否定はしませんが、平安絵巻をこのようなあっさり展開し、従来のNHKや教科書知識から来る古代という基本感覚に拘らない今風描写の積み上げで終盤エモい大展開をするという、それこそ今のジャパンアニメのような造りで実写映画が(何故かそれなりちゃんと)完結するんですね。何というか、映画鑑賞の勉強になりました。

keebirdz