劇場公開日 2024年4月19日

「花と(竜と炎と)ゆめ」陰陽師0 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0花と(竜と炎と)ゆめ

2024年4月23日
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鑑賞方法:映画館

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2024年映画館鑑賞26作品目
4月21日(日)イオンシネマ新利府
通常料金1800円→dポイント−300円

監督と脚本は『エコエコアザラクII -BIRTH OF THE WIZARD-』『K-20 怪人二十面相・伝』『アンフェア the answer』『アンフェア the end』の佐藤嗣麻子

粗筋
平安時代天皇中心の政治
陰陽師の占いによって政治は行われていた
陰陽寮は陰陽師を目指す学生(がくしょう)育成の場
帝に直接アドバイスし政治を動かせる陰陽師最高位を目指し陰陽寮は男たちの出世欲が暗躍し蠢いていた
そんなある日に学生の中でも優等生である特業生の橘泰家が自宅の井戸に落ちて死んだ
明らかに何者かによって喉が渇く毒を飲まされ背後から突き落とされ殺されたのだが表向きには自殺と発表された
内内に真犯人を見つけ出し見つけた者は空席になった特業生になれるということで躍起になる学生たち
そんな学生たちの中で1人安倍晴明は冷めていた
インチキくさい陰陽師になる気はさらさらなく只々幼い頃に両親を殺害した真犯人を探し復讐するため機会を狙っていた

先帝の孫にあたる源博雅は蛙を殺すふりをする晴明の術に惚れ込み従妹の徽子(よしこ)女王の悩み解消を依頼した
晴明がホームズで博雅がワトソンのような関係

全ては暗示
全てはお香による幻想
全ては催眠術

金の竜も炎も咲く花も全て贋(まやかし)全て夢の出来事
まるでトータルリコールみたい
まっ実際のところCGだからある意味において強ち間違いじゃない
でも暗示で死んじゃうこともあるから侮れない

そもそも陰陽頭の出世欲と徽子女王の源博雅に対する想いから起きた騒動

女性らしいといえばお叱りを受けそうだが幻想的な世界は素晴らしい
特に屋敷の周りで花が次々と咲くシーンはちょっとは感動した

やっぱり映画主演が山崎賢人か菅田将暉だと安定して面白い
そして助演は二枚目半の染谷将太
お金を出して映画館で観ても損した気分には少なくともならない

博雅と徽子のキスシーンがあるがなぜか奈緒が直前にニッコリする
まさか奥さんの菊地凛子に内心悪いなあと思っているんだろうか
まっそこはプロだしそういう仕事だしビジネスと割り切ってキスくらいやるわけだけど
そういえば菊地凛子がハリウッド映画に出演し一気に知名度が上がる前にロッテのガムのCMに出演していたがその役名はDHよしこだったな

一瞬素っ裸で寝てるのかなと思ったがそうではなかった徽子
うーんちょっと残念な気持ちになったのは確か
ぶっちゃけ奈緒はこういう役より謎めいた悪女を演じた方がポテンシャルを遺憾無く発揮できるんだけどな

ロケ地はやっぱり奥州市にある江刺藤原の里
岩手県と宮城県の県境に住む者としてはわざわざ東京から来ていただいて有難いことです

配役
陰陽寮の学生の阿部晴明に山崎賢人
醍醐天皇の孫の源博雅に染谷将太
醍醐天皇の皇孫で元伊勢斎宮の女王徽子に奈緒
農家出身で陰陽寮最年長学生の平郡貞文に安藤政信
陰陽寮の特業生で貞文を虐めていた橘泰家に村上虹郎
橘泰家の母に筒井真理子
僧侶に眞島秀和
醍醐天皇の第十四皇子から帝になった村上天皇に板垣李光人
晴明の師匠であり育ての親の賀茂忠行に國村準
天文博士の惟宗是邦に北村一輝
暦博士の葛木茂経に嶋田久作
陰陽頭の藤原義輔に小林薫
ナレーションに津田健次郎

野川新栄