劇場公開日 2024年4月19日

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「「闇が闇であった時代」の闇の怖さが感じられない」陰陽師0 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「闇が闇であった時代」の闇の怖さが感じられない

2024年4月19日
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いくら「なで肩」を強調しても、傲慢な「俺様」キャラが「キングダム」や「ゴールデンカムイ」のそれと似通っていて、やはり、「またしても山崎賢人」感は否めない。
ストーリー的にも、琴の弦を切る光の龍を退治したかと思ったら、得業生の殺人事件が発生し、このまま犯人探しのミステリーになったら面白いかもと思っていたら、女王の連れ去り事件と、彼女を追った先での炎の龍との戦いに突入して、「あれ、いったい何の話だったっけ?」という感じになる。
最後に、ちゃんと、事件の黒幕による説明があるのだが、それでも、どうしてそんなに回りくどいことをする必要があったのかについては、最後まで理解することができなかった。
その一方で、キャラクターの異なる男2人のバディ・ムービーとしては、それなりに楽しめるし、切ない悲恋物語も良いスパイスになっている。
何よりも、「呪術」を、オカルトではなく、暗示や睡眠術のようなものとした設定にはリアリティーが感じられるし、荒唐無稽なスペクタクルも、「深層心理が生み出したモンスターとの精神世界でのバトル」と位置付けることにより、説得力が感じられるようになっている。
ただし、最大の見せ場であるはずのCGが、いかにも作り物っぽい上に、何だかとても安っぽく見えてしまったのは、どうしたことだろう?
せっかく、本家のアカデミー賞を獲得して、「さあ、これから!」という時の「白組」によるVFXなのに、あからさまなCG感と、それに伴うチープな印象が、残念に思えて仕方なかった。

tomato