「ロシア期待の若手。」グレース masayasamaさんの映画レビュー(感想・評価)
ロシア期待の若手。
世界的に逆風吹き荒れるロシアですが、若手の良い作品をちゃんとピックアップできるのは流石カンヌ。
ドキュメント撮ってた監督らしく、予算の関係もあるだろう16mmフィルムの映像はリアリティバリバリでよい。皆んなが言うようにヴェンダース初期やタルコフスキーみたいなベタっとした固定アングル長回しとハンディのコントラストが上手くいってる。
出演者も黙ってるシーン多いからルックは重要でオーディションも大変だったろう。
いきなり「少女椿」かよ!と先制パンチをくらったが話はシンプルで進みが遅いから気をつけて。
最後まで見るとなるほどこのパターンのロードムービーかと腑に落ちます。次作が気になる監督だがウクライナ侵攻には反対姿勢を表明しているらしく、ちょっと心配である。とっとと近隣国に逃げて次作を作って下さい。
近作だと「葬送のカーネーション」思い出したかな。
どちらも辺境の話、こういう土地の映画はキチンとパンフ買う事にして後でその土地の歴史や現状辿るようにしてます。人生は学びの連続じゃ。
あ、あと見所はロシア南西部から旅立って何も無い荒地を映画目当てに突っ走る車、巨大ショッピングモール、そして人々が去った田舎の廃墟がほんと美術セットの様に美しいです。荒々しい北の海バレンツ海(約北極海)と移動映画館で見る水着とビーチサイドのコントラスト。日本だと畑の跡取りもいなくなった廃村って感じだろうか。いや昔は栄えた漁村かなぁ、、。
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