「パワフルではっきりした生き方」九十歳。何がめでたい しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
パワフルではっきりした生き方
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原作は読了済み。
原作を読んだ時も、日常や世の中の出来事をバッサリと斬る筆致が痛快で、納得したり笑ったりしんみりしたり、とても御年90歳で書いたとは思えないパワフルさが面白かった。
本作はその雰囲気を見事に踏襲し、映像作品として落とし込んでいる。エッセイの内容を散りばめて繋ぎ合わせ、ひとつのストーリーにまとめ上げている脚本が見事だった。
佐藤愛子と編集者の交流は、草笛光子と唐沢寿明と云う演技巧者同士のテンポの良い掛け合いのおかげでとても面白い(やはりコメディは演技が上手い役者を揃えないといけない)。
人生100年時代と言いつつ、そんなに長いこと生きていたって、なんだか窮屈な今の世の中で、今後良いことなんてあるのだろうかと思うことが多い今日この頃なのだが、そんな世の中への憂さを晴らしてくれるような作品だった。
佐藤さんのように、世の中の変に思うことに対して言いたいことを言える強さに憧れる。どんな風に年齢を重ねればこんなにパワフルではっきりした生き方が出来るのだろう。それはどんな経験をするかにかかっているのかもしれない。
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