朝がくるとむなしくなるのレビュー・感想・評価
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転がる岩、君に朝が降る
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百合でもシスターフッドでもない、自然で普通の繋がりが心地よい作品でした。
唐田えりかは、『無情の世界』の魔性の女から打って変わって人生に迷うありふれた女性を好演。
目の泳がせ方が本当に上手い。
芋生悠も、素朴さと今どきっぽさのバランスが非常によかった。
大きな事件などは起きないが、そのぶん飲み会の様子など会話がとてもリアル。
森口くんも健全な範囲でいい人だし、都合のいい人にばかりシフトを頼んでしまう店長もあるある。
基本イヤな人は冒頭の「ショッポ」の客くらい。
後半になってやっと自然な笑顔を見せはじめる希に、こちらまで嬉しくなる。
外での態度と椅子に胡座をかく姿にギャップがあったが、やっぱりあっちが本当の彼女なんだな。
そして、声だけながらお母さんに泣かされた。
「会社辞めた」に対して「頑張ったね」って言ってくれる親がどれだけいるか。
加奈子との関係も、地元や会社など他との繋がりがない故の心地よさってあるよなぁ、と。
淡く彩度の低い色彩や、キャストの外見とキャラのバランスなど、細部まで素晴らしい作品でした。
唐田えりかの淡々とした存在感を慈しむ
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76分間ほぼ唐田えりかが映っている
推定半径500mの世界を淡々と往復する彼女の姿を少し控えめにカメラが収めていく
登場する人たちの姿や感情は風景のように流れていき、自分自身の重さでさえ繰り返される日々の風景のひとつとなって流れていく
恋の予感も友情の兆しもクレームをつけるおじさんもやがて質量を失って吸い込まれていく白い部屋
まだ人生の半分も終わってないよ大丈夫と励ます母の言葉は…本当に希望なのだろうか?
ほの明るい世界を漂う時間が延々と続くだけなのかも?
橋の下を川は流れる
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