劇場公開日 2024年1月26日

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「どうせならシュール&チープに振りきってほしかった!」唐獅子仮面 LION-GIRL おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0どうせならシュール&チープに振りきってほしかった!

2024年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

タイトル、タイトルロゴ、キービジュアルの全てから、B級臭がぷんぷんする本作。しかし、紹介サイトの情報によると、本作は永井豪先生の描き下ろしオリジナルキャラクターの実写化で、日本語吹き替えは豪華声優陣を起用とのこと。もうこの情報だけで、ラジオドラマを聴く気持ちで、ぐっとハードルを下げて鑑賞してきました。

ストーリーは、大量の隕石落下により日本の関東平野以外の陸地が水没した地球で、わずかに生き残った人類を藤永(トウエイじゃなくてフジナガね)幕府が支配する中、隕石の発する光線を浴びた人間が、隕石魔獣アノロックと化して人々に襲いかかり、その脅威から人類を守るために戦う、唐獅子仮面LION-GIRLの活躍を描くというもの。

開幕からボカシなしのマッパの男女が描かれ、顔面がみるみるアノロックと化す衝撃の立ち上がり。その後、荒唐無稽な設定が紹介され、観客を置いてきぼりにするようなシュールな映像と怒涛の展開が続きます。ツッコミどころが多いという次元ではなく、ツッコミが無意味に感じるレベルです。

これは久しぶりに「考えるな感じろ系の作品」だと早々に認識。この世界観に浸れる者だけが楽しむことを許される、いわば観客が試される作品なのだ!と自分に言い聞かせて鑑賞続行。いや、こういうのも嫌いじゃないんです。しかし、せっかく頭を切り替えたのに、ちょいちょい伏線を用意して回収してくるのが逆にウザいんです。もうシュール&チープに振りきってほしかったです。

全体的に、サイキックバトル、レプリカント、隕石落下、大陸消滅、世紀末思想、幕府成立、武士とヤクザ、任侠、ラブストーリー、親子愛、家族のための復讐など、全てぶち込んで、エロとグロのスパイスで調理しましたてな感じで、おもしろそうな設定やテーマをふんだんに盛り込んでいるとは思います。でも、当たり前ですが、それが大渋滞を起こしています。マンガやアニメで長期にわたって描くならともかく、これを1本の映画、ましてや実写化作品にするのはさすがに無理があると思います。チープな映像のせいでアラが悪目立ちしているように感じます。でも、あしゅら男爵もどきだけは何気におもしろかったです。

キャストは、トリ・グリフィス、ダミアン・T・レイベン、デビッド・サクライ他、はっきり言って一人も知りません。吹替キャストは、内田真礼さん、関智一さん、榎木淳弥さん、森川智之さんらで、どんな作品でも手を抜かない本気の演技にプロの矜持を感じます。

おじゃる
ひろちゃんのカレシさんのコメント
2024年1月28日

そうですよね。振り切れてないんですよね。

ひろちゃんのカレシ