罪と悪のレビュー・感想・評価
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懐かしき故郷の風景
本日までの上映に滑り込んで観てきました。我が故郷福井県が舞台になっているという事で観ようと思っていた作品でした。福井市の繁華街片町の夜や遠くの山々の風景など観入ってしまいました。
少年時代の事件が消化できずに大人になった3〜4人がケジメをつけるために集まったところが決着でしたが後味の良くない結末。でも事が事だけに仕方なくも感じました。ヤクザと擬きのせめぎ合いに警察幹部が介入して落し所を探るといった感じでストーリーはやや新鮮味に欠けていたかもしれません。
子役の皆さんはちょくちょく見かけるメンバーだったので違った役柄でちょっと面白く感じました。
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皆、悪人。
アウトレイジではないのだが。春は罪を被ったが、結局子分使って朔を轢いてるし、晃はまんまと上司の隠蔽体質に目を瞑ったまま刑事を続けているし。朔はいつ小林に財布を持たせたん?殺したときに忍ばせたのか?
こういう映画、どっかで見たなぁ~アメリカ辺りで。パンフ読んであーっ!「ミスティックリバー」だ!パンフよどうもありがとう。「ミスティックリバー」あらすじほとんど覚えてないけどな。少年春くんはソリが入ってなかったな。その後ソリが入ったんかな。思春期に少年から大人に変わるようでずるずる引きずってぐるぐる回っているような壊れかけのRADIOならぬ蓄音機みたいな作品だったな。スッキリせずにモヤモヤさせるのがテーマなんだろな。
いいか、罪っていうのは自分が悪いと思ってなかったら罪じゃないから。
考えさせられる映画
(地元の人が期待する)福井アピールの映画ではありませんので。
普段、このような怖い題名の映画は観に行かないのですが、撮影した舞台が福井県で、監督も福井出身で、これは新幹線も来るし、満を持しての福井アピールの映画かと思って観に行きました。
しかし、あの独特な福井弁は出てきません。自然が多い景色はきれいでしたが、引きで撮影しているわけではないので場所を特定できず、夜の8号線もきれいに撮れており、実際とは違ったおしゃれな都会の街並みで、福井らしさを前面に出した映画ではありませんでした。観光客誘致のための映画ではないと、実際見て、ようやくさとりました。(確かに地元でもそのような宣伝もされていなかったのですが、勝手に期待していました。)
映画としては、一人一人の人物のキャラクターがしっかり描かれており、重みのある映画で、個人的には高評価です。
かなり好みの作品だったのですが……
少年時代のトラブルを描いた序盤から、その後の主人公たちとそれを取り巻く社会の闇を描く中盤までは、かなり楽しめました。
高良さん大東さんをはじめとして、脇を占める佐藤浩市や椎名桔平まで、演者たちは申し分なしです。半グレとヤクザの抗争も、エグくなりすぎず、それでいて悪い奴ほど得をする社会構造も炙り出しています。
ただし、終盤の展開はちょっといただけない。自分が何か大事なシーンや伏線を見逃してるのかと思うほど、納得できない展開です。
メイン二人のある種の決意は描かれないままだし、語られてることがすべて映画内の真実だとしても、真犯人の行動に無理がありすぎる。
楽しめたけど、ちょっと残念な作品でした。
24-020
罪の意識とそれから
2024年劇場鑑賞7本目 良作 60点
韓国ノワールを意識しているだろう予告の雰囲気とタイトルの邦題感と韓国俳優の様な風貌の高良健吾に、寄せてきてんな〜〜と思いつつもそれなりに期待して鑑賞
結論、んん〜絶妙に作品としても心残り的にも盛り上がりきらないから印象に残りづらいなぁと思いました
というのも、随所に要素として似ている箇所が多く、町や若者と中年の構図が孤狼の血の様だし、街を題材に地にへばりついた悪循環というかそういったのがヴィレッジだし、テーマがパッとしない感じ
個人的に面白かったのが、子役たちが名前は個別に挙げるのが面倒なので省きますが、罪の声の子や雑魚どもよ大志を抱け!、CUBEや明日の食卓などに出演していた子役の子が勢揃いしていて、ここ3.4年邦画を沢山見る様になったので、丁度数年前チョイ役や子供時代の役を演じていた子達が、学園ものをやるにはまだ幼い年齢なので、ある種貴重な集結作品になったなぁと思ったし、みんな今後飛躍していくだろうから、成長の過程の経過を更新できたのは楽しみ方として一つ良かったです
内容としては、高良健吾が絶妙に板にはまってなくて、個人的に彼の出演作は貴公派で二枚目な感じの印象が強いのと、見た目的な線の太さや、声とか悪みが薄い感じがしました
生まれ育った家庭環境によって育まれた人格、大人になり生業として堕ちたにしても変わらず守りたいのはあの頃淡い幼少期を色眼鏡なく接してくれた仲間を守ることであって、これは物理的にもそうだし、高良健吾自身にとっても他二人や亡くなった一人含め集団としての温かさであって、前述の薄い感じや高良健吾の綺麗なお顔含め、良い人が拭えなかった
監督は初の長編デビューだそうで、さぞかし沢山映画見てきたんだろうなぁと思ったけど、テーマ的にも演出的にも摘んできたのを集約した感じがオリジナルさがあるようで、尖がないなあと思ったので、次回作に期待です
説得力
少年時代の罪を抱えた男たちの友情と苦悩の物語
中学の幼なじみ5人組はその内の1人がある日遺体で発見されたことにより近所に住む変わり者のおじさんが怪しいとにらんでおじさんの家に向かうが、そこで偶発的におじさんを殺してしまう。阪本春(高良健吾)1人が罪を引き受け少年院に入る。
22年後彼は不良少年たちを雇いヤクザともうまく付き合いながら地元で建設会社を経営していた。
幼なじみの1人吉田晃(大東駿介)は父の想いを継いで刑事となっており、春の会社の不良少年たちが騒ぎを起こした事件捜査に関わり、また地元で農家をしていた朝倉朔とも出会って22年前の殺人事件に絡んだ物語が動き出す――
過去の幼なじみの遺体を思い起こさせる殺人事件が起こったことで、否が応でも過去のおじさんを殺した記憶が蘇り、緊張が走る。
反社会勢力との付き合いもある春と刑事の晃、捜査する者とされる者という立場の違いにより徐々に対立していく2人。
その中にあっても過去の秘密を共有しあう不思議な友情がそこにはあった。
その苦悩や葛藤を高良健吾、大東駿介、石田卓也の3人が好演していて、ドラマが非常に濃厚!
地方都市の闇の部分も見え隠れし事件が加速していく展開に引き込まれていく。
役者陣も名優揃いでなかなか見応えのある力作でした。
福井弁は全くないけど、福井にずっと住んでる設定
それぞれの罪と悪への向き合いかた…
握り拳のまま相手を抱擁する主人公
高良健吾演じる春は、握り拳のまま相手を抱擁する。手のひらを開いて相手を包み込むのではない。力を込めて自分の方へ引き寄せるのだ。そこに、春の生き方の覚悟が感じられる。
しがらみを断ち切って一度は離れた地元に戻ってきた晃や、しがらみを感じながらも身を隠すかのようにひっそりと暮らす朔に対して、春は、その地元のしがらみの中で登り詰め、生き抜いてきた。
彼自身が本当はどんなことを考えているのか、我々にははっきり示されない。ただ、警察やヤクザとも対等に渡り合いながら、後輩たちや自分の家族や友人たちを守る様子は伝わってくる。かつての彼の境遇にありながら、そうした行動をとる彼の生き様を目の当たりにする内に、我々観客は、何が正義で何が悪なのかを、問い返させられることになる。
途中、椎名桔平演じる佐藤が、「過去を暴いてどんな意味がある。誰のためになるって言うんだ」というようなことを部下の晃(大東駿介)に問うシーンがある。正確な言葉は失念したが、晃はそれに対して「これからの人たちのためだ」と答える。
自分はこの場面が、昨今の「過去に起こった問題を告発する者に対する、加害者側を擁護するかの如きネット民の論調」への答えのように受け取れて、心に響いた。
春の選択など、観る者によって賛否は様々だと思う。自分も、2度目を観ると全く違う感想を抱くかもしれない。けれど、それはこの映画がそれだけの奥行きと広がりを持っているということに他ならない。
「雑魚どもよ、大志を抱け!」に出ていたメンバー
坂元愛登や田代輝など、少年たちの演技も素晴らしかったことも付け加えておく。
そっちに進むのかぁ
監督のオリジナル脚本
監督が助監督時代に、この作品の構想等を高良健吾さんに話されており、初監督作品として実現されたものだという。
監督が脚本もオリジナルで書き下ろしているだけあり、作品のテーマや演出等一貫性があり、重いテーマながら血の通った作品であったと思う。観る者が各演者を主観客観様々な角度で、各々の『罪と悪』を掘り下げながら浮き彫りにしていく工程を鑑賞後半日経っても楽しみながら余韻に浸っている。久しぶりに深く考えさせられる趣深い邦画に出逢えた。もう一度劇場で観たい作品。
故郷の川に向かいて言うことなし
『クリント・イーストウッド』の〔ミスティック・リバー(2003年)〕は
『デニス・ルヘイン』原作の映画化で且つ秀作。
本作は監督・脚本の『齊藤勇起』によるオリジナルも、
設定を含め同作からの影響や引用が散見。
中学校のサッカー部に所属する仲の良い四人組。
そのうちの一人が増水した河川敷で遺体で発見され
残された三人は郊外の廃屋に住む男を犯人と疑い押し掛けるが
そこで事件は起きる。
それからニ十年後、
うち一人は尊敬する父親に倣い刑事として町に戻り、
また一人は地元でトマト農家となり、
もう一人は少年院を出所した後、町の顔役になる。
そしてまた昔と同じように、
河川敷で青年の他殺体が発見され
三人は否応なく過去に向き合うことに。
あまり良い言い方ではないが
〔ミスティック・リバー〕の記憶が強烈なため
本作はかなり霞んで見えてしまう。
なにがしかの新機軸を打ち出せれば良かったのだが。
同じように狭い世間の話しながら、
更に小さく纏まってしまっている印象。
『春(高良健吾)』一人が罪をかぶったことにより咎を逃れた
『晃(大東駿介)』と『朔(石田卓也)』の贖罪がテーマかと思いきや
二つ目の死体が出たことで
俄然謎解きの要素が強くなる。
誰が何の為に、夫々の事件を起こしたのか。
独立事象と見えた二つの殺人は、しかし
ある証拠が出たことから一転
繋がっている疑いが出て来る。
しかし、この証拠の存在そのものが
いかにも不自然で収まりの悪いことこの上なし。
また、二つ目の殺人が
どうして可能なのかも
最後まで釈然としないまま。
本編では閉塞した狭い世間ゆえに起きた幾つもの事件であることも語られるが
これも取って付けたよう。
『春』が思い描く自分の未来と
『晃』が目指すしがらみのない世間のカタチは
単に語られるだけで、
どのように成し遂げられるかも明らかにされないことにも不満が残る。
大言だけあって、観客には提示されることはない。
そんな人間の営みとは関係なしに、
舞台となった町の中を
我関せずとばかりに滔々と川は流れる。
存在感を見せつけるように。
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