罪と悪のレビュー・感想・評価
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良く言えば王道、悪く言えば平凡な作品
ストーリーの展開や結末がややありきたりで、どこかで見たような設定を組み合わせて作ったような作風である。
終盤の展開はやや唐突であるうえ、少し消化不良のまま終わる。登場人物に説明的なセリフを言わせる場面もいくつかあり、無理をして上映時間を短縮したような印象をうける。
警察幹部が建設会社社長に勘定を押し付けるシーンや、事件の発端となった不審者が無関係ではなくしっかりと悪人だったという設定など、ところどころセンスを感じる部分もある。
監督は本作が初の長編作品ということだったので、興行的な失敗を避けるためにストーリー展開や上映時間は敢えて標準的なものにしたということだろうか。次回作ではもっと監督の特色を出した作品を観たい。
少年時代の事件もの
初めに面白かったー。渋いキャストだけだったからちょっと観るの迷ったけど、シリアスなミステリー映画でした。最後ら辺に続々と真相が明らかになり、途中の疑問が一気に解消!ついでに、え?まさかの。やっぱりサスペンスやミステリーはこーでないと。
今週の公開分で迷ったら、先ずはこちらをお勧めします。
どのような観点で見るかで評価は分かれるが本命枠。
今年48本目(合計1,140本目/今月(2024年2月度)1本目)。
(ひとつ前の作品「VESPER ヴェスパー」、次の作品は「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」)
さて、今週は鬼滅の刃が一強ムードになりそうな予感で、それをのぞけば本命枠になりそうな本作品。主人公視点で描かれる2つの時間差のある事件を描くミステリーものという分類になるかな、というところです。
ただそのミステリーものという観点は弱く(視聴者に対してはある程度の情報は開示されるため。ただし、最後までみないとわからない点もある。なお、最初の導入部分のどうでもよさそうな描写は大半ヒント描写でダミーはほぼない)、個人的には舞台となる街の小ささから描かれる適切な法的アドバイスが得られない(法律相談などができない)状況による悪循環の論点かな…というのが見方です。
個人的にはその問題提起のタイプかなと思ったところ、そこに関しては一応それらの問題提起もされるはされるものの何らか解決策が示されているものでもないし、ちょっとここが厳しいかな…といったところです。映画内ではっきりと「街が小さい」と描かれているからです。
ただ、このような問題提起のタイプと解釈するのは一つの見方にすぎず、一般的なミステリーものと解することも可能だし、私の見方も特殊な気はします。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.3/この映画の述べたい趣旨がぶれてしまう(後述))
結局のところ、私は「法的なアドバイスを得られない、得られにくい小さな街で起きる連鎖的なトラブル」という観点で見たのでこうなってしまいます。この点は後述します。
(減点なし/参考/自転車のパンクと自転車屋さん)
明確には描かれていませんが、パンクした自転車を自転車屋さんにもっていって修理を頼んでも、民事留置権しか発生しません(商事留置権はともに商人である必要があるため。商法参照)。
(減点なし/参考/不法行為と飲酒行為ほか)
一時的に精神的障害を、故意か過失かで引き起こした場合はやはり不法行為の論点が発生します(713条の但し書き)。
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(減点なし/参考/この映画の述べる趣旨の「一つの」見方)
何度か書いている通り、この映画で述べられている「トラブル」にせよ、こういったものは早め早めに専門家が介入するべきものです。法律相談であれば弁護士でしょうし、福祉行政であれば市役所でしょうが、それらは一切出てきません。
ただ、日本では確かに法律相談ほかが受けられること自体が少なかった過去があるため、いわゆる法テラスが開設されたり、司法書士や行政書士が行える範囲が拡大されたりと、ある程度、法的なトラブルに巻き込まれたときの相談先は、こうした士業、あるいは福祉行政ほかにも現在はかなり拡大しています(弁護士以外は基本的にトラブルに介入することはできないが、相談する人全員が士業法を熟知しているのではないので、来た時に適切な福祉行政ないし警察、弁護士ほかに連絡する限りにおいては何も言われない)。
その論点でみると、「第一の事件」は、そもそも論で福祉行政の連携不足というそしりは免れず、「あれなければこれなし」の考え方から「第二の事件が発生する理由」も結局薄くなってしまう部分がどうしても否定できず、この点についてはある程度配慮して欲しかったです(映画によっては設定上、福祉行政にせよ行政(市役所)自体が腐っている、という「行政に頼れない」という設定になっているものもあります)。
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