「イーストウッド監督作「ミスティック・リバー」が下地になっていると思う。」罪と悪 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
イーストウッド監督作「ミスティック・リバー」が下地になっていると思う。
名作「ミスティック・リバー」2003年との類似点が多い。
11歳の時に異常者に悪戯されたデイブ(ティム・ロビンス)は、
未だに過去を引きずって塞ぎがちな男。
親友の3人(ジミー&ショーン&デイブ)が25年振りに再会する。
ジミー(ショーン・ペン)は元ヤクザ者の雑貨屋。
ショーン(ケビン・ベーコン)は刑事になっている。
ストーリーは少し変更されているが、3人が再会したことで、
事件が起こり、町は不穏な空気に包まれ、
3人は疑心暗鬼になって行く。
そして取り返しのつかない悲劇がまた起こる。
少年犯罪の被害者は過去を忘れることは決してなくて、
不幸な人生を送ってしまう。
日本版の「罪と罰」もまた、過去を引きずる男たち。
13歳の時、友達を悪戯した浮浪者を殺して焼いてしまった
春(高良健吾)
晃(大東駿輔)
朔(石田卓也)
春が一人で罪を被り今は更生して建設業で町の顔役になっている。
22年後に刑事になった晃が帰ってくる。
そんな時、また22年前と同じような少年殺害事件が起こる。
そして春は疑われた、晃は真相を突き止める側になっている。
この映画は、真相が「多分こうだろう?」と分かるのは、
ラストもラストの最後のシーン。
それだって、「そんなのはみんな、お前らの偶然と想像の話だ!!」
との一人の仲間の言葉で終わる。
真相は藪の中。
少年期の体験がその後の人生に与える影響。
その点でも興味深い映画である。
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