「Die etto」ファミリー・ディナー ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Die etto
これはカニバリズムものですよと雰囲気を醸し出していたので、まんまと劇場に導かれました。
思っていた通りの事は起こりましたが、それ以上の要素が無くて全体的に薄味でした。こんなに薄味だったら食べログで☆2つ付けちゃいます。
自分の太っている体型にコンプレックスを持つシミーが、ダイエットに精通している叔母のクラウディア元に泊まりにいったらたまたまイースターの時期で、そこの教えに巻き込まれていく…みたいな感じのあらすじです。
全編に渡ってクラウディアが不穏な雰囲気を出しているのはとても良くて、次のシーンでは何をしでかすのかとか、過保護がエスカレートしての行動とか、ピア・ヒアツェイガーさんの演技が光っていました。
家族関係が複雑なので、フィリップは両親共に恨んでいますし、クラウディアはフィリップを過保護通り越して支配しているので不穏ですし、シュデファンはまったりしてますし、そこにシミーがやってくるもんですから、そりゃ関係性もドロドロしていくよなぁと思いました。
終盤になって、逃げたはずのフィリップのメッセージの写真を見ていると奥の方に斧がぶっ刺さってて、もうフィリップはバラバラになってるのがやっと明かされます。儀式で食べた肉はフィリップというのも同時に分かり、否が応でもテンションが上がりました。
不謹慎ですがこういう展開を待っていたので、やっと来た!と思ったら、もうそこからはあっという間に終わりに向かっていきます。
優しい顔して迎えに来たシュデファンの腹部をぐりぐり刺して、家からの逃亡を図るシミーを夫婦で追いかけるシーンになりますが、そこまで緊迫感はありませんでした。
最後もあっさりしてる終わり方だったので、観たいものは観れたけれどコレじゃない感が強かったです。
三角型の藁を何か儀式に用いるのかと思いきや、シンプルに燃やして、クラウディアも巻き込まれて〜みたいな感じなので、それで良いのか?と思ったら、刺されてほぼ逝ってるシュデファンの横でシミーも倒れて引きの画で終わるというので本当に良かったんでしょうか…。
どこか派手なシーンや気色悪さ全開なシーンがあればコアな人気も出たと思いますし、シミー自身のバックボーンがもっと語られていれば良さも増したんじゃないかなと思います。この手の作品を多く観て目が肥えてしまっている自分にはそこまでハマる作品ではありませんでした。
鑑賞日 12/13
鑑賞時間 11:45〜13:30
座席 D-10