「脱北は想像以上に過酷だった」ビヨンド・ユートピア 脱北 ばとーさんの映画レビュー(感想・評価)
脱北は想像以上に過酷だった
韓国映画を観ていると、南北問題、脱北(者)というキーワードは出てこない作品のほうが少ないかな。脱北については38度線を北から南に暗視の目をかいくぐって超えてくるか、単純に鴨緑江を渡河して中国側に抜けてきて終わりという安易なイメージだったが、現実はそんなもんじゃないということを認識させてくれたドキュメンタリー。
中国側は無事に抜けても発見されれば強制送還されて収容所送り。これを避けるには中国からさらにベトナム、ラオスを経由してタイに入国して(わざと逮捕されて)韓国大使館に送られてようやく亡命が成立する。途中はクルマ移動が多くセーフハウスも準備されているが、道なき山岳地帯を徒歩で踏破するようなシチュエーションもあり、肉亭的にも精神的にもストレスフルな日々が続く。
もちろん映画で紹介されたようなルート以外にも様々な脱北ルートが存在するのでしょうが、いずれも一筋縄ではないのでしょう。
下世話な話だが、脱北ルートのすべてを専門のブローカーにまかせることになり、おそらく脱北者は経済的にその費用を払うのは困難で、この映画の牧師が属するような脱北支援団体が負担しているのだろうけどそのへんのおカネの話も少し知りたかった(一箇所出てくるが全体のコストか、その限定的ルートの費用かはわからず)
無事脱北した家族の子供とばーちゃんが、北朝鮮について感想を聞かれ、金正恩マンセー
のコメントをするのが、まあ当然とはいえ怖いな。日本も政治の暴走を放置するとこうなるよね。自戒。
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