あんのことのレビュー・感想・評価
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公開規模
ここ数年、「この作品にも河合優実」と見過ごせないばかりか、必ず印象に残る演技で爪痕を残してきた彼女。そんな彼女が主演と聞けば「いざ行かん」と本作公式サイトで劇場情報を確認すると、思いのほか公開規模が小さく。。正直一時は、入江悠監督(の過去作品たちを)を槍玉に挙げて配信待ちにまわす可能性もあったのですが、スケジュール的に無理がなさそうだったので久しぶりの丸の内TOEIです。記録がないため、何年ぶりなんだろう?大変ご無沙汰いたしました。サービスデイの11時の回は当日券を求める行列もあったりして、平日とは言えそこそこの客入りです。
で、鑑賞後の感想ですが、、入江監督、大変申し訳ありませんでした。凄かったです。ここまで衝撃を食らうとは思っておらず、帰途もついつい「あんのこと」を思い出し泣きそうになるほどで、これはしばらく要注意。かなりダウナー作品のため、これからご覧になる方も注意が必要です。何なら、これを配信で観ようものなら最後まで通して観ることが出来るのか?やはり劇場で見る意味の大きい作品でもあると思います。
本作、兎に角キャストの皆さん、もれなく演技が素晴らしく、そして凄まじい。比較的、個性強めな俳優さん揃いですが、皆さん悪目立ちすることなくまさにこの作品に存在する人間として違和感ないため、鑑賞していて否が応でも作品内に没入させられます。そして、緊迫のシーンが本当に怖く、だからこそ安寧な日々に幸せを感じ、さらにそこからの絶望に容赦のなさを感じます。
いやぁ、、言葉にならず申し訳ないですが、本作は予想をはるかに超えて刺さりました。キノフィルムズさん、これは公開規模拡大すべきです。少しでも多くの方に観ていただき、「関心領域」をひろめるべき。とても重要な作品だと思います。
杏の不幸の根源は……
河合優実の素晴らしい演技に没入
2020年実際に起きた事件から着想を得て、入江悠監督が映画化。幼い頃から母親に暴力を受け、壮絶な人生を送ってきた主人公を描いた作品。
彼女が置かれたあまりにも絶望的な環境、そこから抜け出そうともがく、救いのない重いストーリー展開。
助演の河井青葉の鬼気迫る演技も凄かったが、主人公のあんを演じ切った河合優実は、他の共演者たちを完璧を凌駕、その素晴らしい演技に没入した2時間。中々よいキャスティングの中で、稲垣吾郎が唯一余計だった。
現代の社会問題を描くこの作品、悲しく、救いようのない現実が存在していることを深く印象づけた。
この河合優実、そして杉咲花、山田杏奈なども然り、最近の日本映画界には、主役をしっかり演じ切る若手女優が増えたと、この作品を通じて改めて思った。
救いはあった。それでも救われない現実
救いがないわけじゃなかった。ただ、救いはあっても掬いきれないことはあって、救われない現実に心が痛む。こういう映画を観ても、「自分に何ができるか」なんてことは考えずに生きてきたし、そんなふうにしか生きていけない。それでも、河合優実さんが演じたような環境にある人がいること、そういう人と向き合っている人たちがいることは見て見ぬふりをせずに生きていきたい(Xへの投稿コピペ)
目をそらすことを許さない河合優実さんの見事な演技
ほぼ全編通してふざけない佐藤二朗さんの渾身の演技
抑制が効いて実在感たっぷりの稲垣吾郎さんの演技
娘あんへのもう一つの呼び名に身の毛がよだつ河井青菜さんの怪演
見どころたっぷりの演者たちと、
家の様子やロケーションなどで実話ベースであることを
違和感なく見せた入江監督の手腕に拍手です。
河合優実の適切な演技
先日放送していたテレビドラマ「不適切にもほどがある!」に出演していた河合優実さんが主演という事で、女優さん目当てで鑑賞に行きました
期待どおり河合さんの演技はピカイチで、大袈裟なところが無く台詞も自然で、人物が実在するような演技ができる女優さんであることを再認識し、ますます好きになった
わたしのなかで最近どハマりしていたのは杉咲花さんでしたが、河合優実さんが並んでツートップの位置を占めました
重いテーマをドキュメントタッチで描いたように感じた今作、ワンカットが長く、シーンが冗長に感じることが多々あり好みは分かれる、というか、わたしはダメだった
最後の5分から10分は付け足された感じもあり、不必要なシーンに感じた
河合さんの演技は最高でしたが、評価は星3
親に感謝と情が湧くとは
これが現実…
キャスティング
人には誰でも二面性がある
重いが、見て損はない
映画館にて鑑賞しました。
主人公自身は若干やさぐれてこそいるものの、人の優しさに応えられるし助けの手をしっかりと掴めるんですよね。(流されやすいとも言えますが。)だからこそあの母親に利用されちゃうんですよね。
また、その母親を演じた河井青葉さんすごいですね。演技力が凄すぎて、ヘイトを一身に背負っているな、と思いました。久しぶりになかなか腹が立つ人物でした。
こういった雰囲気の家庭の空気感の再現が凄いなぁ、と思いながら見てしまいました。
人の優しさやぬくもりは、人が成長していく上で大切ですね。
完全に余談ですが、佐藤二朗さんがこの役でヨガをやっていると、その瞬間だけコントっぽく見えてしまうのは、自分の心の問題だなと思いました笑。
この映画の感想とは直接異なりますが、こういう映画を見ていると生活保護ってなんのためにあるんだと思いつつも、そんな簡単に認められるものでもないよなぁ、とも思ってしまいます。生活困窮者を救うことができるセーフティネットとはどういったものなのだろうか、と無力感は感じてしまいます。
ああいった生活保護を断られるシーンは、こういった映画の中では、困っている状況の人物を助けない公的機関、それにより苦しい状況に置かれる主人公、という場づくりに利用されているな、とも感じてしまいます。
大丈夫…
世の中は優しいのか、過酷なのか
杏さんはどんな気持で大事な選択をしたのか
そばにいた場合に「大丈夫」と声をかけてあげられていたか
そんな答えの出せない問いを抱えながら劇場を出ました。
「コレさえなければ」って要因は多くの場合一つか二つだったりするんじゃないでしょうか。
彼女には数多くのことが「積み重なり」すぎていました。「大丈夫」とあたたかく受け止められることで、介護する相手に「大丈夫」と言ってあげられるまでになった彼女なのに。
間違いなく、彼女にとっては世の中は残酷すぎるものでした。
そんな彼女が実際もがき苦しみながらやりたいことを見つけて前を向いていたこと、そういう存在が世の中に彼女一人ではないこと、そういう存在に社会が寄り添ってあげられていないことは、せめて多くの人が知るべきなのかなと感じました。
そして、河合優実さんはそんな杏さんに真摯に向き合った一人になっていたような気がします。
あんの揺れ動く心情に、こちらも心が動かされる
河合優実はずっと着目していて楽しみにしていた一作。
映画としては、わかりやすい展開、俳優陣の過剰すぎる演技、ちょっとこじつけっぽい最後と、お世辞にも上手い作品とはいえないものの、作品タイトルの通り、あんに尽きる作品。
河合優実の悲喜こもった演技、表情、仕草に惹かれた2時間であった。自然と感情移入され、苦難に見舞われるたびに、心がざわつく。
苦難の中で訪れる少しの幸せなときの表情が最高である。
他の俳優陣では、佐藤二朗らしさが良かった部分もあったが、全体でみると佐藤二朗ではないほうが良かったと思うし、稲垣吾郎も役柄にはあってはいなかった。
ただ、そのおかげで、河合優実の魅力が目立ったのかもしれない。
テーマとして、いろんな人間の欲望が混ざり合っていた。必死に生きようと思う欲望、助けたいと思う気持ち、報われたいという渇望。その欲望で社会は成り立っており、その狭間であんのような人がいるということ。
つらい現実を浮き彫りにする絶望系
観てよかった。
救いがなくすごく凄惨な内容だったが、本当にあった事件を基に脚色したドラマらしく。
真正なクズ毒親に浸食された子供の心が、一気に崩れる姿を描いていた。
『告白』『由宇子の天秤』などに似た系統。
「絶望系」とでもいおうか?
観た人間に「あなたはこの現実をどう考えますか?」という問いと、「こんな環境に置かれた子供たちに『自己責任』と正義感を振りかざして言い放つ人々が正しいと思いますか?」という疑問と。
そんな主人公を演じた河合優実が神がかっていて、迫真の演技だった。
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