劇場公開日 2024年6月7日

あんのことのレビュー・感想・評価

全390件中、261~280件目を表示

心に刺さる映画

2024年6月22日
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既に皆さんが口コミされているとおりの映画です。色々なファクターで考えさせらる映画です。

心は揺さぶられますが、涙出る前に自分は何をしているのか深く考えさせられて、映画鑑賞後も数時間たっても考え続けてます。

関心領域を観た後に観ると人間の根底は同じで残酷すぎると、どうすべきか考え続けたいと思います。
最後に杏さんの絶望感は耐えられない。

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Tanny

4.5あんと河合優実

2024年6月22日
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河合優実さんの演技が並外れていた。あんの人生を生きていた。こんなに俳優さんの演技で感情移入したことはない。「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」の時にも彼女の演技力に呑み込まれてしまったけれど、今作でも河合さんの表現力にひたすら犯されていくしかなかった。

映画はいつも私に寄り添うものだと思う。ドラマはリアルタイム性があり、今放送しているドラマは常に“今”で、過去のものも懐かしさを帯びる。映画のように2、3時間では終わらず何週にも及ぶからその時の自分の時間の流れも交わる。ミュージカルや舞台は一度きりのもので、同じ公演は2度と見ることができない。しかし、映画は常にそのままで、物語を凍結したようなものだと思っている。演技をした俳優も、物語も、全てがそのまま在り続ける。だからこそ、私はこれからもあんと生きていく。

河合さんが見せてくれた、あんの見たものや大事にしたものと私も生きていく。

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Tone Rina

3.5不条理

2024年6月22日
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何で不幸な人にこんなにも不幸ばかり降り注ぐのか。親ガチャとかで、済まされない。怒りがこみ上げてくる。でも果たして、自分に何ができるのか。さらに苦しくなる。問いかけてくるものが多い映画です。

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おっけ

4.5杏が「どう生きた」のか、鑑賞後もしっかりかみしめたい一作

2024年6月22日
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過酷な家庭環境に育ち、自身も薬物依存などから抜け出せない杏(河合優実)が、周囲の人々の支えを受けて自らの人生を立て直そうとする姿を追う入江悠監督の視線は、優しくはあるけど現実に立ちはだかる問題から目を背けさせないという、ある種の厳しさを秘めています。

同時にまた、2020年以降に世界の多くの人々が経験した、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う社会生活の大きな変化において、人の支えを切実に必要としている人々がどう生きたのか、本作は一つの素描ともなっています。

実際に起きた事件を丹念に取材した上で(時系列は異なるけど、中盤の大きな場面転換となる事件も事実に基づいているとのこと)作品化した入江監督の、安易なハッピーエンドには回収させない、という覚悟と責任がひしひしと伝わってきました。

一方で、入江監督が杏の内面を書き起こす描写は、非常に繊細で印象的です。たとえばある雑貨店を訪ねた杏がナップザックを最初どのように持ち、そしてはっと我に返ったかのように持ち替えた場面。台詞ではなく杏の微妙な挙動と表情だけで、これまで彼女は欲しいものがあったときにどうしてきたのか、そして彼女の内面で何が芽生えてきたのかを明瞭に示しています。この場面はぜひとも注目してほしいところ。

『市子』(2023)ともやや共通した要素を感じさせる本作。入江監督の代表作の一つとなることは間違いなさそうです。

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yui

5.0あんと市子

2024年6月21日
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鑑賞方法:映画館

生まれた環境で〔親が全てと私見ですが 永遠ループするのでしょう)

こんなにも過酷で理不尽な場所に暮らすひとたちが・・・

すべてが性善説で成り立つことはないのでしょうか

記者が面会で語った
サルベージを作った刑事がいればあんは
助かったのでしょうか

ワタシはそう思えません
映画のストーリー上はそう見えたかもしれませんが
なにか一つのきっかけ、支えにヒビが入れば
あっという間に人間は崩れ去のではないでしょうか

この映画の見た帰りに満員電車に乗り合わせましたが
同じぐらいだけいろんな境遇に立つ人間をいるのではと
想像してしまいました

日本だけでなくたぶん全世界で同じことが
起こっているのでしょう
生き物が生きている限りなくならないのでしょうか

地道に地域で全うに活動されている方々に
感謝の念に堪えません

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かざ

4.5事件を知ること、忘れないこと

2024年6月21日
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鑑賞方法:映画館

ずーっと考えてる…
どうすれば良かったんだろうって…

記者が刑事の記事を書くのは、至極まっとうだとは思うのだけど…
その後、刑事に変わって、なぜ杏ちゃんをフォローしてあげなかったの???
あんな暴力を振るう母親を実際に目にしているのに、
職場の大人たちは、どうして何かをしてあげなかったの???
と、誰かを責めてしまう自分がいる。

実際は、杏ちゃんの事件が5月で、元刑事の方が逮捕されのが10月だったみたいで、
この現実の時系列だと、やはり、コロナ禍によっての孤立化が大きく、
その他の彼女にしか判らない、いろいろな要因が重なってしまったのかなぁ…。
とは思いましたが、
今回の作品の流れでは、杏ちゃんの悲しい判断よりも、
刑事の逮捕が先に描かれていたので、
いちばんは、コロナ禍が大きな原因だったとしても、
カラオケに行ったり、ゴハンを食べたり、かなり近くで関わっていた大人なのに、
なんで気にかけてあげなかったのか...と、記者の中途半端な関わり方を責めてしまいます…。

また、鑑賞して1週間経ちましたが、河合優実さんの杏ちゃんが、ずーっと消えません。
パンフレットに書かれていましたが、事件を知ること、忘れずにいること、彼女の痛みをわかちあうこと、彼女の尊厳を守ること、そんな強い意思が、河合さんが、杏ちゃんを演じることに全身全霊で関わっていらしたんだな、と思いました。
思い出しても涙が出てきます。

そして、もっとひどい現実がどこかで起こっているのかと思うと、苦しくて仕方ないです…。

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hkr21

5.0あんのこと

2024年6月21日
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自分もそうだったかも知れない。

狭い世界
そうやって生きてきてしまった家族の正解は
親は子育てのために自分を売り
子供を躾け出来るだけ早くその子も売る
家族は協力し合い生活を繋ぐこと

ある意味間違ってはいない
文化、常識、ルールがちがうだけ
家族の事で他人が立ち入ることは
難しい

この映画に淡々と描かれた事は
多かれ少なかれ
どの家庭にもあることかもしれない

その狭い世界ではそれが普通で
別に自分が不幸だとも底辺だとも
気づいていない

しかし

あることをきっかけに
それは不幸なことになってしまった

そうなったら耐えきれなかった

誰にでも起きること

この映画は「あんのこと」だが
「あんだけのこと」じゃない

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dude

3.5はい!ゴローさん!

2024年6月21日
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川崎のTOHOシネマズのレイトショー。
年季を感じる据えた空気の中で観る
80年かけてゆっくりと
でも確実にぶっ壊された
我らの住む国、日本のお話。

本当の話をベースにした
ノンフィクション寄りのフィクションは
のっけから飛ばす飛ばす。

シャブ食ってキマッてる演技も
バットで不穏になってる演技も
毒親に洗脳されてなす術もなく従う演技も
他人に少しずつ心を開いていく演技も
生きる意味を見つけて目に力が戻ってくる演技も
拠り所を失って放心する演技も
何より自分に絶望する演技も

河合優実マジで凄過ぎる。この一言に尽きる。

毒親の出てくる映画は最近多いけど
ここまで胸糞悪いのはたぶん初めてで
ベスト毒親オブマイライフって感じ。
我が子を「ママ」と呼び執拗なまでに
彼女の人生を壊しにくる様子に
薄気味悪いを超えてシアターから
逃げ出したくなるほどの恐怖を感じた。

河合青葉マジで凄すぎる。この一言に尽きる。

脇を固める俳優陣も上手すぎるから
物語に没入してしまい
主人公の心の痛みをもろに食らって
最後はものすごい喪失感に襲われる。

刑事の二面生には人間の持つ
利己的な部分と利他的な部分の極端なジレンマを
記者の自己保身の言い訳には
このような事実があることを知っていても
ただ傍観しているだけの私たち観客すべてに対して
居心地の悪さを凝縮させてぶつけてくる。

つまりはだ。ゴローさんお前よ!
お前がしっかり杏に寄り添えよ!
お前の記事が居場所を奪ったんだから!
コロナなんて言い訳にならないからな!
死んでからぐだぐだ言っても
それは自己憐憫でしかないんだよ!
まじで!頼むよ!お前のせいだよある意味!

そしてそうならない人生で良かったと思う
私を含めた観客も最低なんだよな…
どうしたら良いのかは全然わからないから
とりあえず投票に行こう。

というわけで
お金払って嫌な気分になるのは
本当に意味がわからないけど
劇場公開時に映画館で観る映画以外は全部偽物
って誰かが言ってたので
どんな映画も頭から齧って骨まで残さず
しゃぶり尽くしていこうと思った次第。

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きーろ

5.0保険証が無いんだよ

2024年6月21日
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悲しい

難しい

保険証が無いとか、定職が無いとか、そんな家族が同じ国、同じ時代に生活してる事すら意識せずにのほほんと暮らしてる

コロナで雇い止めになった人も沢山いたはずなのに
日常が戻ったらすぐ記憶が風化して忘れてく

身近に杏がいたら多々羅や桐野みたいな対応できるかな

できないだろうな。

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imaikiteru

4.0ずっしり重たい

2024年6月20日
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生まれてくる親は選べない。
自分は恵まれてると再認識して両親に感謝したい。
自分の子ども達にも感謝して貰いたいですが、まだそんな事考える歳じゃないか。

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やまぼうし

3.0もっと離れた街へ逃げないとね

2024年6月20日
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単純

よく知っている赤羽近辺が舞台になっていてへえと思うのだが、貧困家庭で母親に虐待され続け12歳で売春させられ覚せい剤に溺れる21歳の女性がなんとか親から逃げて立ち直ろうとするもうまくいかなくてもがき苦しみでもけなげに抗い困難を乗り越え希望が見えたかという矢先にコロナで解雇され…というとことん悲惨で救いのないまるで映画のように馬鹿げたお話なんだけれど2020年の6月に起きた実話を基にしていてあなたの身近なところにも似た境遇の子は存在していますよという訴えかけがタイトルに込められているらしくよくこのテーマを真正面から撮り切ったなと感嘆するが何故に彼女を更生に導く重要な刑事役が佐藤二朗なんだろうか?以前「八つ墓村」で渥美清演じる金田一耕助を見た時と同様に申し訳ないけれどもクライマックスで彼の熱の入った演技が真剣になればなるほど笑かそうとしているようにしか見えなくて困った。導入のシーケンスでコミカルな佐藤的アドリブを許容しているだけに単にキャスティングミスだけではなく演出的にも失敗であろう。問題はあまりにも鬼畜の母親だが彼女が何故こうなってしまったのかをほんの少しでも描いてもらわないと受け入れることはできない。

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たあちゃん

4.0良いけど自分には合わなかった

2024年6月20日
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映画としてはよくできているんだけど、こういう映画は自分には合わなかったです。

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弁太

4.5親ガチャ

2024年6月19日
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泣ける

悲しい

難しい

平日に新宿は朝から満員御礼
河合優実を観に行ったというのが正直なところ
実話からの脚色のようですが、
あんの壮絶な人生に何回か感情移入してしまった
DV、売り、不登校、介護、育児放棄、コロナとさまざまな社会課題を扱い
かなり役作りが大変だったのでは
佐藤二朗の変わり者刑事は救いではあったが…
吾郎ちゃんは最初の方は何をやっているのかよくわかわらなかったけど…
コロナのせいではないけど、コロナがきっかけで人生がおかしくなった人って
結構いるんじゃないかって思っちゃいましたね
親は選べないけど、前向きに生きる意志は持っていたいですね

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かちかち

2.5陳腐で平凡な作品

2024年6月19日
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映画の作品として評価するなら2.5ぐらいが妥当。映像表現も役者のことばも深みやひろがりに欠ける。一部「性犯罪を追及するマスコミ」を問題視するセリフを役者に吐かせており、エンドロールに「スマイルカンパニー」の社名を見たときには良からぬ事を考えてしまいました。

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しん

5.0当代No.1女優・河合優実!!

2024年6月19日
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演技には3種類あると思う。
現実では見られないほどの人の深淵を描いてみせる真実の演技。
感心するほどのスキルを駆使して上手に吐く嘘の演技。
非常にリアルで等身大だが現実生活の形状記憶の様な演技。
この作品にも3種類の役者さんが出てくるが、
もちろん河合優実さんの演技は一番最初のタイプだ。
もちろん三つに甲乙つけるつもりはない。
でも、
本編鑑賞中ずっと、主人公の女性の人生を
身につまされる様に見入って胸を締め付けられた。
杏の一挙手一投足に手に汗握って応援していた。
今年No.1の演技だと思う!

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flushingmainst

3.5当たり前の子ども時代がなくなるということ

2024年6月18日
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子どもが育った家で大事にされて大人になるのは当たり前のことなのに。
子ども時代から子どもでいられなかったなら、どんな大人になれというのか。
大人が子どもを守るは常識だけど、それが理解できない残念な人達もいる。

環境にも運にも恵まれなかった中で、一番難しい努力は自ら変化を望むことだと思う。
毒母にあらゆる成長を阻まれながらも、優しさを失わずに健気に生きてた彼女にどこまで苦難を押し付けるのか、目を背けたくなるような酷い現実だった。

子どもをモノ扱いする親は親ではない。
そしてその環境から助け出してくれた人の別の面を知ると、優しさの全てがグルーミングの一環だったかもと不安にもなる。
こんな環境にいたら大人が信じられなくなるに決まってるし、その子が大きくなったらどんな大人になるのかも想像に難くない。

数日前に『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』を観た所だったので、見ず知らずの子どもの未来を守ろうとする人がいる一方、自分の子すら大事に出来ない人もいることにとても胸が痛む。
皆んなが自分の子を精一杯大事にできたら世の中は違ってくるだろうに。

あんはきっとまだ他にもいるのだろう。
せめて助けを求める声をあげることだけでも出来るといいのに。

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icco

2.0「実話を映画にすることの意義」から逃げている作品

2024年6月18日
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悲しい

いわゆる実話系露悪的胸糞ムービーなのだが見終わった後、率直な感想として「何のためにこの映画を撮ったのか?」が残った。

同じようなジャンルでやまゆり園の障害者殺傷事件を扱った「月」があるがあれには障害者を取り巻く現状はこのままで良いのか? という痛切かつ実直な、批判されることも覚悟の上で放ったメッセージがあった。(事実監督は批判も受けることになった)

実際の事件を題材にする時、そこには絶対メッセージ性が無いといけないと思う。でないとそれは単なるセンセーショナルさを狙った搾取になってしまうから。

「あんのこと」はあんの身に悲劇に次ぐ悲劇が起こる。その様はとても哀れで主人公に感情移入してしまう。しかしながら見終わってもその可哀想だという感情しか残らない。

多々羅しかり桐野しかり終始正義と悪は表裏一体である的な描き方で誰も聖者にも悪者にもせず、 あんからすべてを奪ったあの過剰すぎたコロナの狂騒すら悪とは断罪できず、中立に中立を重ねたような描写の中でどこまで実在の存在なのかも分からないあんの母親に「毒親」 という分かりやすい流行りのキャラ付けをして悪役の全てを背負わせる。 最後まであんを殺したのは誰かなのか、何が悪いのかをきちんと描かない。ゆえに何もメッセージ が残らない。

しかしこういう実話系露悪的胸糞ムービーには他ジャンルには無い力がある。それは「誰もが目を背けるこんな酷い現実に敢えて目を向ける私はなんて立派な人間だろうか」と観客が気持ちよくなれる"力"だ。見終わった後放心してしまった。ずっとあんのことを考えています。もしかしたらあんを殺したのは私達の無関心なのかも知れない。なんて自意識に塗れた感想を書くにはうってつけの映画であると思うし、うっかりそれ自体がメッセージであると勘違いさせられてしまうほどの力がある映画とも思う。

でもそれは何も描いてないのと同じだ。これが実在の事件から生まれた映画だというならもっと誠実な向き合い方があったと感じる。

もう少し具体的に内容に言及するなら多々羅があまりに後半のドミノ式悲劇を生み出すための装置でありすぎた点も気になった。これを含め後半は観客の可哀相という感情を生み出すためのご都合主義が多かったように思う。逆に良かった点はブルーインパルスの 使い方だ。ただそこでもう一歩踏み込んだ描写が出来なかったのはとても残念だった。入江監督は「月」 の石井監督のようにたとえリスクを負ってでも"誰が悪いのかを描く事"は出来なかった。逃げてしまったのだ。

単なる一作品として見れば主演の演技は素晴らしく、よく出来た中立性を担保した悲劇エンタメドラマだ。ただそこに「これは実話です」とテロップを入れるのであればそうそう評価はできない。それくらいその言葉は重いということを理解しておいてほしい。

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狐色

3.5可哀想に…

2024年6月18日
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コロナ禍において弱者から見捨てられていった典型って感じ。
サルベージが閉鎖になっても他に受け皿があったと思う。人との縁を断ち切られ…状況が状況だけに手を差し伸べることが出来ない。可哀想…この子、ほんと可哀想。

子供を預けて逃げたあの母親、なんかムカつく。杏の母親と同じにおいがする。

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Oyster Boy

5.0もう。。。やだ。。。人間

2024年6月17日
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鑑賞方法:映画館

ここまで観るものを追い込みますか?
ってくらいに徹底的に描いてくれます。
本作は観るものに逃げ道を用意してません。
だからしっかり受け止める覚悟で鑑賞
してほしいです。

ベースの事実があるとのことですから
このような方たちがいるのでしょう。
僕は同じ経験をしていませんし、近しい
人々にも見当たりません。

けど、世の中のどこにでもあるであろう
「〇〇のこと」
多くの実例の中のひとつ・・・とでも言いたい
様な題名。
けど、まさに当り前のようにあるのでしょうね。

だからこそつらいし、何ができるわけでも
ない自分が切ないし、
「どうしてそうなっちゃうの?」
という非建設的な問いを空虚に投げかけて
終わってしまう。

けど、知らないより知っておくべき。
だって、やっぱり何かできる大人で
ありたいし、子供のための大人で
あり続けたいと思うのです。

寄り添える人がいる限り
きっと人はまっすぐになっていける
と思うのです。

以前からファンの河合さん。
素晴らしい演技でした。もうね、
こんなに感情かき乱されたのは
彼女の演技で見せられた人間の
光と闇のせいです。

辛いですが、おすすめです。

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バリカタ

4.0異常事態×異常事態

2024年6月17日
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鑑賞方法:映画館

最近は珍品が多めだった入江悠監督。久々の"らしい"映画の登場に歓喜でございました。いや、歓喜する類の映画ではないのであまりはしゃぐのもアレなのだが、ハード過ぎる内容のわりに胃もたれしない作りに「さすがだな」なんて思ったものでついつい勢いで書き殴ってしまいました。
そもそもの"異常"な状態に追い討ちの様な"コロナ禍"。私自身、転職の時期であり「台風で頓挫→コロナ禍突入」のダブルコンボだったので心身共に苦しかったのを今でも手触りのある位には覚えておりまして。だもんで後半の展開はホントに苦しかった。それでも"光"はあったのだろうけれども目の前すら見えなくなる感覚。凄く良くわかります。是非とも一度体感して頂きたい皆のそばにある世界。敏感であり丁寧でありたいと強く思いました。

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lynx09b
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