あんのことのレビュー・感想・評価
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あんのこと
自分もそうだったかも知れない。
狭い世界
そうやって生きてきてしまった家族の正解は
親は子育てのために自分を売り
子供を躾け出来るだけ早くその子も売る
家族は協力し合い生活を繋ぐこと
ある意味間違ってはいない
文化、常識、ルールがちがうだけ
家族の事で他人が立ち入ることは
難しい
この映画に淡々と描かれた事は
多かれ少なかれ
どの家庭にもあることかもしれない
その狭い世界ではそれが普通で
別に自分が不幸だとも底辺だとも
気づいていない
しかし
あることをきっかけに
それは不幸なことになってしまった
そうなったら耐えきれなかった
誰にでも起きること
この映画は「あんのこと」だが
「あんだけのこと」じゃない
はい!ゴローさん!
川崎のTOHOシネマズのレイトショー。
年季を感じる据えた空気の中で観る
80年かけてゆっくりと
でも確実にぶっ壊された
我らの住む国、日本のお話。
本当の話をベースにした
ノンフィクション寄りのフィクションは
のっけから飛ばす飛ばす。
シャブ食ってキマッてる演技も
バットで不穏になってる演技も
毒親に洗脳されてなす術もなく従う演技も
他人に少しずつ心を開いていく演技も
生きる意味を見つけて目に力が戻ってくる演技も
拠り所を失って放心する演技も
何より自分に絶望する演技も
河合優実マジで凄過ぎる。この一言に尽きる。
毒親の出てくる映画は最近多いけど
ここまで胸糞悪いのはたぶん初めてで
ベスト毒親オブマイライフって感じ。
我が子を「ママ」と呼び執拗なまでに
彼女の人生を壊しにくる様子に
薄気味悪いを超えてシアターから
逃げ出したくなるほどの恐怖を感じた。
河合青葉マジで凄すぎる。この一言に尽きる。
脇を固める俳優陣も上手すぎるから
物語に没入してしまい
主人公の心の痛みをもろに食らって
最後はものすごい喪失感に襲われる。
刑事の二面生には人間の持つ
利己的な部分と利他的な部分の極端なジレンマを
記者の自己保身の言い訳には
このような事実があることを知っていても
ただ傍観しているだけの私たち観客すべてに対して
居心地の悪さを凝縮させてぶつけてくる。
つまりはだ。ゴローさんお前よ!
お前がしっかり杏に寄り添えよ!
お前の記事が居場所を奪ったんだから!
コロナなんて言い訳にならないからな!
死んでからぐだぐだ言っても
それは自己憐憫でしかないんだよ!
まじで!頼むよ!お前のせいだよある意味!
そしてそうならない人生で良かったと思う
私を含めた観客も最低なんだよな…
どうしたら良いのかは全然わからないから
とりあえず投票に行こう。
というわけで
お金払って嫌な気分になるのは
本当に意味がわからないけど
劇場公開時に映画館で観る映画以外は全部偽物
って誰かが言ってたので
どんな映画も頭から齧って骨まで残さず
しゃぶり尽くしていこうと思った次第。
保険証が無いんだよ
もっと離れた街へ逃げないとね
よく知っている赤羽近辺が舞台になっていてへえと思うのだが、貧困家庭で母親に虐待され続け12歳で売春させられ覚せい剤に溺れる21歳の女性がなんとか親から逃げて立ち直ろうとするもうまくいかなくてもがき苦しみでもけなげに抗い困難を乗り越え希望が見えたかという矢先にコロナで解雇され…というとことん悲惨で救いのないまるで映画のように馬鹿げたお話なんだけれど2020年の6月に起きた実話を基にしていてあなたの身近なところにも似た境遇の子は存在していますよという訴えかけがタイトルに込められているらしくよくこのテーマを真正面から撮り切ったなと感嘆するが何故に彼女を更生に導く重要な刑事役が佐藤二朗なんだろうか?以前「八つ墓村」で渥美清演じる金田一耕助を見た時と同様に申し訳ないけれどもクライマックスで彼の熱の入った演技が真剣になればなるほど笑かそうとしているようにしか見えなくて困った。導入のシーケンスでコミカルな佐藤的アドリブを許容しているだけに単にキャスティングミスだけではなく演出的にも失敗であろう。問題はあまりにも鬼畜の母親だが彼女が何故こうなってしまったのかをほんの少しでも描いてもらわないと受け入れることはできない。
親ガチャ
陳腐で平凡な作品
当代No.1女優・河合優実!!
当たり前の子ども時代がなくなるということ
子どもが育った家で大事にされて大人になるのは当たり前のことなのに。
子ども時代から子どもでいられなかったなら、どんな大人になれというのか。
大人が子どもを守るは常識だけど、それが理解できない残念な人達もいる。
環境にも運にも恵まれなかった中で、一番難しい努力は自ら変化を望むことだと思う。
毒母にあらゆる成長を阻まれながらも、優しさを失わずに健気に生きてた彼女にどこまで苦難を押し付けるのか、目を背けたくなるような酷い現実だった。
子どもをモノ扱いする親は親ではない。
そしてその環境から助け出してくれた人の別の面を知ると、優しさの全てがグルーミングの一環だったかもと不安にもなる。
こんな環境にいたら大人が信じられなくなるに決まってるし、その子が大きくなったらどんな大人になるのかも想像に難くない。
数日前に『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』を観た所だったので、見ず知らずの子どもの未来を守ろうとする人がいる一方、自分の子すら大事に出来ない人もいることにとても胸が痛む。
皆んなが自分の子を精一杯大事にできたら世の中は違ってくるだろうに。
あんはきっとまだ他にもいるのだろう。
せめて助けを求める声をあげることだけでも出来るといいのに。
「実話を映画にすることの意義」から逃げている作品
いわゆる実話系露悪的胸糞ムービーなのだが見終わった後、率直な感想として「何のためにこの映画を撮ったのか?」が残った。
同じようなジャンルでやまゆり園の障害者殺傷事件を扱った「月」があるがあれには障害者を取り巻く現状はこのままで良いのか? という痛切かつ実直な、批判されることも覚悟の上で放ったメッセージがあった。(事実監督は批判も受けることになった)
実際の事件を題材にする時、そこには絶対メッセージ性が無いといけないと思う。でないとそれは単なるセンセーショナルさを狙った搾取になってしまうから。
「あんのこと」はあんの身に悲劇に次ぐ悲劇が起こる。その様はとても哀れで主人公に感情移入してしまう。しかしながら見終わってもその可哀想だという感情しか残らない。
多々羅しかり桐野しかり終始正義と悪は表裏一体である的な描き方で誰も聖者にも悪者にもせず、 あんからすべてを奪ったあの過剰すぎたコロナの狂騒すら悪とは断罪できず、中立に中立を重ねたような描写の中でどこまで実在の存在なのかも分からないあんの母親に「毒親」 という分かりやすい流行りのキャラ付けをして悪役の全てを背負わせる。 最後まであんを殺したのは誰かなのか、何が悪いのかをきちんと描かない。ゆえに何もメッセージ が残らない。
しかしこういう実話系露悪的胸糞ムービーには他ジャンルには無い力がある。それは「誰もが目を背けるこんな酷い現実に敢えて目を向ける私はなんて立派な人間だろうか」と観客が気持ちよくなれる"力"だ。見終わった後放心してしまった。ずっとあんのことを考えています。もしかしたらあんを殺したのは私達の無関心なのかも知れない。なんて自意識に塗れた感想を書くにはうってつけの映画であると思うし、うっかりそれ自体がメッセージであると勘違いさせられてしまうほどの力がある映画とも思う。
でもそれは何も描いてないのと同じだ。これが実在の事件から生まれた映画だというならもっと誠実な向き合い方があったと感じる。
もう少し具体的に内容に言及するなら多々羅があまりに後半のドミノ式悲劇を生み出すための装置でありすぎた点も気になった。これを含め後半は観客の可哀相という感情を生み出すためのご都合主義が多かったように思う。逆に良かった点はブルーインパルスの 使い方だ。ただそこでもう一歩踏み込んだ描写が出来なかったのはとても残念だった。入江監督は「月」 の石井監督のようにたとえリスクを負ってでも"誰が悪いのかを描く事"は出来なかった。逃げてしまったのだ。
単なる一作品として見れば主演の演技は素晴らしく、よく出来た中立性を担保した悲劇エンタメドラマだ。ただそこに「これは実話です」とテロップを入れるのであればそうそう評価はできない。それくらいその言葉は重いということを理解しておいてほしい。
もう。。。やだ。。。人間
ここまで観るものを追い込みますか?
ってくらいに徹底的に描いてくれます。
本作は観るものに逃げ道を用意してません。
だからしっかり受け止める覚悟で鑑賞
してほしいです。
ベースの事実があるとのことですから
このような方たちがいるのでしょう。
僕は同じ経験をしていませんし、近しい
人々にも見当たりません。
けど、世の中のどこにでもあるであろう
「〇〇のこと」
多くの実例の中のひとつ・・・とでも言いたい
様な題名。
けど、まさに当り前のようにあるのでしょうね。
だからこそつらいし、何ができるわけでも
ない自分が切ないし、
「どうしてそうなっちゃうの?」
という非建設的な問いを空虚に投げかけて
終わってしまう。
けど、知らないより知っておくべき。
だって、やっぱり何かできる大人で
ありたいし、子供のための大人で
あり続けたいと思うのです。
寄り添える人がいる限り
きっと人はまっすぐになっていける
と思うのです。
以前からファンの河合さん。
素晴らしい演技でした。もうね、
こんなに感情かき乱されたのは
彼女の演技で見せられた人間の
光と闇のせいです。
辛いですが、おすすめです。
異常事態×異常事態
最近は珍品が多めだった入江悠監督。久々の"らしい"映画の登場に歓喜でございました。いや、歓喜する類の映画ではないのであまりはしゃぐのもアレなのだが、ハード過ぎる内容のわりに胃もたれしない作りに「さすがだな」なんて思ったものでついつい勢いで書き殴ってしまいました。
そもそもの"異常"な状態に追い討ちの様な"コロナ禍"。私自身、転職の時期であり「台風で頓挫→コロナ禍突入」のダブルコンボだったので心身共に苦しかったのを今でも手触りのある位には覚えておりまして。だもんで後半の展開はホントに苦しかった。それでも"光"はあったのだろうけれども目の前すら見えなくなる感覚。凄く良くわかります。是非とも一度体感して頂きたい皆のそばにある世界。敏感であり丁寧でありたいと強く思いました。
不幸を繋げただけの映画
あんの不幸をこれでもかとツナゲタだけの作品。結局母親が全ての元凶であり、そこをクリアにできない話。しかし、ここで母親を出すために工夫をしているが出会いが不自然。
あんの流されて生きる生き方も感情移入できないし、多田羅のキャラクターや事件は必要なのか?取ってつけたような話にうんざりする。いっそ教祖の話にしてそこから抜け出せない弱者の話にしたほうが絶対に面白い。
演出も悲しいシーンを連続させれば感動を呼ぶと狙ったているが逆に飽きてします。
早見あかりのは母親が最後に救いの言葉で終わるがこれも取ってつけたセリフで全くおもしろくない。
海外映画祭を目的にしたらしい本作だが、まぁ無理だと思う、早々公開したと理由がわかるので
河合優実の実在感
冒頭のテロップに続き、眼の下に濃いクマを作った河合優実のアップを見ただけで、この作品の作り手たちの気迫のようなものが伝わってくる。
河合優実は、表情だけでなく、話し方、字の書き方など、仕草の一つ一つで、確かにこの少女がこの社会に存在した、という説得力を与えている。かつての女子高生イメージから、憑依型女優に進化して、本当に凄い。
佐藤二朗は、彼ならではの独特の味わい。稲垣吾郎は、本作では印象が薄いが、このところ個性派監督作品への出演が続いている。圧巻なのは、河井青葉。例えるなら、彼女も出ていた「愛しのアイリーン」での木野花のような衝撃。
この種の作品では逆に珍しいが、薬物依存症の回復支援や、夜間中学、DV被害者用シェルターなどの社会システムがちゃんと描かれているが、これは実話に即しているからだろうか。
しかし、そうした繋がりを断ち切るコロナ禍。苦境に立ったミニシアター支援のために自主映画を製作したことのある入江悠監督の、「コロナ忘れてなるものぞ」という強い思いも感じさせられた。
ある薬物中毒者の更生体験ムービーかと思ったら
2024年劇場鑑賞145本目。
結構自分の知らないお仕事の体験ムービーというジャンルが好きで、これも仕事ではないけど薬物中毒の人がどういうプロセスを経て更生していくのを追体験する映画なのかな、と観ていたのですが、佐藤二朗演じる刑事のせいでややこしくなってくるんですよね。事実を元に作られた映画ということでどこまでが事実か調べたのですが、順序が逆になっている部分はあるものの、基本的に全部本当にあったことのようです。さすがに真面目にやっている人がフィクションでああいうことをやったとされたらそりゃ名誉毀損ものですものね。
佐藤二朗はコメディでツッコミをやるのが一番輝くのは間違いありませんが、モラルに欠けている人情派という難しい役をうまく演じていたと思います。人のために熱く動きながらタバコのポイ捨てはする、そこらにツバをはきまくるなど、これが後の伏線になっていたのかもしれませんが。
河合優実の演技は見事だが?
重い。言葉が出ない。観た後に感じた事である。
やっと観る事ができたあんのこと。
予想以上に重い作品だった。
言葉も出ないし、色々考えさせられた。
あん役の河合優実の演技が素晴らしかった。よく、難しい演技をこなした。
桐野役の稲垣吾郎、多々良役の佐藤二郎の演技も良かった。ラストは少しあんにとって希望があった気がした。
ただ、この作品はガチのノンフィクション。ちょっとフィクションの要素も入れて良かったのではと個人的に感じたし、新型コロナウイルスがポイントならもう少し強調しても良かった。
2024年上半期ベスト10には入れたい。ただ、物足りなさも残った。期待していただけに。
河合優実はこれからが楽しみな女優になりそう。
暗闇の先の絶望
全384件中、261~280件目を表示








