劇場公開日 2024年6月7日

あんのことのレビュー・感想・評価

全299件中、1~20件目を表示

1.5ヤッパリ観なければよかった。

2024年9月14日
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2024年上半期の邦画で非常に評価の高い作品ということで、果たしてあまのじゃくのオレが見ていい映画かどうか迷ったが。

「あんのこと」



ヤッパリ観なければよかった。すまん。

お客様が入ってなんぼ、という意味では大成功で、この映画は「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」と同じく、その成果にはとても感服する。

おそらく製作陣が意識したであろう、過剰に哀れな描写はしないという姿勢とは全く真逆の演技と生活描写が目につく。一方、今生存している人類が二度と経験しないであろう、世紀のコロナ流行に、対処している団体、自治体は描かれない。

各キャラクターそれぞれに深みを持たせない設定、描写は理解するが、カラオケで「ランナウェイ」を歌わせるには、その意味が唯一見出せるであろう歌詞の一節を歌わせなかったり、あえての浮世離れの役者起用で、存在感を薄く設定したキャラクターが、思いっきり腰から崩れる。

ごみ捨てはできないが、児相に電話でき、本人の都合通り対処できる母。児相がその家を訪れた描写がないのは、あえて省略したのだろう。主人公を追い詰めないといけないので、そんな脱線はできない、ということだろう。

ラストの母子家庭の廊下のワンカットに希望を見いだせた人は、素晴らしい人で、うやましい限り。

面会シーンでいうと、両者ともに「良心もあるが等しくクズ」で、言い訳、言い逃れ、といった自己弁護、罪悪感のぶつけ合い、という意味があるなら、成功しているかもしれないが、当時を舞台にするならば、いっそそこだけはコロナのせい、と言ってしまったほうがよかったような気もする。

といったように、本作の各キャラクターに関して、「なぜ」の理由は要らないとは思うが、彼らの「背景」には「なぜ」そして「なぜそうなったか」の問題提起を匂わす描写、あるいは問いかけは絶対に必要だと思ったが、よけいなことは入れずに、「主人公熱演」、「救いのない」といった感想にあふれる結果となったのだから、大成功ですね。

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しんざん

5.0河合優実は今年を代表する役者

2024年6月30日
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鑑賞方法:映画館

いつもの入江監督のスタイルとは異なるテイストの作品に仕上がっている。できるだけ監督自身の采配を芝居に入れずに観察・記録に徹するようなやり方を今回は選択している。そのやり方が成立するのは、役者への信頼ゆえだが、その信頼に120%役者たちが応えている。主演の河合優実は本作と『ナミビア砂漠』と『ルックバック』で、今年を代表する俳優となると思うが、本作の鬼気迫る芝居は観る人全てをくぎ付けにする。非常に辛く悲しい物語を現実感ある手触りで描いた作品なので、見るのがしんどいと感じる人はいるだろうが、それでも目をそらさせないだけの芝居を彼女がやってのけたおかげで、観客はこの理不尽な現実を受け止めるしかない。
佐藤二朗も善人とも悪人とも決めかねる存在を見事に演じているし、稲垣吾郎の週刊誌記者役もじつにはまっている。母親役の河井青葉もすごい。
実話をベースにしているが、映画のアレンジも加えている(早見あかり関連のシーン)。現実を捻じ曲げたいからではなく、現実の理不尽さを際立たせて伝えるために的確なアレンジだったと思う。この現実にあった理不尽のその本質は何かを真剣に考えたからこそ、生まれたアイディアだったと思う。

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杉本穂高

4.0目を開かせ、意識を突き動かす秀作

2024年6月26日
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鑑賞方法:試写会

あんの人生は過酷だ。その少なからず痛みを伴う物語を、いかなる語り口で観客に伝えるか。作り手の腕の見せどころはそこにあるわけだが、本作は巧みにハードルを超え、観客の心を一度掴むと離さない。彼女の人生に触れると誰もが他人事ではいられなくなる。この子が少しでも前へ進めますように。ささやかなれど確実な幸せが訪れますように。そう切に思わせるのが河合優実という人の凄さだ。加えて、佐藤二朗や稲垣吾郎演じる役柄が存在感を添える。すべての人が敵ではない。彼女を守ってくれる人はこの世に存在する。そう思える、信じられる幸福。ただし、この映画はやがて意表突く展開を提示すると共に、誰しもが経験したコロナ時代を無慈悲に突きつける。せっかく積み上げてきたものが音なく崩れ落ちていく無念さーーー。我々は日々、どれほど多くの声なき声や慟哭に気付かぬまま生きているのだろう。閉じた目を開かせ、視野を広げ、意識を突き動かす秀作だ。

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牛津厚信

4.5コロナ禍の“日本人像”を記憶にとどめる営み

2024年6月11日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

どちらかといえば娯楽作の印象が強い入江悠監督が脚本も兼ね、コロナ禍である若い女性の身に起きた実際の出来事に着想を得て映画化した、真摯で重苦しい社会派ドラマだ。近年の邦画では、時代背景と人物らの設定で近い部分が多いのは2021年の石井裕也監督作「茜色に焼かれる」だろうか。またコロナ禍とは直接関係ないものの、2020年の大森立嗣監督作「MOTHER マザー」、2023年の工藤将亮監督作「遠いところ」なども社会の底辺でもがく人々の可視化を試みた点で共通する。

本作の杏のように家庭環境に恵まれず社会経験も積めないまま困窮している人々に手を差し伸べる人も、支援する制度や組織もあるにはある。そうしたセーフティネットの脆弱さがコロナ禍によって露呈した面は確かにあったが、すべてをコロナのせいにするのもきっと違うのだろうと、本作を観て痛感させられる。長いものには巻かれる(上が決めたことには異を唱えず従う)、都合の悪いことや面倒なことは見て見ぬふりをしてやり過ごすといった日本人に染み付いた傾向のせいで、想定外の天災に直面して社会的な機能不全を起こし、結果として杏のような存在を追い込んでいったのではないか。

映画鑑賞後にモデルになった女性や出来事に関心を持った方は、「ハナ(仮名) コロナ 朝日新聞」で検索すると2000年6月の記事が見つかる(有料記事のため無料で閲覧できるのは一部のみ)。本作を観る前に記事を読むとネタバレになるので要注意。河合優実の熱演も含め、「あんのこと」を、そしてハナさんのことを忘れるべきではないし、日本人の脆さと弱さを自問し続けなければならないと思う。

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高森 郁哉

4.0起伏のない人生

2024年11月17日
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鑑賞方法:VOD

なんてないのだけれど、その出発点である出自は大きな影響を与える。
な〜んてことは頭で理解しているのだけれど、「理解しているだけでしょ、知らないでしょ」って迫ってきた。
ハッピーエンドに慣れすぎた私に棘が刺さってしまった。

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ピッポ

3.0実話を元にしたストーリー

2024年11月17日
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鑑賞方法:VOD

オチはない。
とても残念な結果で悲しい。
刑事がいたから救われたし、前に進むことが出来て
少しの間だけでも人間らしく生きられてよかった
色々なことが悪い方に向かってしまって残念だ

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千恵蔵

3.0正直入り込めなかった・・

2024年11月7日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

佐藤さんがどうしても勇者ヨシヒコやバラエティの印象が強く真面目な演技されてても気持ちが入り込めなかった。
主役の女優さんはそういう人なのかなって錯覚するほど演技が良かっただけにそれが残念。

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メモリー

4.0見てよかった

2024年11月4日
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鑑賞方法:その他

悲しい

Amazonプライムで視聴。
実話なんですね、、、。
見てよかったです。知ってよかったです。
モデルとなった方が天国で辛い思いをしていないことを願います。

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よ

4.0社会が殺めた命

2024年10月29日
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鑑賞方法:VOD

どこかで、
誰かが、
ストッパーになれなかった。
今の日本の社会が殺めたその命の事を、
忘れない。
言い方は悪いかもしれないが、
どん底だと思っている自分の状況のはるか上を行く境遇で生きている人がいた事を忘れない。

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上みちる

5.0コロナ禍の重すぎる代償

2024年10月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

2020年。あんは生きていた
あの頃までは生きていた。

突きつけられる現実はあまりにも痛ましく
そして生々しくてグロテスクだった

私達が生きたコロナ禍
もう遠い過去のようにすら思えるコロナ禍

感染症対策の為に様々なサービスが取り止められ
人と人との交流が寸断され
どれだけの人が苦しんで傷ついて追い込まれて命を絶っていったのか

そんな事を思うと
言葉に起こす事すら苦しい位に辛い

あんは確かに生きていた
自分の人生を生きようとしていた

決して褒められるほどではないが
不器用ながらも熱意ある大人に支えれれて更生し
高齢者に優しく接し
幼児を育て、見守り
少しずつ、でも確実に人間性を取り戻していた

そんな矢先の悲劇
誰にも止められなかった悲劇
これが現実かと思うと落胆する

でもこの事実を風化させたくはない
僕らが生きたコロナ禍を亡き者にしてはいけない
懸命に生きようとした命が、決して無駄ではなかったと思いたい

その為にもこの作品をもっともっと多くの人に見てもらい
あの頃に思いを馳せてほしい
そして、今も苦しむ多くの人に目を向けるきっかけにしてほしい
そう思った

ラーメン屋のカウンターに座っていた時の笑顔が懐かしい

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ジョイ☮ JOY86式。

3.5実話ということ

2024年10月26日
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鑑賞方法:VOD

何のメッセージ性もなく、淡々と、絶望的な映像が続く。辛くて辛くて。よく最後まで見れたと自分でも思うが、これが実話ということがまさしくメッセージなのだろう。こういう子がいた。いや、いる。現在も確実に。ほんとかよ、と思うことが実際に起こっている。現代の日本の行政、自治体、支援団体を思う。それにしても河井優実はどこまでいってしまうのか。この子はやばいぞマジで。。

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いつこ

4.0この事実から目を背けるな!

2024年10月26日
Androidアプリから投稿

目を背けたくなるような辛い出来事の連続。
小学生の頃から毒親にコントロールされ体を売らされクスリでボロボロになっていく杏は、確かに現実にいたし、今も同じような少女があちこちにいるのかもしれない。
型破りな善人か悪人か分からない警察官も今も全国にいるのだろう。

見たくないものを見ないのではなく、無理して見るのでもなく、杏のことを見つめてしまう。
目が離せなくなり、やがて応援し、目が釘付けになるのは河合優実や佐藤二朗の魅力や演技の力も大きい。

薬物を絶つ努力を積み重ね、光の兆しが見えてきたところからの全ての崩壊。
コロナ禍の始まりが大きく影響をしているとはいえ、こうなったのはそれだけじゃない。
杏のこともその母親のことも国も行政も周りの人も誰も助けてあげられなかった。
この映画はそんな罪悪感を観るものに、突きつけ、試してくる。

母子家庭の無責任な母親に他人の子を託された時の杏の懸命なお世話ぶりが胸を打つ。
子供が食べられない食べものを書いたノートの燃え残りの紙片が涙を誘う。
杏が普通に恋をして好きな人の子どもを産んでオムツを替え、公園で子どもと遊ぶ、そんなささやかな幸せのある未来が来なかったことが悲しい。

いつまでも余韻に浸ってしまう。唐突に居なくなることで、杏は永久に観るものに罪悪感ややるせなさを感じさせたのだ。
そのチクチクした感情を鑑賞後にどう消化する?

重苦しく辛い映画だったという感想とするのか、自分のいる世界の目を背けていた現実の部分として、きちんと受け止めて背筋を伸ばして生きていこうという感想になるのか。

この映画は観るもののリトマス試験紙となる。自分の心根が試されるのだ。

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momo

3.5なんとも

2024年10月25日
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気持ちが沈む映画でした
救いがなさすぎて…
周りにいる人は大事だと再認識できる
こういった内容を映像にするのは難しいはずなのに映像、キャスト皆さんが自然すぎて没入感すごかったです
観終わったあとは虚無

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ビタミン

4.0“めちゃくちゃいい人”に巡り会えるだけでは彼女の世界は変わらない

2024年10月23日
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鑑賞方法:映画館

コロナ初期のあの頃を、「そんな時期もあったね」と思えるのは特権。当時そしてもちろん今もギリギリのところで生きている人はたくさんいて、そんな人たちをその淵から突き落とすには、あの時期はあまりに十分なこと。

虐待やネグレクトをしてしまう親に、自身も幼少期に同じことを受けて育ったというのは少なくないケースだけれど、彼女がお年寄りや子どもなど自分より弱い人と接する姿には、母親から植え付けられた負を断ち切れるだけの強さがあるように見えたのがつらかった。

映画や小説などの創作物を数多く見ていると、この人に出会ってくれてよかったと思うような「まじでめちゃくちゃいい人」って結構いて、本作でいえばあの2軒目の介護施設の社長がそうだけど、ああいう人って一人じゃだめなんたな。足りないんだなあ

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sakura

3.0大人って

2024年10月21日
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悲しい

役に立たない

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ぎょうざ

3.5救えなかったのか

2024年10月16日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

しょっぱなから売春や麻薬、母親の虐待といった観るには苦しい内容。やがて少しずつ心が開放されるシーンとなり、明るい色が見えてきた最中、残念な結果に。
21歳の香川杏さん、決して弱いわけではなくとても優しく強い方。
世の中のこうした環境におかれてる人たちをもっと正面から向き合ってどうにか助けてあげるべきだ。手を差し伸べてそばに居てあげられる人が必ず必要なのです。

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小雨

5.0こう言う映画を見ると、自分も 一歩間違ったら、同じように なってい...

2024年10月13日
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こう言う映画を見ると、自分も
一歩間違ったら、同じように
なっていたかも、もしくは今後も
なりうるかもしれないとつくづく
思います。
そして、そんな方が世の中には
たくさん居ると思う。
私は、世の中捨てたものじゃないな
と思えたし、少しずつ自分の存在価値を
見出せるようになった。
子供を産んでより一層そう思えたし、
それこそコロナ禍では子供の存在が
なによりも支えになった。

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まりな

4.0絶望から立ち直るには灯台のような人間が必要

2024年10月12日
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鑑賞方法:VOD

クソ親の元、希望も何もないどころか我が娘に売りで稼がせて親らしい事など何もしてもらってない10代が落ちるのは容易い。
やっと出会った刑事と言う微かな灯火、まさしく灯台に出会えて真っ当な生活が始まったが灯台を失い再度絶望感を味わう。
人は一人では行きて行けない、だからこそ周りの人間との関わりが必要で、それにより何かをすることで自分に返ってくる。それが助けであったり、支えであったり、希望と言えるものであったり、様々な感情が芽生える事で感情豊かになって素敵な人間になるのだろう。
劇中でカラオケのシーン、二人の歌にもそういったメッセージを感じた、何かに情熱を注ぐのが人間らしさであり苦しい時は逃げても良いんだと。
世の中にはこういった苦しみの中で行きてる若い人が日本にいることを知らないよりも知っていはほうが優しくなれるかもしれないですね。
未成年の誰もが生い立ちや家族関係に多かれ少なかれ不満があるだろうけど、自分はまだ恵まれてるんだと思い直す事で希望持って行きて行くきっかけになれば良い映画だと思います。

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梅じんの相棒

4.5母と娘の複雑な感情の葛藤

2024年10月12日
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鑑賞方法:VOD

虐待や貧困、薬物依存に苦しむ少女・あんが、救いを求めながらも絶望へと追い詰められていく様を描いています。あんは家庭内暴力を受け、支援者との出会いで一時的に希望を見いだすものの、最終的には救われず、自ら命を絶つ悲劇的な結末を迎えます。

特に母親役の河井青葉さんの演技が圧巻で、娘を売春に追いやり、暴力を振るう冷酷な母親像を見事に体現しています。しかし、その残酷さの裏には、娘を「ママ」と呼ぶなど、彼女自身の未成熟な一面が垣間見え、虐待が世代を超えて連鎖していく恐ろしさを感じさせます。

母と娘の関係を通して、作品は世代間で繰り返される虐待の連鎖の深刻さを浮き彫りにし、観る者に「救い」とは何かを改めて問いかける、心に残る一作です。

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MiMa

4.5やるせない気持ちに

2024年10月9日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

気になっていた作品をアマプラで鑑賞。

鑑賞後はやるせない気持ちに。いい作品だと思うけどなんだか希望がないというか。

佐藤二朗は本当にこういう役が似合いますね。絶対裏でなんかあるだろと睨んだ通りだった。

あと自分の娘のことを「ママ」と呼ぶ母親が最高に気持ち悪かった。

あんちゃんなんとなく昔の石原さとみに似てるって思うのは私だけ?

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cocoまる