あんのことのレビュー・感想・評価
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事件を知ること、忘れないこと
ずーっと考えてる…
どうすれば良かったんだろうって…
記者が刑事の記事を書くのは、至極まっとうだとは思うのだけど…
その後、刑事に変わって、なぜ杏ちゃんをフォローしてあげなかったの???
あんな暴力を振るう母親を実際に目にしているのに、
職場の大人たちは、どうして何かをしてあげなかったの???
と、誰かを責めてしまう自分がいる。
実際は、杏ちゃんの事件が5月で、元刑事の方が逮捕されのが10月だったみたいで、
この現実の時系列だと、やはり、コロナ禍によっての孤立化が大きく、
その他の彼女にしか判らない、いろいろな要因が重なってしまったのかなぁ…。
とは思いましたが、
今回の作品の流れでは、杏ちゃんの悲しい判断よりも、
刑事の逮捕が先に描かれていたので、
いちばんは、コロナ禍が大きな原因だったとしても、
カラオケに行ったり、ゴハンを食べたり、かなり近くで関わっていた大人なのに、
なんで気にかけてあげなかったのか...と、記者の中途半端な関わり方を責めてしまいます…。
また、鑑賞して1週間経ちましたが、河合優実さんの杏ちゃんが、ずーっと消えません。
パンフレットに書かれていましたが、事件を知ること、忘れずにいること、彼女の痛みをわかちあうこと、彼女の尊厳を守ること、そんな強い意思が、河合さんが、杏ちゃんを演じることに全身全霊で関わっていらしたんだな、と思いました。
思い出しても涙が出てきます。
そして、もっとひどい現実がどこかで起こっているのかと思うと、苦しくて仕方ないです…。
あんのこと
自分もそうだったかも知れない。
狭い世界
そうやって生きてきてしまった家族の正解は
親は子育てのために自分を売り
子供を躾け出来るだけ早くその子も売る
家族は協力し合い生活を繋ぐこと
ある意味間違ってはいない
文化、常識、ルールがちがうだけ
家族の事で他人が立ち入ることは
難しい
この映画に淡々と描かれた事は
多かれ少なかれ
どの家庭にもあることかもしれない
その狭い世界ではそれが普通で
別に自分が不幸だとも底辺だとも
気づいていない
しかし
あることをきっかけに
それは不幸なことになってしまった
そうなったら耐えきれなかった
誰にでも起きること
この映画は「あんのこと」だが
「あんだけのこと」じゃない
はい!ゴローさん!
川崎のTOHOシネマズのレイトショー。
年季を感じる据えた空気の中で観る
80年かけてゆっくりと
でも確実にぶっ壊された
我らの住む国、日本のお話。
本当の話をベースにした
ノンフィクション寄りのフィクションは
のっけから飛ばす飛ばす。
シャブ食ってキマッてる演技も
バットで不穏になってる演技も
毒親に洗脳されてなす術もなく従う演技も
他人に少しずつ心を開いていく演技も
生きる意味を見つけて目に力が戻ってくる演技も
拠り所を失って放心する演技も
何より自分に絶望する演技も
河合優実マジで凄過ぎる。この一言に尽きる。
毒親の出てくる映画は最近多いけど
ここまで胸糞悪いのはたぶん初めてで
ベスト毒親オブマイライフって感じ。
我が子を「ママ」と呼び執拗なまでに
彼女の人生を壊しにくる様子に
薄気味悪いを超えてシアターから
逃げ出したくなるほどの恐怖を感じた。
河合青葉マジで凄すぎる。この一言に尽きる。
脇を固める俳優陣も上手すぎるから
物語に没入してしまい
主人公の心の痛みをもろに食らって
最後はものすごい喪失感に襲われる。
刑事の二面生には人間の持つ
利己的な部分と利他的な部分の極端なジレンマを
記者の自己保身の言い訳には
このような事実があることを知っていても
ただ傍観しているだけの私たち観客すべてに対して
居心地の悪さを凝縮させてぶつけてくる。
つまりはだ。ゴローさんお前よ!
お前がしっかり杏に寄り添えよ!
お前の記事が居場所を奪ったんだから!
コロナなんて言い訳にならないからな!
死んでからぐだぐだ言っても
それは自己憐憫でしかないんだよ!
まじで!頼むよ!お前のせいだよある意味!
そしてそうならない人生で良かったと思う
私を含めた観客も最低なんだよな…
どうしたら良いのかは全然わからないから
とりあえず投票に行こう。
というわけで
お金払って嫌な気分になるのは
本当に意味がわからないけど
劇場公開時に映画館で観る映画以外は全部偽物
って誰かが言ってたので
どんな映画も頭から齧って骨まで残さず
しゃぶり尽くしていこうと思った次第。
保険証が無いんだよ
保険証が無いとか、定職が無いとか、そんな家族が同じ国、同じ時代に生活してる事すら意識せずにのほほんと暮らしてる
コロナで雇い止めになった人も沢山いたはずなのに
日常が戻ったらすぐ記憶が風化して忘れてく
身近に杏がいたら多々羅や桐野みたいな対応できるかな
できないだろうな。
もっと離れた街へ逃げないとね
よく知っている赤羽近辺が舞台になっていてへえと思うのだが、貧困家庭で母親に虐待され続け12歳で売春させられ覚せい剤に溺れる21歳の女性がなんとか親から逃げて立ち直ろうとするもうまくいかなくてもがき苦しみでもけなげに抗い困難を乗り越え希望が見えたかという矢先にコロナで解雇され…というとことん悲惨で救いのないまるで映画のように馬鹿げたお話なんだけれど2020年の6月に起きた実話を基にしていてあなたの身近なところにも似た境遇の子は存在していますよという訴えかけがタイトルに込められているらしくよくこのテーマを真正面から撮り切ったなと感嘆するが何故に彼女を更生に導く重要な刑事役が佐藤二朗なんだろうか?以前「八つ墓村」で渥美清演じる金田一耕助を見た時と同様に申し訳ないけれどもクライマックスで彼の熱の入った演技が真剣になればなるほど笑かそうとしているようにしか見えなくて困った。導入のシーケンスでコミカルな佐藤的アドリブを許容しているだけに単にキャスティングミスだけではなく演出的にも失敗であろう。問題はあまりにも鬼畜の母親だが彼女が何故こうなってしまったのかをほんの少しでも描いてもらわないと受け入れることはできない。
社会とのつながりが深まり、世界を新しい感覚でとらえるきっかけになります。
▪️感想
現実にあった話でズシンと重かった。
自分が住む国で同じ時代に、あんのような人がいることをこの映画で知ることができた。
アンダーグラウンドな世界が日常のすぐ近くにある、あんの生きつらさにヒリヒリした。
▪️気づいたこと
序盤では、覚醒剤をやめて社会復帰していくあんの姿が描かれるが、面接や仕事が決まった時、住む場所が決まった時も常に刑事は見守ってくれた。仕事が決まった時に3人で祝杯をあげた時のささやかな喜びはとてもキラキラして、スクリーンに釘付けになった。
あんが、毒親とおばあちゃんを売春で養いながらシャブで気持ちをハイにする毎日から更生していくうちに、あんの内面が変化していったように見えた。受身で人形のような性格から、力強く前に進んでいく性格に変わっていったように見えた。
あんは、介護の仕事で自分が誰かの役に立っていることに社会とのつながりを感じただろうか。隣人から無理に押し付けられた子供の世話は、あんに生きがいを与えただろうか。
あんは自分と社会とのつながりを作るきっかけになった刑事が捕まったことは現実として受け入れたのかもしれない。つながりを断ちたい肉親とは、最後までつながりを断つことができなかったのに、つながりたい人達とは分断されてしまう。あんは、自分と社会がつながっても、すぐにほどけてしまうことに絶望して疲れてまい、死んだ方が楽だと感じたのだろうか。
▪️登場人物について
毒親の存在の痛々しさが、部屋の汚さや娘をママと呼ぶところ、キツイ言葉使いにも感じられた。
新聞記者の接し方は、適度な距離感を保っているように感じた。その分、あんが辛い時に声をかけにくかったのだろう。刑事には頼れたけど記者には頼れなかったのか。
刑事の女性への接し方には序盤から不穏でざわざわしたが、後半に「やっぱりそうか」となった。刑事は性犯罪を犯していたが、聖人ではないところが人間くさく、あんや他の薬物中毒者たちを救いたい気持ちは本気だったように感じた。
▪️おすすめしたい
「あんのこと」は1人の女性の現実を描いた映画です。この映画を観れば、社会とのつながりが深まり、世界を新しい感覚でとらえるきっかけになるので、多くの人に観てほしい、強くおすすめします。
予告で結末は察していたけど・・・。
あまりにせつない。
実話の部分はコロナ禍に親から虐待、売春強要などを受け自〇したという部分のようですが・・・。
正直コロナ対策は過剰過ぎたと思っているのですが、人と人との結びつきがあるからこそ人生というか。不要不急という言葉でどれだけの人々が苦しんだのか。
まあ、これに関してはそれぞれの価値観があるので、それはさておきとして。
本編の多々羅は、あんのことはそういう目では見てなかったのだろうか。
生き生きと薬を止められていることを語っていたみやびや、その他の女性に対して立場を利用して手を出していたと思うと・・・。
録音とかもあるから、陥れたい人物の狂言でもないんだよなあ・・・。
桐野は悔やんでいたけど、救われた女性もいるから難しい・・・。
最後にノートから破ったのが何かと思ったら・・・。
どうやって子供のアレルギー知ったのかな?と思ったけど、最後の希望があの子だったというのが。
見終わった後、しばらくぼーっと座っていたかったぐらい脱力感があった。
積み重ねるということ。あんは生き続ける。
あんが日記に◯をつけて、1日1日逞しくなっていく姿に心打たれる。そんな世界を見せてくれた人を失い、さらに、せっかく積み上げたものをいともたやすくぶち壊す人がいる。あんはいなくなったが、あんを知る人の中に、あんは生き続ける。
社会を直視する114分
冒頭にも注意書きがある通り、「あんのこと」は実話を元にした作品である。河合優実の演技力も然ることながら、演出からテーマまで非常に作り込まれている印象を受けた。
映画でまず脳裏に焼き付くのは、赤い光に包まれたラブホテルでのワンシーンではないだろうか。このシーンはもとより、作中を通じて「光」が象徴的に使われている印象を受ける。あんが実家から逃げ出すシーンでは、明るい公園で彼女を待つ多々羅をあえて暗所から映し、一人暮らしという希望に向かう様子を効果的に描いている。彼女が実家でカーテンを開けるシーンは、暗澹たる環境で何とか希望を見出そうとする彼女の姿勢を象徴しているだろう。こうした「光」による表現は、その明暗を問わず作中の至る所で見つかる。ラストシーンで暗い廊下を光へ向かって歩く母親の姿も、響き渡る赤子の泣き声と相まって、あんの残した一縷の希望だと了承されよう。
光以外の演出も細かい。例えば前半であんがラーメンを食べるシーンでは箸の持ち方が正しくないし、日記を書くボールペンの持ち方も不器用だ。こうした細かい作り込みが、徐々にあんの置かれた境遇に対する創造力を掻き立てる。手持ちのカメラで撮影されるシーンはドキュメンタリーのようなリアリティを出しているし、暴力の生々しさを強調する。随所に現れる交通機関は社会のメタファーとして、ときに無音で、ときに轟音で、社会に対する彼女の心緒を表現しているのだろう。さらに、エンドロールは静かなピアノソロである。映画の商業性のみにとらわれない姿勢には好感が持てる。
映画のテーマは、あえて短絡的に表現すれば「社会派」といったところだ。
リアルに描写される男児のおむつ替えのシーン、水を落とす高齢者介護のシーン、学校で多くの外国人と学びを共にするシーン、どれをとっても年齢や国籍の多様性を強調している。そして、あんは彼女なりに、それぞれの多様な人々へ上手く溶け込み、馴染んできた。しかし、そんな多様な人々が包摂されるはずの社会に、あんは救われなかった。東京五輪を象徴するブルーインパルスが出す灰色の煙は、自分を見放した社会に対する彼女の眼差しそのものといえよう。
この映画を通底しているのは、登場人物の二面性である。
薬物中毒だったあんは、カラオケやラーメン屋で普通の大学生かのように無邪気な笑顔を見せ、多々羅らを慕っている。多々羅は薬物中毒者を救いながら、サルベージ赤羽を私物化してきた。桐野(稲垣吾郎)は多々羅を質しつつ、後半には自身の行動に対する迷いを見せている。誰をとっても「完全なる善」ではない。こうした人間としての不完全さが、観客へある種の共感を呼び起こし、本作における社会描写のリアリティを一層増していると思われる。
親ガチャ
平日に新宿は朝から満員御礼
河合優実を観に行ったというのが正直なところ
実話からの脚色のようですが、
あんの壮絶な人生に何回か感情移入してしまった
DV、売り、不登校、介護、育児放棄、コロナとさまざまな社会課題を扱い
かなり役作りが大変だったのでは
佐藤二朗の変わり者刑事は救いではあったが…
吾郎ちゃんは最初の方は何をやっているのかよくわかわらなかったけど…
コロナのせいではないけど、コロナがきっかけで人生がおかしくなった人って
結構いるんじゃないかって思っちゃいましたね
親は選べないけど、前向きに生きる意志は持っていたいですね
救えなかったのか?
見る前から暗い映画だと知っていたが、以前に見た映画 関心領域 人間の境界に比べれば、救いがあると思われた。彼女には一緒にカラオケする仲間? ラーメンを食べる仲間がいたから
彼女を救えなかったのか? どこかで 救いあげる事はできなかったのか? 小学校で担任は気がつなかったのか?
やっと 自立できる道を歩もうとしたところに、コロナ禍が始まり、彼女は孤立する。追い討ちをかけるように、隣人から子供を預かり、その事を誰にも相談できず、なんとか子育てをしようとする。健気で純粋で、知恵のまわる大人であれば、児童相談所に電話するだろうが…
最後は絶望し そりゃ~ 絶望するだろう。
私だったら何ができるのか? まず、そういう人たちに気づかない。自分のことでいっぱい いっぱい。
誰か悪いというのは簡単だ。そういう人たちを救うシステムが必要だと思うが どうやって?
困った時、誰にも相談できない、声をあげることすら知らない。助けと言えない。せめて、彼女の声を聞くことが社会をと願う。
心に穴が空いた感じ
一言で言うと救いがない。
分かりやすく上げて落とす流れ。
結局、杏は凄く良い子で周りがダメな大人ばっかだった。
バッドエンドだが不思議と悪い映画とは思えないほど観やすかった。
陳腐で平凡な作品
映画の作品として評価するなら2.5ぐらいが妥当。映像表現も役者のことばも深みやひろがりに欠ける。一部「性犯罪を追及するマスコミ」を問題視するセリフを役者に吐かせており、エンドロールに「スマイルカンパニー」の社名を見たときには良からぬ事を考えてしまいました。
当代No.1女優・河合優実!!
演技には3種類あると思う。
現実では見られないほどの人の深淵を描いてみせる真実の演技。
感心するほどのスキルを駆使して上手に吐く嘘の演技。
非常にリアルで等身大だが現実生活の形状記憶の様な演技。
この作品にも3種類の役者さんが出てくるが、
もちろん河合優実さんの演技は一番最初のタイプだ。
もちろん三つに甲乙つけるつもりはない。
でも、
本編鑑賞中ずっと、主人公の女性の人生を
身につまされる様に見入って胸を締め付けられた。
杏の一挙手一投足に手に汗握って応援していた。
今年No.1の演技だと思う!
傑作でした‥気になっている人は是非
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
あえてマイナス面から‥
個人的には最後の留置所面接の説明セリフは全く要らないとは思われました。
あんなにセリフで説明されなくても、その前のシーンで全部十分見ていれば分かりますし、監督は、自分のモンタージュの積み重ねの演出と役者の表情の演技を、観客の鑑賞力を、信じて欲しいと思われました。
多々羅保(佐藤二朗さん)と桐野達樹(稲垣吾郎さん)は、善悪の曖昧な立ち位置が(こちらにも否定と肯定を錯綜させる)魅力であったのに、なぜ最後に善の方向に人物に引き戻して、その善悪の曖昧な立ち位置の魅力を破壊する表現をするのか、本当に疑問しかありませんでした。
最後の留置所の説明セリフは全く要らない要らない、と、個人的には心の中で叫んでいました。
キノフィルムの作品では少なくない作品で私的見られる印象で、日本映画の少なくない部分で見られる印象ですが、あの自分たちを善人の側に置こうとする欲望のみっともなさはどうにかならないかと常日頃思われています。
日本映画界(の一部)に根強く居座っている、自分たちを善人の側に置こうとする欲望のみっともなさは、本来は矛盾に満ちた人間を描く映画にとって、個人的には害悪以外になく、本当に滅んで欲しい利己的な欲望だと思われています。
そして個人的には、入江悠 監督には『AI崩壊』などで、善悪の描写が分かれ過ぎる印象を持っていてどうしても不信感はぬぐえていないのですが、今作でも最後の最後に顔を出してしまった、もったいない以外にないとの感想を持ちました。
また、最後のシーンも、重要なエピソードを短い2場面でパンパンと見せて終わった方が良かったと思われます。
仮に、最後の留置所のシーンがなく(あっても多々羅保の表情のみ)、ラストが短い2場面で終わっていれば、個人的には久しぶりの、文句無しの5点満点の素晴らしく見事な映画作品だったと思われました。
主人公・香川杏を演じた河合優実さんの素晴らしさは言うまでもありませんが、2020年の当時の空気感を描いた、描かれなければならない描写も含めて、現時点では2024年の邦画でトップの作品に感じました。
ここに書いたマイナス面を差し引いても、それをはるかに凌駕する、図抜けた傑作だと思われています。
この映画が今後、広く評価されることを個人的にも強く願っています。
良質ですが好みではない作品
駄目な親、駄目な刑事、駄目な記者と駄目ばかりなところに、せめてもの救いだった介護施設も学校もコロナの影響で行けなくなり、最後の生きる希望であった子供も取り上げられ、本当に救いのない作品。
残された日記には子供の嫌いな食べ物などが書かれており、それを見た時にはもう少し希望のある終わらせ方は出来なかったのかと思わされました。
役者の演技や映像など映画としての質は高いと思いますし、実際にこういうことは身近なところで起きていて他人事だとは言えないとは思いますが、本作のように問題提起だけして終わりの映画は好みではありません。
追記〉
役者の演技はいいと書きましたが稲垣吾郎は除きます。一人だけ浮いて見えました。
せっかく立ち直りかけたのに
救いようのない家庭に生まれ育ち、小学校もまともに通っていかった主人公。折角立ち直りかけていたのに、恩人の刑事が自分の性欲におぼれて逮捕されるわ、コロナで自宅待機になるわで閉塞状態になっていたところ、ひょんなことから幼い男の子を押し付けられ、芽生えた母性でなんとか自分を維持していたのに、毒親につかまった上に子供を児相に持っていかれるわで、そりゃ絶望するわな。いつから、日本はこんな弱者に冷たい社会になってしまったのかな。
当たり前の子ども時代がなくなるということ
子どもが育った家で大事にされて大人になるのは当たり前のことなのに。
子ども時代から子どもでいられなかったなら、どんな大人になれというのか。
大人が子どもを守るは常識だけど、それが理解できない残念な人達もいる。
環境にも運にも恵まれなかった中で、一番難しい努力は自ら変化を望むことだと思う。
毒母にあらゆる成長を阻まれながらも、優しさを失わずに健気に生きてた彼女にどこまで苦難を押し付けるのか、目を背けたくなるような酷い現実だった。
子どもをモノ扱いする親は親ではない。
そしてその環境から助け出してくれた人の別の面を知ると、優しさの全てがグルーミングの一環だったかもと不安にもなる。
こんな環境にいたら大人が信じられなくなるに決まってるし、その子が大きくなったらどんな大人になるのかも想像に難くない。
数日前に『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』を観た所だったので、見ず知らずの子どもの未来を守ろうとする人がいる一方、自分の子すら大事に出来ない人もいることにとても胸が痛む。
皆んなが自分の子を精一杯大事にできたら世の中は違ってくるだろうに。
あんはきっとまだ他にもいるのだろう。
せめて助けを求める声をあげることだけでも出来るといいのに。
全351件中、161~180件目を表示