あんのことのレビュー・感想・評価
全522件中、61~80件目を表示
かわいそうだよー
ハッピーエンドは望むべくもないだろうと思ってたはいたけど、杏ちゃんあんなにがんばってたんだよー。直前にナミビアの砂漠を見たので、あの死んだ目の人生に何の目的もない女から、境遇は恵まれないけど幸せに、どころか真っ当になるためにがんばる少女を演じられる、この河合優実という女優末恐ろしい、と思って勝手に同じ監督だと思ったら違いましたね。確かにチラチラと描写が雑でした。一番気になったのはね、記事が出てから稲垣吾郎くんがめっきり杏ちゃんのところに顔出さなくなったこと。あんなに頻繁に会って仲良くしてたのに、記事になって用がなくなったらあっさり切り捨てる、こういう人たちに裏切られ続けて杏はこういう人生に落ち込んだんだなと、そう思わせる演出なのかと思ったら、最後また突然出てきて泣き崩れて多々良に会いに行ったりしてたよね。これってあれ?未だに元スマップたる稲垣くんに冷酷な役はやらせられないという芸能界の闇なわけ?このせいでこの映画の質が一気に落ちた感じしましたよ。そしてナミビアの砂漠の監督だと勝手に思ってたから、あーこの頃はまだ下手だったんだねーなんて思ったけど、この監督が下手なだけ、もしくは元ジャニーズに遠慮してただけなんですね。
杏の想いが心に痛い
「救いはないのだが、受け止めなければならない」というのは、評論子が入っている映画サークルの先輩会員の本作に対する評でしたけれども。
評論子的には「救いがない」というよりは、おそらくは、「心の支え」としてきた3本の柱…やっと手にした介護士としての仕事と夜間中学の授業、そして信頼していた多々羅が、コロナ禍や彼の「別の姿」を知ることで、ついにポッキリと心が折れてしまったというのが、本当のところだったのではないかと、評論子は思いました。
本作を観終わって。
杏が選び取った「あの結末」は、決して肯定できるものではないのですけれども。
その決断に至るまでの彼女の心痛を思うと、本当に胸が張り裂けるような想いも、抑えることができません。
十二分な佳作だったとも思います。
(追記)
杏を、ただその鬱憤のはけ口としか見ていないような、彼女の母親・春海を「毒親」と、切って捨てることは、ある意味、簡単なことでしょう。
一方で、春海にしてみても、夜の世界の商売(スナックの経営)で、おそらくは苦労の連続で杏を育てて来た、ということでは、その憤懣(ふんまん)・鬱憤(うっぷん)は、まさか店の客に向ける訳にもいかないので、必然的に娘である杏に向かってきたのだろうと、評論子は思います。
春海のそういう態度を指して「毒親」というかどうかは、さておくとしても。
問題は、その「向かい方」ということで、春海の「幼児性」ということが、一番て、しかも最悪な問題点だったのではないでしょうか。
わが子である杏を「ママ」と呼び、その要求(娘が母親に求めるような甘え)が満たされないと、その返報として、容赦のない熾烈な暴力―。
あたかも、自分の要求が満たされないと駄々をこねて暴れる幼児(駄々っ子)を見ているかのよう。
春海のその幼児性と杏の「最後の決断」との間に、法的な意味での因果関係を認めることは、おそらく難しいでしょう。
しかし、それでも、晴海は杏の「最後の選択」を自らが犯した「罪」(自らが杏に選択させた結末)として、その十字架を、終生、背負って生きるべきだと考えたことも、おそらく評論子だけではなかったこととも思います。
(追記)
参考にさせていただいた映画.comレビュアーの皆さんの間でも、主演の河合優実の演技を評価する声が多くありました。
もちろん、評論子的にも、その賛辞には少しも異論はないのですけれども。
しかし他面で、評論子は、佐藤二朗の演技(と彼に独特の風貌・キャラクター)も、本作には欠かせない「味付け」になっていたとも思います。
別作品『さがす』『変な家』などと並び、いわば「ジキル博士とハイド氏」を演じた彼を、これからも観続けていく楽しみが増えた一本にも、評論子にはなりました。
どこかにいることを忘れてはならない
第98回キネマ旬報ベスト・テン第10位。
Amazon Prime Videoで鑑賞。
とても苦しくて辛い映画だった。実話ベースの物語だからこその重みが心にずしっとのしかかる。杏の歩んだ悲劇的な半生を体現した河合優実の圧巻の演技に息を呑んだ。
冒頭から辛い。杏の荒んだ暮らしに心が痛む。そんな彼女に差し伸べられた手。見出した生きる希望。観る方も少し心が軽くなる。彼女の前途は明るく照らされ始めた…はずだった。
これは果たしてコロナ禍のせいだけなのだろうか。杏の家庭が機能不全であることが一因なのは間違いない。希望も絶望も知らないから、助けを求めようがなかったのかもしれない。
こんな悲惨なことが現実に起きたのだ。もしかしたら私のすぐ近くでも。衝撃を禁じ得ない。悲惨な現実をまざまざと見せつけられたような感じで複雑な余韻が残る。杏のような人がどこかにいることを、決して忘れてはならないと思った。
依存先は多い方がいい
生活保護や児相、訳ありの人のための家、定時制、高卒認定、非正規雇用など人を助ける手段が沢山でてきた。
また、薬をはじめとして友情、コミュニティ、趣味、勉強、仕事、愛情、使命など人を人たらしめる物も沢山でてきた。
自律とは1人で生きることではなく、依存先が多い状態を保っていること。
人物像が浅すぎて、ストーリーにあんま深入りできなかったのが残念。
刑事は悪人ではないはず
佐藤の演じる刑事の過去の行いと、それを暴いた記者によって、あんの平穏は音をたてて崩れた。
稲垣演じる記者が「熱心だった」と感じた女性。
彼女は、本当に性行為を強要されたのだろうか。
週刊誌側は、彼女に取材料を払ったのだろうか。
彼女についてきた、男の存在は何なのか。
当たり前の話だが、「性行為の強要」は否定されるべきもの。
それを前提として、特に最近、その話を持ち出されると、問答無用で男側の言い分は「卑怯者の言い訳」としてレッテルを貼られる傾向が強すぎはしないか。
男と女は、途中までは上手くいっても、ふとしたキッカケで関係が最悪なものに発展するケースは珍しくない。
そこで、復讐のためには「手段を選ばない」女性は、割といると感じる。
男と女が恋人など近しい関係があったとき、割り切ったり、酷いことを平気でできるのは、どちかというと「女性」のような気がする。
もちろん個人差もあるが、そういう場合、女々しかったりひきずったりするのは男側で、女側はドライ、というのが、今まで見てきた自分の感じ方だ。
いくら人間には多面性があると言っても、この刑事の、本質は悪人であるはずはない。性行為自体はあったとしても、「悪事」であったかどうか、そこは怪しい男を横につけた、女性側の主張一つしかない。
この記者が、余計なことをしなければ、あんは亡くならずに済んだ。
和製ダンサー・イン・ザ・ダーク
なんとも表現しがたい感情
救いは無いし、理不尽極まりないし、胸糞悪い部分もあるが、社会との繋がりが途絶えるとなんとも人間とはもろく、逆になんとも無垢なものかというのを思い知らされた。
そして、経験したあの世界が変わりゆく瞬間、主人公と同じ様にポロポロとこぼれ落ちて行く人たちを、たぶん私たちは知っている。彼らを忘れてはならない。
誰も救われない胸糞悪くなる作品
自宅レイトショー『あんのこと』Amazon Prime Video
映画好きの皆さんの昨年のベストムービーに必ずランクインしてる作品
ある新聞の片隅に掲載された事件が元ネタらしいだけに地味にリアル
ここ数年超注目女優の河合優美主演の話題作
私的に配信待ちでいいかなって事で、アマプラ鑑賞
内容的にはR18ながら露骨な性描写をあえて無しにした感じのPG12
その部分が、誰も救われない虚しい悲哀と妄想を増長させる
なので下世話ですが、観てお得は無し。。。
こどもは親を選べない
香川杏(かがわあん)
…母から薬物、売買を強要され
学校も行けず教育も受けられず
母の虐待を受け続けて
身体や心の状態まで
病んでいる時に…
刑事と出会う
そして
薬物を止めるきっかけをもらった
介護施設で働き学校で学べることが
彼女の心の安定となり
順調にいくのかと思いきや・・
コロナ禍で
施設で働けなくなり
学校も休校になって全てが止まり
人との繋がりも失くなってしまった
そして母に見つかってしまった事が
あんにとって最悪な状況に戻ってしまった
…母がいる限り
あんの生きる場所はないかもしれない
コロナ禍かぁ~
いい人達と繋がったのに
もし、コロナ禍じゃなかったら
と思ったりもするけど。
ひたすらに救いがない
殺虫剤を撒く前に。
近頃の浮ついた自分への覚醒剤
貧困女性というジャンル映画
あんのこと
どこまでも自己中心的な母親が娘に暴力を振るい、自分の為に売春をさせ、娘をママと呼ぶ未成熟さが痛々しい。そんなどうしようもない毒親からの自立を図りなんとか生活を立て直そうとするも、電線に脚を絡め取られたカラスのように自由に空を羽ばたくことが出来ない。
薬物依存から立ち直る為のサルベージは間違いなく機能していたし、刑事の功績も大きかった。
記者が「私があの記事を書かなかったら、彼女はまだ生きていたんでしょうか?」と問うていたけれど、たったひとりの刑事の個人的努力によってしか救えない事自体が社会の問題で、やはり刑事の逮捕は間違っていなかったとおもう。それとは別の問題として捉えないといけない。
全く救いのないように見える物語だけれども、主人公はおばあちゃんのことをずっと想っていたし、あんな母親でも直接的に傷つけることはできなかった。
唐突に預けられた他人の子供もちゃんと面倒をみて、自分の体を犠牲にしてでも救おうとした。
だからこそ、彼女には幸せになってほしかったけれど、母親のように誰かを傷つける前に自分を傷つけて、それでも耐え切れずに命を絶ってしまった。
こんな子供たちの為に、映画を観ている私たちは何ができるんだろう。
きっともう忘れられない。あんのことを。
考えさせられる映画でした
今、若手の最先鋒(正しくは急先鋒?)河合優実さんの迫真の演技が話題で絶対観ようと思っていたものの、なかなか映画館に足を運ぶことができずVODでも「しっかり腰を据えて臨もう」と思っているうちに年末を迎えてしまいました。
紅白で珍しくちょっと感動して、カウントダウンは遠慮して精神的にしっかりした状態で鑑賞しました。
が、これは凄いというかなんだか後味が悪い状態で新年を迎えることになってしまうとは!?それにしても河合優実さんの、本物じゃないかと思えるほどの演技に圧倒されました。事実をもとに作られたお話というのもより苦い後味の一因かと。日本の貧困社会にコロナ禍が相まって、とても哀しい展開になっていましたね。
福田監督作品の佐藤二朗さんは正直好きじゃないのですが、今回の色々な苦悩を抱えた演技には見直さざるを得ませんでした。同郷で大学の後輩でもある佐藤二朗さんを陰ながら応援してきた甲斐がありました。余談ですがジブリパークの宮﨑吾朗さんも同時期安曇野あたりで青春してたと思います。またふつうのジャーナリストの吾郎ちゃんとの対比もよかったです。吾郎ちゃん、『半世界』での寡黙な雰囲気よかったですね!もうSMAP再開しなくても大丈夫でしょう!
もうひとりのかわい(川合)さんも本当に憎らしく、、いけないこととは思いながら「刺しちゃえ!」って思っている自分がいました。TVドラマ『Mother』で幼い芦田愛菜ちゃんを虐待する尾野真千子さん&駆け出しの綾野剛さんを思い出しました。悪役の演技は心から憎々しく思わせたら『勝ち』ですね。
今日は一日明け、年も明けて心穏やかな朝を迎えていますが一年前の突然の震災や社会が抱える根の深い課題を考えると、普通の生活が送れることの幸せに感謝しなければと心から思います。事実に基づく話であることを再度認識して後味の悪さは置いておいて考えさせられる大事な作品だと思いました。
それにしても河合優実さんからしばらく目がはなせませんね。缶コーヒーのCMの中でファン第一号を名乗る神木隆之介の気持ちがよくわかります!!
話題性、過激性、マーケティングに問題あり
河合優実主演で話題作になるかと思えば都内なのに上映劇場は少なく配信もすぐ終わった。
これでは観ないでくださいとでも言っているよう。
やっとPrimeビデオで観れたので見た。
PG12なのに性的なシーンなど皆無
ただラリってる風なシーンのみ
暴力シーンも軽微なものしかなくPG12にする必要あった?
せっかく河合優実が主演を承諾したなら
「闇の子供たち」くらいの事したら良かったのに。
新聞記事が元だと言う事だから活字からの実写化だからかリアル性にも欠けるような淡々さ。
杏は薬物中毒者であるがSEXワーカーを強いられている虐待児なのに
体を売るのが日常であった事が1ミリも描かれておらず
現実を知らない脳天気日本人にキレイなところだけ見せて終わりにして可哀想を誘う映画。
馬鹿なの?
この手の事実はいつだってあるし、他にもニュースになった実話は沢山あるよね。
最初から最後まで救いがないようにたんたんと流れていくが、
心臓がびっくりしないように活字だけから作った淡白なお話。
同じSEXワーカーを描いた「エゴイスト」はフィクションであれもリアル性にはかけたがまだマシだった。
この手の映画は人に観てもらわなければなんの啓発にもならない。
もっとまともな作品作りをすれば河合優実の代表作にもなったかもしれないのに。
残念だ。こんな映画で心が痛くなったとかほざくお花畑日本人がいたら失笑する
つらい…
全522件中、61~80件目を表示