あんのことのレビュー・感想・評価
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孤独、絶望。信頼できる大人がいてくれたら。
実話ベースであり、観ていてしんどい映画であることは予想どおりだった。
壊滅的な親子関係と生育環境の中にいる主人公。そこから救うのに必要なのは、一刻も早く母親から完全に引き離すことと、信頼できる大人の存在であったと思う。
ストーリーは大きく分けて、それが叶うと思われた前半パートと、うまくいかずに冷たい現実を突き付けられる後半パートに分かれている。
印象に残ったのは、清濁併せ持つ刑事を演じた佐藤二朗の演技。型破りで有り余るエネルギーが、良い方向にも悪い方向にも振れている役どころだ。結果的に最悪の結末を迎える引金になってしまうわけだけど、主人公を救いたいという思いは、恐らく本物だったんじゃないかな。そういう人間の複雑性や悲しい性を感じさせる演技は、(クセが強くて賛否あるだろうけど)見応えがあった。
余韻を残したいであろう終盤のいくつかの長尺シーンは、同じく貧困や人とのつながりをテーマにした「万引き家族」を彷彿とさせたが、残念ながらその域にまでは達していなかったように感じた。それは俳優の演技と監督の力量の差かなとも思いました。
映画の一つの仕事 伝える
リアリティを感じない。レベルの低いモキュメンタリー
実話を元にして作ったらしいが、脚本がまとまっておらず、映画として脚色する事でリアリティも失われている。
俳優の芝居は良いので、誤魔化されているが
この映画を何の為に作って、世に何を問いたいのかがサッパリ分からない。
新聞記事で見た悲惨な現実をただ悪戯に脚色して薄めただけである。
何を描きたいのかの的が全く絞りきれていない。悲惨な現実を元に映画として昇華して作れていない。
神も仏も·····
1人でも
きっと、トーヨコにいる子や、お金のためにAV出ちゃう子や、親のDVで学校に行けない子、とにかくまともな家庭で育てない子は沢山いるのだと思う。
1人でも多くの不憫な子供に支援が行き届くと良いなと思う。
シェルターに入ってから、相談できる人が身近に居ないのはキツイ。
コロナのせいで。映画ではそう描かれていたけど、刑事が逮捕されたあと、誰もフォローしないのはおかしいよね。
急に手渡された隼人を必死で面倒見る姿に、涙が止まらなかった。
河合優実さん、凄いね!
あんちゃんの人生について
見た後にズシーンと重たくなる作品。
最後のシーンはトドメのようにあんちゃんの人生について、考えさせられる。
ほんの少しの希望と、あとは全部が絶望で溢れた人生だったように思う。
あんちゃんが違う世界線で幸せに暮らしてると良いなって、そっちに走ってしまいたくなるくらい
素直で優しい女の子。
こういった現実が存在するなら、どう解決したら良いのか?
こんな風に苦しんでる子がいたら、誰が救ってあげられるのか?
そういう描き方に視点を置いた作品が必要なんじゃないかな?
絶望のあとには希望がないと、
生きるの辛すぎるじゃん。
映画の作品としては良かったと思います。
つらい現実に憤りを覚える
痛い。
実話をもとに。
との事らしい。
まずは、「痛い」。
観終わってなんか痛い。
痛車とか痛い人の痛いではなく
感覚の痛い。
助けを求める人がいて
助けるけど見返りを求める人がいて
結果が想像できるのに
形を壊す人がいて。
後悔先に立たず。
もし、事が発覚せずにコミュニティーが存続していたら。
もし、後ろめたいことをやめさせたうえで
コミュニティーに注力させることが出来ていたら。
もし、コロナが蔓延しなかったら。
もっともっと寄り添える人が居たら。
杏は死ぬことは無かったのだろう。
さて、観るきっかけとなったのは
佐藤二郎が好きだから。
佐藤二郎とは誕生日が10日しか違わない同い年w
誰も興味のない事を書いたw
で、佐藤二郎が出ているなら
作品の出来なんかあまり気にしない。
演技が見れれば十分。
がしかし、河合優美も凄かった。
最近名前を耳にする。
それはさておき。
佐藤二郎と河合優実の演技が凄まじくて
稲垣吾郎さん影薄い。
今後は河合優実に注目かも。
話戻るけど
コロナも記事もなんもなければ・・・・
生きててほしかった!!!
と、強く思った。
実際の話は、杏が死んだ後に逮捕されたりと
映画用に話を作っているらしい。
それでも十分色々な物に振り回されながらも
一生懸命「生」にしがみついた女の子の話。
観ていない方は、是非・・・体調万全の時に
ご覧くださいませ。
心が痛い映画
アマプラにて。
石原さとみだと思って見始めたが、髪の毛を切ってから違うことに気がついた。
とても引き込まれる演技だった。
演技とは思えない姿勢とか指の曲がり方とかペンの握り方とか。
不釣り合いのリュック、大きなキーホルダーがついたペン、好むものは小4から不登校でその時期に経験すべきことをしていなかったから。
子役の演技(?)も子どもそのままだった。
おむつ替えのシーンはあえて必要だったのか?
例えうんちでもおむつの横を破るなんて初めて焦ってるなかで気づくか?
盗んだベビーカーはどうなる?
全ての子どもが、自分の人生は自分のものとして、生きることができますように。
タイトルなし(ネタバレ)
なんて悲しいお話。やるせない。
コロナ禍でコミュニティや支えを失った人がいる。
あの時代の副作用。
しかしコロナの物語ではない。
難しい家庭環境に育った少女を取り巻くリアル。
「積み上げてきたものを自分で壊してしまったから」が突き刺さった。
可哀想で無念で…エンドロール中ずっと泣いてしまった。
河合優実すご。
重い…重さしかない
現実に起こったと言う事実に目を背けてはいけない
何が彼女を救えるのか。それはおそらく人とのつながりだったと思う。人とのつながりが奪われてしまったコロナ禍で、どうすれば彼女は生きれただろう。私にはわからない。しかし、彼女が人に支えられながら懸命に生きたことは私を力付けた。この映画に力をもらった。
激重
杏のことが頭から離れなくなる
金を無心し続ける母親からの日常的な暴力、そして万引き、売春、薬物…自分の全く想像のつかない絶望的な世界を杏は生きていた。
そしてそこへ差し込む一筋の光、刑事の多々羅という存在。杏を救おうと東奔西走する。その姿を見て徐々に心を開いていく杏。
最初は「薬物なんぞに手を染めている若者がそんな素直に他人の言うことを聞くのか?」と疑問だったが薬物漬けにならざるを得なかった理由がある。ずっとこのままでは良くないと本人も考えていたのかもしれない。「幼い頃母親の暴力から庇ってくれた祖母の介護をしたい」という理由で介護施設で働き出す様子を見ていると、根は素直でいい子なのだということが伝わってくる。今まで薬物使用者を色眼鏡で見ていたが、薬物に手を染めるまでのストーリーは人の数だけあるということ、また、薬物が人を狂わせるのであって本音では「助けてほしい」「このままでは良くない」と思っている人も多いのかな、とぼんやり考えた。
多々羅が逮捕された辺りから徐々に杏の人生は再び絶望へと傾き始める。信頼していた人間を失い、そして追い討ちをかけるようにコロナ禍で所属していたコミュニティを失い、孤独に苛まれていく。
コロナ禍のことは皆記憶に新しいだろう。人との接触を絶たれ外へ出ることは悪だと見なされた。世界中の皆が平等に“孤独”と向かい合わなければならなかったと認識していたが、杏のように居場所を失った人も多かったのだろう。特に杏はまだまだ立ちあがろうとしている途中で足下も固まっておらず、もがきながらも少しずつ崩れていく様が見ていて心苦しかった。
作品にするにあたっての創作部分である「隼人」という存在。隣人が無理やり杏に押し付けて失踪するという半ば強引な設定ではあったが、杏の心が解けていくのが分かった。守らなければならない存在がいると生きる原動力になる。
「人は人に優しくされた方法でしか人に優しくできない」という言葉があるが、杏は隼人にできる限りの愛情を注いでいた。誰に教わったのだろうか。幼い頃、母親はもしかしたらもう少しまともで杏に愛情を注いでいたのだろうか。それとも働くきっかけをくれた祖母は足が動いていた頃は杏を心身共に守っていたのだろうか。誰かに愛情を注いでもらったことがある者のみ人に愛情を注ぐことができると思っている私は幼い頃の杏に思いを馳せ、隼人の存在を重ねてそう考えた。
最終的に実家に連れ戻され、母親に金を作ってこいとどやされた挙句家を空けている間に隼人も取り上げられてしまう。
再び薬物に手を出してしまうには十分すぎる理由である。毎日嬉しそうに日記につけていた丸は途絶えてしまった。杏はそのまま自死という選択をする。
このストーリーを絶望で片付けるのは簡単だが、杏が必死にもがいて更生の道を辿ろうとしていたことは私の頭の中に残り続ける。そして今日もどこかで杏の様な人間が細々と、光の当たらない場所で必死に生きているということも。それだけでこの作品を鑑賞した価値があると思う。
コロナ禍の身近な悲劇なのだが…
2024年9月25日 アマゾンプライム
正直、主人公が最後に自死する映画はどんな名画だろうとも観たくはない。
この映画は日本で実際に起きた事件を基にしているので、深く考えさせられる内容であることは確かである。親子役の両女優の演技も凄かった。
ただ作品として、私の好みには生理的に合わなかった。
どんより
映画って、見たあとの感覚がいくつかある。メッセージのようなものがあったり、単純に面白かった、幸せな気持ちになった、感動した等。これはホント、なにがしたいんだろう。こういう子がいたのはわかる。コロナで全てを失った人もいるだろう。毒親に育てられた子ども。裏の顔を持つ警察官。交際相手と居たいシングルマザー。ゴミが捨てられない人。売春を強要する親。辛いこと祭りの映画だった。見終わって、ただただ不愉快な気持ち。最後のシングルマザーも、「あんちゃんのおかげ」と言ったが、日頃からあんとの接点なんてなかったはず。なんだかな〜と、見たことを後悔した。レビューがよいのが謎。
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