「救いの手」あんのこと りゅさんの映画レビュー(感想・評価)
救いの手
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1度は警察官と記者によって、依存していた薬物と親の虐待から離れることが出来たが、コロナと警察官の職権乱用によりその救いの手は途絶えてしまった。
薬物をやっている人間は自殺しない。死ぬ前にもう一度薬物をやるからだ。
じゃあ彼女は何を思って飛び降りたのか。
この世界への絶望なのか、それとも再び薬物に手を染めてしまった自分への罪悪感なのか。
ただ暴力を受けるだけでなく、たった12歳で親が紹介した男に体を売らされ、16歳で既に薬物に依存。親が放った「私が産んだんだから、お前の体は私の物」という言葉は虐待する親全てに共通するんだろうなと。
彼女は生活保護は受けられなかったものの、警察官や記者のように世の中には救いの手を差し伸べてくれる大人も存在することは確かだ。しかし、それらの救いの手が100%守ってくれる訳ではないとも言える作品だった。
正直、子供の世話を押し付けられたシーンは必要ないんじゃないかと感じた。特に最後のシーンである親が放った「杏ちゃんは恩人です」というセリフ。勝手に子供の世話を放棄して押し付けたのに、何が恩人だ?何が墓参りだ?
自身の親に対して刃物を向ける動機としてはまだ分かるけど、正直警察官と記者のシーンで締めてよかったと思う。
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