劇場公開日 2024年6月7日

「河合優実の代表作!」あんのこと ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5河合優実の代表作!

2024年7月7日
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鑑賞方法:映画館

どん底のいた杏(河合優実)が、刑事 多々羅(佐藤二朗)、ジャーナリスト桐野(稲垣吾郎)
との出会いを通して生きることに前向きになり、
着実に一歩一歩成長していきながら、生きがいを見つけていく
その前半は観ていて優しい気持ちになれました。

一方、冒頭に強烈な印象を残した毒親である母(河合青葉)が出てくる度に
杏の足をひっぱりまくるわけです。
ラスト近くに出てきて、一方的に子どもを杏に預けて去った三隅(早見あかり)も毒親☠️。
(このあたりの雰囲気は『MOTHER』や『遠いところ』にも通ずるものがあると感じました)
杏にトドメを刺したのも母で、預かった子どもを児童相談所を引き取られ、
さらには自分の生活のために売春をやってこいと言う、このあたりの普遍的な毒性はもはや
救いようがなく、あんを幼少期から洗脳していたがゆえに、あんもそこから逃れることは
できなかったのだろうと思います。
それにしても杏のことを時折「ママ」と呼ぶ母親には怒りしか感じられませんでした。

ただ、たらればにはなりますが、多々羅が逮捕されていなければ、杏はまだ救われたのだろうと思うんですね。
多々羅はある意味倫理観が欠如しているクズではありますが、
人を更生させようという気持ちはちゃんと持っている人物だと思うんですね。
いずれ杏にも手を出したのかもしれませんが、そこはちゃんと人を見極めて選んでいるように想像しました。
拠り所だった多々羅の不在は、杏を死へと至りしめた大きな要因だったに違いありません。

ラストは杏の死を知った多々羅と桐野、それからアホさ加減全開だった三隅(本当にアホだなと脱力しました)、
それぞれの場面で締めくくられるわけですが、
杏は三隅の子どもを救ったんですよね。そこには確かに杏が生きていた証があるわけです。
そこに救われた本作でした。

この世から毒親がいなくなり(子どもを育てられる覚悟がない人には、子どもをつくって欲しくないと切に願います)
不幸な子どもたちがいなくなることを、心より願っています。

とにかく本作は、河合優実が圧倒的に素晴らしいです。今のところ彼女の代表作だと思います。

※宮崎では一昨日7/5(金)から公開されていますが、本日、私の鑑賞回は満席でした!!

ひでちゃぴん
ひでちゃぴんさんのコメント
2024年7月13日

ノブさん、ありがとうございます。稲垣吾郎はひとクセある役が多い印象です笑

ひでちゃぴん
ノブさんのコメント
2024年7月13日

コメントありがとうございます。なるほど、私はあまり稲垣吾郎を見かけないのですが悪役が多いのですね。今度見かけたら悪い奴だと思ってみます(笑)

ノブ
ひでちゃぴんさんのコメント
2024年7月13日

トミーさん、ありがとうございます。そこが多々羅の二面性と言いましょうか、更生させたい気持ちと、性欲が別で、ある意味矛盾をはらんだ人間なんだと思いました。

ひでちゃぴん
トミーさんのコメント
2024年7月13日

共感ありがとうございます。
更生に力を貸してやってるんだから、この位の約得・・そう考えるのが人間なんでしょうね。責めていい! と思いますがね。

トミー
ひでちゃぴんさんのコメント
2024年7月13日

ノブさん、多々羅はダークだけれど真っ黒じゃない感じでした。佐藤二朗だからできた演技だと思いました。

ひでちゃぴん
ノブさんのコメント
2024年7月13日

共感ありがとうございます。確かに多々羅は悪と一言では片付けられないですね。一瞬でも杏の救いになってたことは事実ですし。そんな真っ黒な人物にも見えなかったね。

ノブ