劇場公開日 2024年6月7日

「あんと河合優実」あんのこと Tone Rinaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5あんと河合優実

2024年6月22日
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河合優実さんの演技が並外れていた。あんの人生を生きていた。こんなに俳優さんの演技で感情移入したことはない。「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」の時にも彼女の演技力に呑み込まれてしまったけれど、今作でも河合さんの表現力にひたすら犯されていくしかなかった。

映画はいつも私に寄り添うものだと思う。ドラマはリアルタイム性があり、今放送しているドラマは常に“今”で、過去のものも懐かしさを帯びる。映画のように2、3時間では終わらず何週にも及ぶからその時の自分の時間の流れも交わる。ミュージカルや舞台は一度きりのもので、同じ公演は2度と見ることができない。しかし、映画は常にそのままで、物語を凍結したようなものだと思っている。演技をした俳優も、物語も、全てがそのまま在り続ける。だからこそ、私はこれからもあんと生きていく。

河合さんが見せてくれた、あんの見たものや大事にしたものと私も生きていく。

Tone Rina