劇場公開日 2024年6月7日

あんのことのレビュー・感想・評価

全546件中、1~20件目を表示

4.5どうしたら彼女を救えたのか

2025年1月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

彼女がひとつひとつ立てた自分の居場所や、やりがいや、自尊心が、ドミノ倒しのようにバタバタと倒れていく残酷さや無慈悲さに、胸が苦しくなる作品だった。これが実話だなんて…。

彼女を地獄から救ってくれたのも、突き落としたのも、彼女に関わった人々。
学ぶこと、考えることを幼少期の虐待によって奪われた彼女にとって、他人からの影響で簡単に人生を左右されてしまう。それが悲しい。
多々羅刑事が杏を救いたい、助けたいと想う気持ちには嘘は無かったと思いたい。誰かにとっては良い人でも、誰かにとっては悪い人、人間ってそういう生き物なんだと思い知らされた。

コロナ禍を過ごした今、あの時期を振り返ると確かに異常な日々だった。
人と人との繋がりで成り立つ社会で、感染防止を名目に人と人とのコミュニケーションを断ち切ろうとする社会だった。けれど人間は、身体の健康と同じくらい心の健康も大事。身体の健康だけを重視し、心の健康をおざなりにした結果招いた悲劇のように感じた。
あの時、杏のような想いであの日々を過ごした人は、たくさんいたんだろうな。

どうしたら彼女を救えたのか、映画を見た後そればかりを考えてしまう。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
AZU

1.5ヤッパリ観なければよかった。

2024年9月14日
Androidアプリから投稿

2024年上半期の邦画で非常に評価の高い作品ということで、果たしてあまのじゃくのオレが見ていい映画かどうか迷ったが。

「あんのこと」



ヤッパリ観なければよかった。すまん。

お客様が入ってなんぼ、という意味では大成功で、この映画は「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」と同じく、その成果にはとても感服する。

おそらく製作陣が意識したであろう、過剰に哀れな描写はしないという姿勢とは全く真逆の演技と生活描写が目につく。一方、今生存している人類が二度と経験しないであろう、世紀のコロナ流行に、対処している団体、自治体は描かれない。

各キャラクターそれぞれに深みを持たせない設定、描写は理解するが、カラオケで「ランナウェイ」を歌わせるには、その意味が唯一見出せるであろう歌詞の一節を歌わせなかったり、あえての浮世離れの役者起用で、存在感を薄く設定したキャラクターが、思いっきり腰から崩れる。

ごみ捨てはできないが、児相に電話でき、本人の都合通り対処できる母。児相がその家を訪れた描写がないのは、あえて省略したのだろう。主人公を追い詰めないといけないので、そんな脱線はできない、ということだろう。

ラストの母子家庭の廊下のワンカットに希望を見いだせた人は、素晴らしい人で、うやましい限り。

面会シーンでいうと、両者ともに「良心もあるが等しくクズ」で、言い訳、言い逃れ、といった自己弁護、罪悪感のぶつけ合い、という意味があるなら、成功しているかもしれないが、当時を舞台にするならば、いっそそこだけはコロナのせい、と言ってしまったほうがよかったような気もする。

といったように、本作の各キャラクターに関して、「なぜ」の理由は要らないとは思うが、彼らの「背景」には「なぜ」そして「なぜそうなったか」の問題提起を匂わす描写、あるいは問いかけは絶対に必要だと思ったが、よけいなことは入れずに、「主人公熱演」、「救いのない」といった感想にあふれる結果となったのだから、大成功ですね。

コメントする 3件)
共感した! 39件)
しんざん

4.0伝えたいのは絶望か希望か?この映画が伝えたかったもの

2024年7月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 30件)
ななやお

4.0杏の希望と絶望を分かち合う

2024年6月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 77件)
ニコ

5.0河合優実は今年を代表する役者

2024年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

いつもの入江監督のスタイルとは異なるテイストの作品に仕上がっている。できるだけ監督自身の采配を芝居に入れずに観察・記録に徹するようなやり方を今回は選択している。そのやり方が成立するのは、役者への信頼ゆえだが、その信頼に120%役者たちが応えている。主演の河合優実は本作と『ナミビア砂漠』と『ルックバック』で、今年を代表する俳優となると思うが、本作の鬼気迫る芝居は観る人全てをくぎ付けにする。非常に辛く悲しい物語を現実感ある手触りで描いた作品なので、見るのがしんどいと感じる人はいるだろうが、それでも目をそらさせないだけの芝居を彼女がやってのけたおかげで、観客はこの理不尽な現実を受け止めるしかない。
佐藤二朗も善人とも悪人とも決めかねる存在を見事に演じているし、稲垣吾郎の週刊誌記者役もじつにはまっている。母親役の河井青葉もすごい。
実話をベースにしているが、映画のアレンジも加えている(早見あかり関連のシーン)。現実を捻じ曲げたいからではなく、現実の理不尽さを際立たせて伝えるために的確なアレンジだったと思う。この現実にあった理不尽のその本質は何かを真剣に考えたからこそ、生まれたアイディアだったと思う。

コメントする (0件)
共感した! 37件)
杉本穂高

4.0目を開かせ、意識を突き動かす秀作

2024年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

あんの人生は過酷だ。その少なからず痛みを伴う物語を、いかなる語り口で観客に伝えるか。作り手の腕の見せどころはそこにあるわけだが、本作は巧みにハードルを超え、観客の心を一度掴むと離さない。彼女の人生に触れると誰もが他人事ではいられなくなる。この子が少しでも前へ進めますように。ささやかなれど確実な幸せが訪れますように。そう切に思わせるのが河合優実という人の凄さだ。加えて、佐藤二朗や稲垣吾郎演じる役柄が存在感を添える。すべての人が敵ではない。彼女を守ってくれる人はこの世に存在する。そう思える、信じられる幸福。ただし、この映画はやがて意表突く展開を提示すると共に、誰しもが経験したコロナ時代を無慈悲に突きつける。せっかく積み上げてきたものが音なく崩れ落ちていく無念さーーー。我々は日々、どれほど多くの声なき声や慟哭に気付かぬまま生きているのだろう。閉じた目を開かせ、視野を広げ、意識を突き動かす秀作だ。

コメントする (0件)
共感した! 24件)
牛津厚信

4.5コロナ禍の“日本人像”を記憶にとどめる営み

2024年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

どちらかといえば娯楽作の印象が強い入江悠監督が脚本も兼ね、コロナ禍である若い女性の身に起きた実際の出来事に着想を得て映画化した、真摯で重苦しい社会派ドラマだ。近年の邦画では、時代背景と人物らの設定で近い部分が多いのは2021年の石井裕也監督作「茜色に焼かれる」だろうか。またコロナ禍とは直接関係ないものの、2020年の大森立嗣監督作「MOTHER マザー」、2023年の工藤将亮監督作「遠いところ」なども社会の底辺でもがく人々の可視化を試みた点で共通する。

本作の杏のように家庭環境に恵まれず社会経験も積めないまま困窮している人々に手を差し伸べる人も、支援する制度や組織もあるにはある。そうしたセーフティネットの脆弱さがコロナ禍によって露呈した面は確かにあったが、すべてをコロナのせいにするのもきっと違うのだろうと、本作を観て痛感させられる。長いものには巻かれる(上が決めたことには異を唱えず従う)、都合の悪いことや面倒なことは見て見ぬふりをしてやり過ごすといった日本人に染み付いた傾向のせいで、想定外の天災に直面して社会的な機能不全を起こし、結果として杏のような存在を追い込んでいったのではないか。

映画鑑賞後にモデルになった女性や出来事に関心を持った方は、「ハナ(仮名) コロナ 朝日新聞」で検索すると2000年6月の記事が見つかる(有料記事のため無料で閲覧できるのは一部のみ)。本作を観る前に記事を読むとネタバレになるので要注意。河合優実の熱演も含め、「あんのこと」を、そしてハナさんのことを忘れるべきではないし、日本人の脆さと弱さを自問し続けなければならないと思う。

コメントする (0件)
共感した! 38件)
高森 郁哉

4.0社会の現実を突きつけられる

2025年8月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
hachizen

4.0落ちるよ

2025年8月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

現代の風刺的なトー横っぽい主人公。更生に向けて動き出すのだが、コロナ禍やらで色々起こってさてどうなるか。と言う映画だ。

感情移入できれば、応援せずにはいられないし涙止まらん。頑張る主人公にほだされて途中までは満点かと思ったが、辛すぎる結末に評価を下げてしまった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
マルボロマン

4.0何とかならなかったのかと考えることが・・・

2025年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

河合優実主演のとんでもない家庭環境に育ち
薬物依存や売春に走ってしまった女性の実際にあった事件を映画にしたもの。
とんでもない家庭環境といいましたがこれじゃ可哀そうすぎる。
親ガチャとは最近よく言うけどこんなクソみたいな母親は
にわかには信じがたいけど本当にこんな親だったんでしょうね。
運悪く新型コロナが流行ってしまい
人と人との繋がりも薄れてしまって
どんどん光が消えていく。
何とかならなかったのかと後となって考えることが
あまりにも多すぎるこの世の中。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
tom

4.5関心を向けるべきは

2025年7月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

キラキラして、豊かで、称賛されるような、そんなとこよりもっと注目すべきとこがあるって思わされる。事実が元になってることが何とも切ない。モデルになった方の生涯にスポットが当てられたことに感謝

コメントする (0件)
共感した! 1件)
さかっち

4.0共感

2025年7月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他、VOD

泣ける

悲しい

知的

近しい境遇だったため杏ちゃんに共感できる部分が多々あった。自分は何とか生きて来れましたが、自死、殺人を犯すかもしれなかった。親を選んで生まれてくるなんてありえないし、よくわからない家庭環境で生きるって大変なんです。次生まれ変われるなら自分のことだけ考えて思うように生きていきたい。杏ちゃんの題材になった方も次は素敵な人生送って欲しい。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
asyuky

4.5どんな人が周りにいるかで、生き様が決まってしまうのか・・・

2025年7月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

驚く

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 3件)
共感した! 24件)
ratien

3.5話を盛る必要はなかった

2025年7月23日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 3件)
うまぶち

5.0胸が締め付けられる作品

2025年7月19日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
YU

4.0河合優実は凄い俳優だ

2025年7月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

途中から見続けるのが辛くなった

コメントする (0件)
共感した! 3件)
あっちゃんのパパ

4.0あんのことを考える

2025年7月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
にち

4.5絶望をそのまま描く

2025年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

毒親に支配される少女の人生が描かれる。逃げても見つけられ、希望の道は閉ざされる。

三世代の不幸の再生産は断ち切れなかった。

この世界で人ひとりの命はたぶんとても軽い。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
惑星

3.0孤独・貧困・権力の闇を描いた社会派ドラマで、観た後気持ち悪くなる。...

2025年7月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

孤独・貧困・権力の闇を描いた社会派ドラマで、観た後気持ち悪くなる。やっぱり親次第だよねー
更生支援が希望ではなく、権力と被支援者の歪んだ関係性を浮き彫りにする構造が心に刺ささる。
実話を基にした作品らしい。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
ホンマサ

4.0救えなかった命

2025年7月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

酷い家庭環境、そして成人してもなお親を拒否できない恐ろしさ。親なら監禁暴行の罪に問われないって、この問題に真摯に行政は向き合って欲しい。いや、向き合っている人はたくさんいるのだろう、そういう人の苦労が並大抵ではないことは容易に想像できるし、本当にありがたいと思う。それでもきっとまだまだ救うには人と制度が不足なのだろう。多々羅刑事は残念だなあ、あんなに信念のある人がどうしてああなるの?そもそも下品だし乱暴過ぎるでしょ、人として。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
Sheeta
PR U-NEXTで本編を観る