劇場公開日 2024年6月7日

あんのことのレビュー・感想・評価

全568件中、1~20件目を表示

4.5どうしたら彼女を救えたのか

2025年1月16日
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鑑賞方法:VOD

彼女がひとつひとつ立てた自分の居場所や、やりがいや、自尊心が、ドミノ倒しのようにバタバタと倒れていく残酷さや無慈悲さに、胸が苦しくなる作品だった。これが実話だなんて…。

彼女を地獄から救ってくれたのも、突き落としたのも、彼女に関わった人々。
学ぶこと、考えることを幼少期の虐待によって奪われた彼女にとって、他人からの影響で簡単に人生を左右されてしまう。それが悲しい。
多々羅刑事が杏を救いたい、助けたいと想う気持ちには嘘は無かったと思いたい。誰かにとっては良い人でも、誰かにとっては悪い人、人間ってそういう生き物なんだと思い知らされた。

コロナ禍を過ごした今、あの時期を振り返ると確かに異常な日々だった。
人と人との繋がりで成り立つ社会で、感染防止を名目に人と人とのコミュニケーションを断ち切ろうとする社会だった。けれど人間は、身体の健康と同じくらい心の健康も大事。身体の健康だけを重視し、心の健康をおざなりにした結果招いた悲劇のように感じた。
あの時、杏のような想いであの日々を過ごした人は、たくさんいたんだろうな。

どうしたら彼女を救えたのか、映画を見た後そればかりを考えてしまう。

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AZU

1.5ヤッパリ観なければよかった。

2024年9月14日
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2024年上半期の邦画で非常に評価の高い作品ということで、果たしてあまのじゃくのオレが見ていい映画かどうか迷ったが。

「あんのこと」



ヤッパリ観なければよかった。すまん。

お客様が入ってなんぼ、という意味では大成功で、この映画は「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」と同じく、その成果にはとても感服する。

おそらく製作陣が意識したであろう、過剰に哀れな描写はしないという姿勢とは全く真逆の演技と生活描写が目につく。一方、今生存している人類が二度と経験しないであろう、世紀のコロナ流行に、対処している団体、自治体は描かれない。

各キャラクターそれぞれに深みを持たせない設定、描写は理解するが、カラオケで「ランナウェイ」を歌わせるには、その意味が唯一見出せるであろう歌詞の一節を歌わせなかったり、あえての浮世離れの役者起用で、存在感を薄く設定したキャラクターが、思いっきり腰から崩れる。

ごみ捨てはできないが、児相に電話でき、本人の都合通り対処できる母。児相がその家を訪れた描写がないのは、あえて省略したのだろう。主人公を追い詰めないといけないので、そんな脱線はできない、ということだろう。

ラストの母子家庭の廊下のワンカットに希望を見いだせた人は、素晴らしい人で、うやましい限り。

面会シーンでいうと、両者ともに「良心もあるが等しくクズ」で、言い訳、言い逃れ、といった自己弁護、罪悪感のぶつけ合い、という意味があるなら、成功しているかもしれないが、当時を舞台にするならば、いっそそこだけはコロナのせい、と言ってしまったほうがよかったような気もする。

といったように、本作の各キャラクターに関して、「なぜ」の理由は要らないとは思うが、彼らの「背景」には「なぜ」そして「なぜそうなったか」の問題提起を匂わす描写、あるいは問いかけは絶対に必要だと思ったが、よけいなことは入れずに、「主人公熱演」、「救いのない」といった感想にあふれる結果となったのだから、大成功ですね。

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しんざん

4.0伝えたいのは絶望か希望か?この映画が伝えたかったもの

2024年7月11日
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泣ける

悲しい

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ななやお

4.0杏の希望と絶望を分かち合う

2024年6月8日
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ニコ

5.0河合優実は今年を代表する役者

2024年6月30日
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鑑賞方法:映画館

いつもの入江監督のスタイルとは異なるテイストの作品に仕上がっている。できるだけ監督自身の采配を芝居に入れずに観察・記録に徹するようなやり方を今回は選択している。そのやり方が成立するのは、役者への信頼ゆえだが、その信頼に120%役者たちが応えている。主演の河合優実は本作と『ナミビア砂漠』と『ルックバック』で、今年を代表する俳優となると思うが、本作の鬼気迫る芝居は観る人全てをくぎ付けにする。非常に辛く悲しい物語を現実感ある手触りで描いた作品なので、見るのがしんどいと感じる人はいるだろうが、それでも目をそらさせないだけの芝居を彼女がやってのけたおかげで、観客はこの理不尽な現実を受け止めるしかない。
佐藤二朗も善人とも悪人とも決めかねる存在を見事に演じているし、稲垣吾郎の週刊誌記者役もじつにはまっている。母親役の河井青葉もすごい。
実話をベースにしているが、映画のアレンジも加えている(早見あかり関連のシーン)。現実を捻じ曲げたいからではなく、現実の理不尽さを際立たせて伝えるために的確なアレンジだったと思う。この現実にあった理不尽のその本質は何かを真剣に考えたからこそ、生まれたアイディアだったと思う。

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杉本穂高

4.0目を開かせ、意識を突き動かす秀作

2024年6月26日
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鑑賞方法:試写会

あんの人生は過酷だ。その少なからず痛みを伴う物語を、いかなる語り口で観客に伝えるか。作り手の腕の見せどころはそこにあるわけだが、本作は巧みにハードルを超え、観客の心を一度掴むと離さない。彼女の人生に触れると誰もが他人事ではいられなくなる。この子が少しでも前へ進めますように。ささやかなれど確実な幸せが訪れますように。そう切に思わせるのが河合優実という人の凄さだ。加えて、佐藤二朗や稲垣吾郎演じる役柄が存在感を添える。すべての人が敵ではない。彼女を守ってくれる人はこの世に存在する。そう思える、信じられる幸福。ただし、この映画はやがて意表突く展開を提示すると共に、誰しもが経験したコロナ時代を無慈悲に突きつける。せっかく積み上げてきたものが音なく崩れ落ちていく無念さーーー。我々は日々、どれほど多くの声なき声や慟哭に気付かぬまま生きているのだろう。閉じた目を開かせ、視野を広げ、意識を突き動かす秀作だ。

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牛津厚信

4.5コロナ禍の“日本人像”を記憶にとどめる営み

2024年6月11日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

どちらかといえば娯楽作の印象が強い入江悠監督が脚本も兼ね、コロナ禍である若い女性の身に起きた実際の出来事に着想を得て映画化した、真摯で重苦しい社会派ドラマだ。近年の邦画では、時代背景と人物らの設定で近い部分が多いのは2021年の石井裕也監督作「茜色に焼かれる」だろうか。またコロナ禍とは直接関係ないものの、2020年の大森立嗣監督作「MOTHER マザー」、2023年の工藤将亮監督作「遠いところ」なども社会の底辺でもがく人々の可視化を試みた点で共通する。

本作の杏のように家庭環境に恵まれず社会経験も積めないまま困窮している人々に手を差し伸べる人も、支援する制度や組織もあるにはある。そうしたセーフティネットの脆弱さがコロナ禍によって露呈した面は確かにあったが、すべてをコロナのせいにするのもきっと違うのだろうと、本作を観て痛感させられる。長いものには巻かれる(上が決めたことには異を唱えず従う)、都合の悪いことや面倒なことは見て見ぬふりをしてやり過ごすといった日本人に染み付いた傾向のせいで、想定外の天災に直面して社会的な機能不全を起こし、結果として杏のような存在を追い込んでいったのではないか。

映画鑑賞後にモデルになった女性や出来事に関心を持った方は、「ハナ(仮名) コロナ 朝日新聞」で検索すると2000年6月の記事が見つかる(有料記事のため無料で閲覧できるのは一部のみ)。本作を観る前に記事を読むとネタバレになるので要注意。河合優実の熱演も含め、「あんのこと」を、そしてハナさんのことを忘れるべきではないし、日本人の脆さと弱さを自問し続けなければならないと思う。

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高森郁哉

4.0希望とは

2025年11月27日
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鑑賞方法:VOD

難しい

描写とキャストの力もあってか重い展開ではあったが比較的淡々と見ていられた。
環境や状況で普通の生き方さえも望めなくなると人は最悪の選択をしてしまうのか?
人の優しさや無情が悲しく見えた作品でした。

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じゅん

5.0あん

2025年11月26日
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鑑賞方法:VOD

この子を助けるために仕事をしてきる。助けられるように頑張りたい。

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まさ

1.5実話風胸糞映画

2025年11月17日
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実話を臭わせてるから
登場人物に対して結構怒りが込み上げてくる

現実にしては要所での詰めが甘いと言うか…
ただ見る側を不快に思わせるだけ

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keisuke

4.5甘い視点がない秀作

2025年11月16日
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鑑賞方法:VOD

現実世界では中々救えない人間を描いている。
最後までご都合な救いを配置しなかったのは素晴らしい。
見たくもない現実世界に生きているからこそ、そうはありたくないと願ってしまう。

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ドラゴンミズホ

4.5ある女性の記録として捉えた

2025年11月13日
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堕ちた若い女性
カサカサな肌、唇
瞳の中に光は無い。

ずっと狂気に触れていた
河合優実は自身を抜け出し
杏という女性になっていた。

闇を持つのも人間
光を持つのも人間

光は差し込んでいた
闇もまた大きかった。
苦しいが、切ないが、
見ることで救いが分かる

感じることで絶望の手前が見える
強く心に残る映画。

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星組

4.0辛い。。。

2025年11月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

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POPCORN

4.5河合優実さん

2025年11月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、VOD

泣ける

知的

と佐藤二朗さんが出ているので最視聴。
佐藤二朗さん出演の爆弾を観る前に笑笑

誰も浮かばれない悲しい現実

薬物依存はなかなか抜け出せない

生活保護も世帯単位でみられるし

児相も手いっぱいやしね

あんだけの話ではないわな

一歩間違えばいつでも闇におちる

そうならないように、堅実に生きていくしかない

ただ、家族の影響とかは可哀想、助けれるそんな世の中になればええけど。

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コタロー

4.0壮絶な生き様、見ていてちょっと辛いかな。

2025年10月31日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

壮絶、見ていて辛くなる。実話がベースらしいが、
どこまでが実際の話なんだろうね。
実話とは違う部分もあるのなら、もう少し、救いが
あってもいいんじゃないか、と思ってしまいました。

河合優実さんは、こういう役が多いですね。
演技のうまさ、凄さは言うまでもないですが、
普通の女の子って役ができなくなるんじゃないの?
と、ちょっと心配(笑)

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tochi06

3.5実話がベースだけど

2025年10月28日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

どこまでがあった事でどこら辺を盛ったのかって考えちゃう。あったことだけを忠実に再現して欲しかった

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はちみつ

3.5救いの手

2025年10月24日
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りゅ

3.5実話の重み

2025年10月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

実話が基になっていることがオープニングの字幕にありました。そのことをはじめに知っておく方がよいという判断があったのだと思いますが、私もそのことに共感しました。21歳の香川杏(河合優実)は、母親(河井青葉)から虐待を受け、小学校も卒業できず、12歳から売春を強要され、薬物依存症になっています。そこに救いの手を差し伸べる刑事・多々羅(佐藤二朗)や記者・桐野(稲垣吾郎)らとの触れ合いに安堵したり、でも、一筋縄ではいかない世の中の不条理も真正面から描かれいて、とてもやりきれない気持ちになりました。しかし、これがフィクションではなく、実話ベースであることが重要なんだと思いました。こういう生き方を強いられた女性が実際に現代の日本にいる、今まさにそういう社会であることを他人事で済ませてよいのかという問いかけに思えました。この映画では、その解まで提示しているわけではありません。それは、観た人それぞれがそれぞれの置かれている場所で探し求めていくことかなと感じました。とても重苦しい宿題です…。

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赤ヒゲ

4.5河合優実好きになりました

2025年10月20日
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こんな境遇に恵まれない人が実在するのかという衝撃。そもそも義務教育を受けられないと道徳感や倫理観の基準がなくなりそれがベースになってしまう。
とにかく母親引っ叩きたくて…。包丁ぶっ刺せよーー!と思うが、それをしないあんに愛おしさと同情爆発。

そして刑事。。こんな刑事もいるのか。私も手伝いますだ!って思ってたら、大裏切り喰らった。
やっぱり完璧ってないんだな。赤ん坊と育児放棄ママに恩返しとかで取り返して巻き返してほしい気持ちは着地どころを見失い…。

総じてノンフィクションの範疇の着地。悔しいけど考えさせられるものがたっぷりの作品であった。

25年29作目

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ウナゾートキッコロ

4.0寂しさだけが残る

2025年10月13日
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鑑賞方法:VOD

劇場で間に合わなかったんですよね、悔しかったの覚えてます。
とにかく河合優実の存在感はやはりすごい。
それと佐藤二朗も実に良いですね。
更生施設入所、学校へ入校、コロナ禍による環境の激変、突如の育児、そんな希望を見せておいて胸糞な展開へ。
子どもを一方的に押し付けておいて「恩人です」も腹立たしかった。
愛や夢や希望や全てから隔絶されてしまった、彼女の寂しさだけが残る作品でした。

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白波
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