劇場公開日 2023年12月22日

「生きる」雪山の絆 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 生きる

2024年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

アカデミー賞国際長編映画賞にノミネート
今から50年前の1972年に起きたウルグアイ空軍機墜落事故、
実話の映画化です。
チリに向かうラグビー選手団45名の搭乗した機はアンデス山脈の
氷河に墜落。
29名が生き残ったが、怪我の悪化で亡くなり更に雪崩が追い討ちを
かける。
雪崩で亡くなり生存者は19名程になってしまう。
食料は尽きる。
そして彼らがとった行動は亡くなった友人たちの遺体を
食べることだった。
5度目の映画化とのこと。
アンデス山脈は美しくそそり立ち気高いほど美しい。
山と山、尾根と尾根の隙間の僅かな空間に墜落した機体。
大雪原でクギ一本を見つけるように発見は無理でした。
60日近く経った日に与力の残っていた3人が下山を決行する。
一人は怪我で引き返して、二人はただただ歩く。
麓を目指していくつもの頂を超えてひたすら歩く。
10日間の命をつないだ食糧は、やはり仲間の肉片。
噛んで噛んで噛みしめて命を繋いだ。
チリの麓の緑に羊飼いがいた。
16名が助かった瞬間だった。

アンデスの山々は物言わず、ただそびえていた。
スペイン映画の巨匠J•A.・パコナによる構想から10年。
原作執筆から15年後の完成である。
極限の絶望の中で生き残るための61日間の戦い。
ラストでチリの羊飼いに出会う場面は、
ただただ嬉しかった。

琥珀糖